たこ焼き屋で「カレーないの?」 メニューにない料理をしつこく注文する客、罪に問われる?

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2020年07月19日 08:51  弁護士ドットコム

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世の中には、店のメニューにない料理を注文する客がいるようだ。


【関連記事:「パスタ2品だけ注文」の客にレストランが怒りのツイート、客に問題はあった?】



弁護士ドットコムに寄せられた相談によると、その「たこ焼き屋」には、いつも「うどんをくれ」「カレーはないのか」などと絡んでくる客がいるという。



別の居酒屋店員は、ブログで「◯◯はないの?」「簡単なんだし作ってよ」と、メニューにない頼む客に対する愚痴をつづっている。



常連客になら、そんな無茶振りに対応する店はあるかもしれないが、さすがに非常識に映るケースがほとんどだろう。



こんな客、罪に問われないのだろうか。好川久治弁護士に聞いた。



●犯罪に発展することも

――そもそもメニューにない料理を注文するのは問題ないでしょうか?



メニューにない料理を注文する行為自体は、ただちに法的に問題があるとはいえません。店によっては、メニューに載っていない「裏メニュー」を用意しているところもあります。



メニューは、あくまでも店が注文を受ければすぐに提供できる料理を掲載しているものと考えれば、客がメニューにない料理を注文しても、店が承諾して料理の提供に応じれば、その時点で飲食物の提供契約が成立しますので、何の問題もありません。



――店に断られても、しつこく注文する客は?



料理の注文は、契約の申込みにあたりますので、店側が提供できないと断れば、料理を提供する契約は成立しません。店側に、メニューにない料理の提供に応じる義務はないので、断られてもしつこく注文する行為は、店に対する迷惑行為となり、エスカレートして暴力や脅迫に発展すれば、強要未遂罪が成立する可能性があります。



そこまで至らなくても、店側が困惑しているのに注文をやめず、大声で怒鳴ったり、言いがかりや嫌がらせに及んだりすると、威力業務妨害罪が成立する可能性があります。最近SNSなどでもみられる、ドッキリやモニタリングなどの悪戯や検証目的の冗談であっても、店が承知しなければ、威力業務妨害罪や、軽犯罪の一つである悪戯による業務妨害罪が成立することもあるでしょう。



店をひいきにしている常連さんがこのような迷惑行為に及ぶとは考えられませんし、そもそも店が提供できないと断っているのにしつこく注文を続けるのは、尋常ではありません。店に対して恨みや悪意があるか、酔っ払って分別がつかないなど、まともに対応できる状況ではありませんので、目に余るようであれば、110番通報をするのが良いかと思います。



――たこ焼き屋で、カレーを注文する客はどうでしょうか?



たこ焼き屋が、カレーやうどんを提供しているところもあるかもしれませんが、店構えを見ればサービスの提供がないことが明らかであるのに、カレーやうどんの提供を繰り返し求めてくるなら、やはり常識が通用するような客ではありませんので、営業に支障が生じるようならば、110番通報をするのがよいでしょう。




【取材協力弁護士】
好川 久治(よしかわ・ひさじ)弁護士
1969年、奈良県生まれ。2000年に弁護士登録(東京弁護士会)。大手保険会社勤務を経て弁護士に。東京を拠点に活動。家事事件から倒産事件、交通事故、労働問題、企業法務まで幅広く業務をこなす。趣味はモータースポーツ、ギター。
事務所名:ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
事務所URL:http://www.yoshikawa-lawyer.jp/


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  • 「カフェフラペチーノのホット」と注文している人がいた。これは実話。店員は丁寧にフラペチーノの説明をしていた。
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