「.042」の6月を乗り越えて…新球場で復調の兆しを見せる西武・西川愛也

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2020年07月20日 13:34  ベースボールキング

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ベースボールキング

西武・西川愛也 [写真提供=埼玉西武ライオンズ]
◆ CAR3219フィールドで躍動する若獅子たち【第1回:西川愛也】

 7月15日にリニューアルオープンした、西武の二軍本拠地『CAR3219フィールド』(かーみにーくふぃーるど)。こけら落としとなった15日の巨人戦は引き分けに終わったものの、翌16日の試合では“記念の1勝”をマーク。二軍のチームを率いる松井稼頭央二軍監督は「これから1つ1つ勝ちを積み重ねていきたいと思います」と、意気込みを語った。

 残念ながら今季は全試合無観客での開催が決まっているものの、300人が収容できる新設スタンドや、新たに設置された電光掲示板、インターネット中継を見るとよく分かる、センターカメラからのバックネットの景色の違いなどなど…。かつての“西武第二”を知るファンからすれば、すべてがワクワクに満ちた光景に映る。

 そして、それはきっと選手も同じ。生まれ変わった素晴らしい施設で経験を積み、新しくなったCAR3219フィールドでその実力を発揮してみせ、ゆくゆくはすぐ隣にあるメットライフドームの舞台へ…。多くの若獅子たちが、“近くて遠い”夢の舞台を目指して日々戦っている。


◆ 「今まででいちばん軽かった」

 16日に挙げた“リニューアル初勝利”。記念すべき1勝を手繰り寄せたのが、高卒3年目・21歳のバットだった。

 1点を先制されて迎えた1回裏。先頭打者として打席に向かった西川愛也は、巨人先発・畠世周からセンター右に叩き込む特大の一発。ひと振りで試合を振り出しに戻してみせる。

 「打った感触は、今まででいちばん軽かった」と振り返った一撃。チームが遠征していた期間も所沢に残り、下半身を使うメニューで身体を強化してきた成果が、その“飛距離”に現れていたように思う。

 180センチ・78キロと細身の体型から、鋭い打球を放つリードオフマン候補。これまでの本塁打といえば、ライトやレフトのポール際に飛び込む“最短距離”のものが多かったが、この日は150キロに迫るストレートをセンター右の最深部まで運んだもの。パワーの面での成長を証明する打撃だった。


 地元埼玉の強豪・花咲徳栄高から2017年のドラフト2位で入団し、今年でプロ3年目。1年目から79試合、昨季は103試合とファームで多くの経験を積み、待望の一軍デビューを目指す今季は開幕からなかなか状態が上がらず、6月は月間打率.042と大不振に苦しんだ。

 それでも、『CAR3219フィールド』のこけら落としとなった15日の試合で3安打の固め打ち。そして迎えた翌日の試合で今季1号と、ホーム球場のリニューアルオープンをキッカケに、復調の気配を見せつつある。


 「これまでチームに迷惑をかけてきたので、これから貢献していけるよう頑張ります」

 トンネル脱出の兆しを見せた、レオの有望株から目が離せない。


文=尾崎直也
(コメント提供:埼玉西武ライオンズ)


◆ コメント

▼ 西川愛也
チームが遠征中も
みっちり所沢で練習をしてきて、
下半身を使うメニューで
強化してきました。

残留練習中に指導してもらった
上本コーチに「ナイスバッティング!」と
声を掛けてもらいました。

これまでチームに迷惑をかけてきたので、
これから貢献していけるよう頑張ります。


▼ 上本達之二軍育成コーチ
下半身の使い方と、
股関節の硬さが目立つので、
補強というよりは
ストレッチを取り入れるイメージで
本人と話をしていました。

下半身の動かし方は
定着できているなと感じています。
変化が見えています。

ホームランの映像を見ましたが、
よかったと思います。
昨年も何本かホームランを
打っていましたが、
すべてライトポール際でした。
16日はセンター寄りのホームランで、
あそこに150キロ近い球を
はじき返せたというのは収穫だと思います。
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