徐々に見えてきた“本来の姿” 「新助っ人」これまでの活躍度は?【セ・リーグ編】

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2020年07月17日 16:00  AERA dot.

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写真今季から阪神でプレーするボーア(左)とサンズ(右) (c)朝日新聞社
今季から阪神でプレーするボーア(左)とサンズ(右) (c)朝日新聞社
 開幕から約1カ月が経過したプロ野球のペナントレース。今年も多くの新外国人選手が各球団に加入したが、ここまで期待通りの活躍を見せている選手もいれば、日本の野球に苦しんでいる選手もいる。成功か失敗かの結論を出すのにはもちろん気が早い時期ではあるが、ここまでのプレーぶりから各球団の新外国人選手について評価(A〜Cの3段階)してみたいと思う。今回はセ・リーグ編だ。なお今年初めてNPB入りした新助っ人のみで、他球団から移籍した選手は除外し、支配下登録されている選手のみとした(成績は7月16日終了時点)。

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【巨人】

・サンチェス:B

メジャーに移籍した山口俊(ブルージェイズ)の穴を埋める存在として期待されて入団。初登板から2連勝を飾ったものの、その後は連敗を喫してここまで2勝2敗となっている。ストレートは150キロを超えるものの、数字ほどの力は感じられず、カットボールやスプリットなど小さく動く変化球が持ち味。韓国プロ野球時代から登板イニングは少なかったが、日本でもここまで最長で6回とその傾向は変わらない。ある程度の勝ち星は計算できそうだが、現状の投球では大きく貯金を作るのは難しそうだ。

・ビエイラ:C

160キロを超えるスピードが持ち味との触れ込み通り、初登板となった6月20日の阪神戦では161キロをマークして話題となった。しかし制球力には課題が残り、ボールの出所が見やすいフォームということもあって、ストライクをとりにいって痛打を浴びる場面が目立つ。決め球となる変化球も物足りない印象だ。いきなり変化球が向上するとは考えにくく、ストレートのスピードを生かす配球が重要になるだろう。

・ディプラン:C

昨年オフに育成選手として入団し、3月末に支配下登録となった。ビエイラと同様にスピードが武器のパワーピッチャーで、二軍では開幕投手を任せられて6回を投げて7奪三振、3失点とまずまずの結果を残した。明らかに上半身の力が強いフォームだが、意外に力みを感じないのは長所。二軍ではここまで12回を投げて8四死球とコントロールには大きな課題が残る。同じタイプのビエイラとの競争になりそうだ。

・パーラ:B

メジャー通算1312安打の実績通り、ここまでライトのレギュラーとして安定した成績を残している。打つだけでなく球際の強さや素早いスローイングなど、守備力も高いのは大きなプラス要因だ。速いストレートには力負けする場面は目立つが、変化球への対応力も高いので、ある程度の率を残すことはできそうだ。クリーンアップを任せるには少し物足りないものの、6番以降に収まるようであれば大きな戦力となるだろう。


【DeNA】

・ピープルズ:B

先発の一角として期待され、ここまで2試合に登板して勝ち負けなし、防御率4.91という数字が残っている。初登板となった広島戦は6回を投げて1失点、7奪三振と好投したが、続く阪神戦では5回5失点と試合を作ることができなかった。2メートル近い長身と長いリーチを生かした角度のあるボールが持ち味。ただ数字ほどの球威は感じられず、力で押せるタイプではないだけに、チェンジアップ、ナックルカーブなど緩いボールを上手く使うことが必要になってくるだろう。

・オースティン:B

抜群の長打力が期待されて入団したが、ここまで打率も3割を超えており、中軸として十分な活躍を見せている。三振の多さはあるものの意外に対応力も高く、ここまで放った3本のホームランはきれいに三方向に打ち分けている。ただ気がかりなのは故障が多いところ。開幕カードもベンチスタートとなり、7月13日には右手人差し指の腫れが引かないとのことで登録抹消となっている。ロペスが攻守ともに衰えが見られるだけに、オースティンがどれだけ万全な状態でプレーできるかがチームの命運を握ることになりそうだ。


【阪神】

・ガンケル:C

6月24日のヤクルト戦で初登板、初先発となったが4回を投げて被安打7、3失点で負け投手となり登録抹消。その後二軍で好投し、中継ぎ要員として一軍昇格を果たしたが、腰の張りを訴えて登板なしで再び登録抹消となった。サイド気味の腕の振りからツーシーム、カットボールなど打者の手元で動くボールを操るが、制球はアバウト。球威もそれほど感じない。全体的にボールの精度を上げないと先発、中継ぎ、どちらでも厳しそうだ

・エドワーズ:C

メジャーに復帰したジョンソンの代役として期待されて入団。開幕戦の巨人戦で1回を無失点と順調なデビューを果たしたが、その後は右肩の不調を訴えて二軍での調整が続いている。ストレートはコンスタントに150キロを超えるスピードがあり、打者の手元で鋭く変化するスライダーも決め球として使えるレベルのボール。リリーフとしての適性の高さは十分に感じる。チームは抑えの藤川球児も不調で二軍調整となっているだけに、一日も早い復帰が待たれる。

・ボーア:B

開幕から18打席連続ノーヒットという最悪の滑り出しとなったが、その後は徐々に調子を上げてここまでチームトップのホームラン(5)、打点(13)をマークするなど中軸らしい働きを見せている。開幕当初は全く打てなかった左投手に対しても徐々に対応してきており、ホームランも5本中3本を左投手から放っている。基本的にはプルヒッターだが、意外に外のボールをセンターから左方向打てるのも持ち味だ。チームにとって貴重な長距離砲として今後も期待される。

・サンズ:B

練習試合では不振で開幕は二軍スタートとなったが、6月27日に一軍昇格すると、山崎康晃(DeNA)から起死回生の逆転スリーランを放つド派手なデビューを飾った。三振の多さはあるものの、パンチ力と意外な粘りがあり、出塁率と長打率はともにボーアを上回る数字を残している。手元で横に動くボールに強いのも持ち味だ。6番に固定されているが、このあたりの打順で機能すればチームの得点力向上に繋がるだろう。


【広島】

・スコット:C

オープン戦、練習試合で結果を残してクローザーを任されたが、5試合の登板中3試合で失点し、うち2試合はワンアウトもとれずに降板となり、現在は二軍で調整中。ストレートは150キロを超えるスピードがあるが、決め球となるスライダーがコントロールできておらず、空振りを奪えるボールがないのが苦しい。二軍でまずは自信を取り戻して、中継ぎの一角として一軍復帰を目指したい。

・DJ.ジョンソン:C

開幕は二軍スタートだったが、二軍で結果を残してスコットに代わって一軍に昇格。しかしここまで3試合、3回を投げて自責点は1だが被安打6と不安定な投球が続いている。150キロを超えるスピードはあるものの、それを生かすための変化球が物足りない。武器と言われているナックルカーブをコントロールしきれていないように見える。現状のままでは、勝ちパターンで起用するのは難しそうだ。

・ピレラ:B

開幕から20試合連続でトップバッターとして出場(7月16日には3番レフトで先発)し、チーム3位となる26安打をマークして打線を牽引する役割を果たしている。初球から積極的に打っていくスタイルで四球が少なく出塁率も高くないが、パンチ力と脚力があり、チームに勢いをもたらしている。全力疾走する姿勢もカープのチームカラーに合っていると言えるだろう。外野の守備はお世辞にも上手いとは言えないが、今後も打撃と走塁にかかる期待は大きい。


【中日】

・ゴンサレス:B

退団したロドリゲスに代わる中継ぎ候補として期待されて入団。ここまで8試合に登板して防御率2.00とまずまずの成績を残している。ストレートは驚くような速さはないものの、ボールの出所が見づらく、打者は差し込まれることが多い。変化球はそれほど目立つボールはないが、意外とコントロールが安定しているというのも持ち味だ。今後も勝ちパターンの中継ぎの一角として期待される。

・A.マルティネス:B

来日3年目だが、支配下登録されたのは今シーズンからということで対象とした。外国人捕手の一軍出場は20年ぶり、スタメンでは実に29年ぶりということで大きな話題となっている。守備面にはまだまだ課題は多いが、打撃に関しては十分に一軍のレベルに対応しており、ここまで4割を超える打率をマークしている。チームの得点力不足解消のために、捕手以外での出場も今後検討されることになりそうだ。


【ヤクルト】

・イノーア:C

ローテーションの一角として期待され、ここまで4試合に先発登板したものの、防御率は7点台と苦しんでいる。スピードはそれほどあるわけではなく、打者の手元で微妙に動くボールを駆使して打たせてとるピッチングが強みだ。7月15日の阪神戦では5回を投げてソロホームランの1失点だけと、粘り強さを見せたのは好材料。投手陣のコマ不足はチームの大きな課題だけに、今後もこの日のような投球を期待したい。

・クック:C

イノーアと同様に先発候補として期待されて入団したが、コンディション不足などもあり開幕から二軍暮らしとなっている。外国人投手にしてはそこまでスピードがあるわけではなく、カットボールが持ち味のピッチャー。ここまで二軍では3試合に登板して無失点と安定した投球を続けている。もう少し球威が上がってくれば、リリーフとしての起用も検討したい。

エスコバー:B

メジャーでゴールドグラブ賞を受賞した守備の名手で、ここまでその評判に違わぬプレーを度々見せている。若い頃ほどの守備範囲はないが、悪い体勢からも強いボールを投げられるスローイングはさすがだ。バッティングについては19安打中17本が単打と長打力は期待できないが、3割近い打率を残している。しぶとさがあるのも長所だ。今後も貴重な守れるショートとして期待される。

(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。






このニュースに関するつぶやき

  • なんだこれ?A評価がなくてBとCだけじゃないか!こんなんで評価と言えるかー
    • イイネ!1
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  • ボーアは7月打率366、5本塁打だしサンズは打率333、2本塁打。OPSは2人とも1000越えてる。ホームラン欠乏症は解決した。
    • イイネ!13
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