3か月もクロスボウの矢が刺さったまま生きていたカモ 捕獲に成功(チェコ)

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2020年07月19日 21:12  Techinsight Japan

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カヤックで追いこんで捕獲(画像は『LADbible 2020年7月15日付「Duck Rescued Three Months After It Was Shot Through The Head With Arrow」(Credit: Desop Plzen)』のスクリーンショット)
頭にクロスボウ(洋弓銃)の矢が刺さったまま3か月も生き抜いたマガモが、今月13日に動物保護センターのスタッフにより保護された。簡単に入手でき、使い方も難しくないクロスボウだが、最近はこれを悪用した犯罪が多発し問題になっている。『Plzeňoviny.cz』などが伝えた。

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チェコ共和国プルゼニを流れるラドブザ川(Radbuza)で今年4月、クロスボウの矢が頭に刺さったまま泳いでいるオスのマガモが発見された。マガモは矢が首から目の下まで貫通した状態だったが急所を外れたのであろう、矢が刺さったままで生きていた。

同市の動物保護センター「DESOP Plzen」では、このマガモをなんとか捕獲しようと試みてきたが、マガモの逃げ足が速く捕獲は困難を極めた。

同センターのスタッフの1人、カレル・マコンさん(Karel Makon)は「最初にマガモの捕獲作戦を行ったのは4月20日のことでした。しかしマガモは私たちが近づくとすぐに飛んで行ってしまい、そのうち私たちのことを認識するようになったのです。そんなことが数回続き、治療をしたくてもできない状態が続きました」と当時を振り返る。

しかしそんなスタッフに絶好のチャンスが訪れた。換羽が始まったマガモの風切羽がごっそりと脱落して、一時的に飛べなくなったのだ。

「このチャンスを逃してはならない」と今月13日、スタッフは3人のチームを作って新たな作戦を展開した。それは2人がカヤックに乗ってマガモを追い詰め、1人が漁網を持って草むらに待機するというもので、飛べないマガモはまんまと罠に引っかかった。

カレルさんは「マガモが追い詰められて草むらにあがってくるのが見えました。私は急いで漁網を投げ、マガモの捕獲に成功したのです。あの時はタイミングも運も私たちに味方したのです」と明かし、作戦の成功を喜んだ。

こうして捕獲されたマガモは、動物病院でレントゲン撮影が行われ、獣医によって矢が引き抜かれた。マガモはすでに回復し、ラドブザ川に戻されているとのことで、カレルさんらによる3か月の捕獲作戦は終了した。


カレルさんは「クロスボウの矢は先端が金属製で、その先には釣り糸が付いていました。マガモに怪我をさせた犯人はハンティング目的で矢を打ったのか、娯楽が目的だったのかはわかりませんが、クロスボウで動物に矢を放つなど許されることではありません」と憤る。


このニュースには、マガモを救助したスタッフを称賛する一方で「クロスボウは即刻規制すべき。簡単に手にはいるから動物虐待に使われるんだ」「こんなに美しいカモをクロスボウで狙うなんて、人間は残酷だよ」「これ以上の犠牲が出ないようになんとかすべき」といった怒りのコメントが多数あがった。

ちなみに2018年にはアメリカで子供同士の喧嘩にクロスボウが持ち出され、10歳男児が死亡、昨年にはドイツのホテルで3人がクロスボウで撃ち抜かれ怪死していた。

画像は『LADbible 2020年7月15日付「Duck Rescued Three Months After It Was Shot Through The Head With Arrow」(Credit: Desop Plzen)』『thejjReport 2020年7月16日付「DUCK IS RESCUED MONTHS AFTER BEING SHOT IN THE HEAD WITH AN ARROW」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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  • 「ボーガン」と書いていたのは記憶に新しいが、こちらはきっちり「クロスボウ」となっている。
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