K-POP、2020年上半期ベスト15曲! TWICE「OXYGEN」ベッキョン「R U Ridin’?」Stray Kids「Airplane」ほか

0

2020年08月03日 22:33  サイゾーウーマン

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

サイゾーウーマン

――毎月リリースされるK-POPの楽曲。それらを楽しみ尽くす“視点”を、さまざまなジャンルのDJを経て現在はK-POPのクラブイベントを主宰するe_e_li_c_a氏がレクチャー。今回は今年の上半期に発表された楽曲を振り返ります!

 今月は2020年上半期(1月〜6月)のリリースから私の好みの15曲をピックアップして紹介します。特に順位はなく、1月からリリース順に挙げています。

SF9 - Good Guy (2020.01.07)

 FNC Entertainment所属9人組グループ、SF9の初フルアルバム「FIRST COLLECTION」のタイトル曲で、UK GarageやDeep Houseの要素を含んだ楽曲です。2月の記事でアルバム収録の「One Love」を紹介しました。

 年始に行ったホーチミンのパティスリーのインテリアがMVの雰囲気と似ていて、曲がリリースされた直後なこともありとてもテンションが上がりながらケーキを食べた思い出があります。また、この活動でデビューから4年目にして初めて音楽番組で1位を獲ります。個人的には音楽番組やチャートでの1位獲得を人気の物差しや目標にして欲しくはないですが、たくさんのアーティストに機会が多くあることは良いことだと思います。『셒구상사(SF9商事)』というリアリティ番組が大好きなので是非検索して見て下さい。

드림노트 (DreamNote) - Bittersweet (2020.01.08)

apple music
spotify

 iMe KOREA所属6人組グループ、Dreamnoteの3枚目シングル・アルバム『Dream Wish』の収録曲です。アルバムをブラック・アイド・ピルスンのチェ·ギュソンがプロデュースしており、全体的にコンセプトがしっかりした良いアルバムです。「Bittersweet」はChill House系の楽曲で、サビで聞こえるメインボーカルのララの特徴的な声が大好きです。

 事務所があまり聞き馴染みがないかもしれませんが、北京に本社がありアジア10カ国に子会社を置く、音楽を総合的に扱うiME Entertainment Group Asiaの子会社です。iME KOREAにアイドルグループが所属するのはDreamnoteが初で、俳優のイ・セジンやR&BデュオのFly to the skyが所属しています。

펜타곤 (PENTAGON) - TALK (2020.02.12)

 CUBE ENTERTAINMENT所属9人組グループ、Pentagonの初フルアルバム『UNIVERSE:THE BLACK HALL』の収録曲で、歌詞をメンバーのジノ、ウソクが書いています。1つ前のEP『SUM(ME:R)』に収録されている「SUMMER!」と作曲・作詞が同じ顔ぶれで、どちらもポップさと寂しさが共存する趣のある曲です。

 昨年、日本語楽曲の「HAPPINESS」について記事を書きましたが、音楽的にも彼らの実力が高いことは明らかなので、今後も今まで以上に多様なPentagonを見せて欲しいです。4月から6月にかけてMnetのサバイバル番組『Road to Kingdom』に出演し、兵役直前のジノへのサプライズステージが話題になりましたが、デビューからのさまざまな苦難を思い出し、私はまんまと大号泣しながら視聴しました。

NCT127 - 낮잠 (Pandora's Box) (2020.03.06)

 SM Entertainment所属10人組グループ、NCT127の2枚目のフルアルバム『NCT#127 Neo Zone』の収録曲です。アルバム全ての曲にTrack VideoというショートMVのようなものがあり、リリース前からすでにかなりの労力がかかっていることがわかりました。ちなみに「Pandora's Box」のTrack Videoはこちらです。このようなグルーヴたっぷりのR&Bをラップも乗せた上でさらりとこなせるメンバーの技術力の高さに毎回感嘆します。

 このアルバムは本当に大好きな曲が多く、「Elevator(127F)」と「Pandora's Box」と「우산(Love Song)」で最後までどれを挙げるか悩みに悩みました。全員にしっかりと実力があるからこそ実現できることなのかもしれませんが、サビやロングトーン以外の部分でもはっきりと誰が歌っているかわかるような気持ち良いボーカルの見せ場が作られているのが、聞いていてとても気持ち良いです。

강다니엘 (Kang Daniel) - Interview (2020.03.24)

apple music
Spotify

 元Wanna Oneメンバー、自分で立ち上げたKONNECT Entertainment所属のソロアーティスト、カン・ダニエルの2枚目EP『CYAN』の収録曲です。

 元々所属していた事務所との契約関係での訴訟問題や、以前からの誹謗中傷などによるうつ病やパニック障害などの症状に苦しめられ、ソロの活動を開始するまでにさまざまな困難がありましたが、1枚目のEPからとにかく楽曲が良く、Wanna One所属時代は彼自身にあまり興味を持ったことがありませんでしたが、今後はたくさん本人のやりたいことを目一杯やりながら活動して欲しいなと思います。

 TOP MEDIA所属5人組グループMCNDのシングル曲です。5月の特集で取り挙げているため細かい説明は不要だと思いますが、コロナ禍でこの曲と歌詞、彼らのプロモーションに救われた人がいるんじゃないかと思います。まだデビューして半年少しでシングルが2曲、EPが1枚しかリリースされていないですが今後に期待したいです。

에이핑크 (Apink) - Yummy (2020.04.13)

 Play M Entertainment所属6人組グループ、Apinkの9枚目のEP『LOOK』の収録曲です。一つ前のEP『PERCENT』も全体的に良く、今回も「Yummy」と「Be Myself」で本当に悩みましたが、「Be Myself」はメンバー3人のユニット曲なため、全員いる「Yummy」を選びました。ちなみに、あとの3人のユニット曲「Love is Blind」も良い曲で、音楽番組ではタイトル曲の「덤더럼(Dumhdurum)」とユニット曲の計3曲を披露して活動しました。

 K-Popアイドル自体、全員揃って契約更新をすることはあまり多くないですが、Apinkは2017年に全員が契約を更新し、それ以降発表された4枚のEPはどれもとても良いものになっています。メインボーカル・ウンジの透き通った落ち着きのある声が大好きで、これからもたくさん良い曲がリリースされたらうれしいです。

밴디트 (BVNDIT) - Children (2020.04.20)

 MHN Entertainment所属5人組グループBVNDITの2枚目EP『Carnival』の収録曲及び、その先行シングルとしてリリースされた楽曲です。グループ名にあまり馴染みがないかもしれませんが「バンディット(韓国語発音ではベンディト)」と読み、チョンハと同じ事務所なため、チョンハの妹グループとも言われています。

 Lo-Fi Hiphopとして6月の特集でこの曲を挙げましたが、このようなジャンルの楽曲かつオールアニメーションのMVを先行シングルとしてリリースし、さらには音楽番組に出演して活動することが今まではあまり考えられないことだったと思うので、挑戦したなと感心しました。今後ももっとK-Popシーンで音楽やパフォーマンス、形態などさまざまな表現が多様化していったら良いなと思います。

오마이걸 (OH MY GIRL) - 살짝 설렜어 (Nonstop) (2020.04.27)

 WM Entertainment所属7人組グループOH MY GIRLの7枚目のEP『NONSTOP』のタイトル曲です。OH MY GIRLは19年下半期に『Queendom』というMnetのサバイバル番組に出演し知名度を上げ、その後初めてのリリースが今回の『NONSTOP』でした。成績は恐らく誰もが想像する以上で、音楽番組で1位獲得はもちろんのこと、melon(韓国でシェア1位の音楽配信サイト)のチャートでもかなり長い期間にわたって1位、及び上位にチャートインします。melonは利用にあたり、韓国の携帯番号での認証が必要なため実質韓国に住む人しか利用ができず、音楽番組や他配信サイトに比べて、より韓国内での人気を反映しているチャートと言えます。

 この記事を書いている7月末に確認しても、いまだに「Nonstop」が13位にチャートインしています(ちなみに12位には収録曲「Dolphin」がいます)。また曲中のミミのラップが非常に良く、デビュー当時からOH MY GIRLの楽曲に好きなものはたくさんありましたが、デビューから5年たってようやくそれに気付けた曲でもあります。

공원소녀 (Girls in the Park) - 공중곡예사 (Wonderboy, the Aerialist) (2020.04.28)

 KIWI Media Group所属7人組グループ公園少女の4枚目EP『the Keys』の収録曲です(今回はメンバー・ソソがケガなどの理由で活動に参加していません)。デビューから「夜の公園シリーズ」と称してDeep House・UK Garage楽曲がタイトル曲のEPを3枚リリースしましたが、今回はタイトル曲が少しElecto寄りの楽曲になっており、また別のシリーズが始まるようです。

 今までの3枚のEPも全て良いのですが、今回も「공중곡예사(Wonderboy, the Aerialist)」と「Tweaks ~ Heavy cloud but no rain」の2曲でどちらを挙げるか非常に悩みました。4つ打ちやバラードの楽曲をやる女性アイドルグループはたくさんあれど、このようなシャッフル調のJazz楽曲をやるグループはあまりないためこちらを選びました。この曲はタイトル曲「BAZOOKA!」の後続曲として音楽番組で何度かステージも披露しているので検索して見てみて下さい。特に人気や反応などに左右されず、毎回最高クオリティの楽曲を準備出来るKIWI Mediaに、これからもよろしくね! と言いたいです。

백현(BAEKHYUN) - R U Ridin'? (2020.05.25)']

apple music
Sporty

 もはや説明不要、SM Entertainment所属EXOのメインボーカル・ベッキョンの2枚目のソロEP『Delight』の収録曲です。こちらもEPの「R U Ridin'?」「Bungee」「Poppin'」と、どれにするか迷いました。6月の記事で特集しています。SMのグループに所属するアーティストでソロ活動が好きなのは、SHINeeのキーとベッキョンなのですが、2人ともセルフプロデュースがうまく、今後もソロアルバムをリリースして欲しいなと思わせます。

트와이스 (TWICE) - OXYGEN (2020.06.01)

こちらも説明不要、JYP Entertainment所属9人組グループTWICEの9枚目EP『MORE & MORE』の収録曲です。1つ前のEP『Feel Special』から2stepアイドル(2step楽曲を持つグループを勝手にこう呼びます)の仲間入りをしたTWICE、今回も良い2step曲があってうれしいです。昨年の『Feel Special』リリース時に2stepについて書いた記事があるのでまだ読んでいない方は是非読んでみて下さい。

 TWICEは年々、アルバムをリリースしても音楽番組に出たりするプロモーションの期間が短くなってきていて、タイトル曲以外のステージを見られる機会がカムバックショーケースやコンサート以外では少ないため、是非この曲のパフォーマンスを8月9日のオンラインコンサートで見たいです。本当は4月に東京ドームで彼女たちを見るはずだったのに……。

하성운 (HA SUNG WOON) - Twinkle Twinkle (2020.06.08)

apple music
Spotify

 元Wanna Oneから2人目、StarCrew ent所属6人組グループHOTSHOTのメンバー、ハ・ソンウンの3枚目EP『Twilight Zone』の収録曲です。グルーヴのあるトラックにエレピとピアノの音が映える、ファルセットが気持ち良い曲です。

 こちらもEP全体が良すぎて「Lazy Lovers」「Puzzle」「Twinkle Twinkle」のどれを選ぼうか、かなり悩みました。3枚目のEPですが今までのリリースに比べて音楽的にかなり深みのあるEPになっているのを感じます。デビュー当時からHOTSHOTを追っていたので、グループとしての活動がないのはとても悲しいですが、事務所の経営が本当に厳しいらしいので大黒柱として頑張って欲しいです。

스트레이 키즈 (Stray Kids) - 비행기 (Airplane)(2020.06.17)

apple music
Spotify

 JYP Entertainment所属8人組グループStray Kidsの初フルアルバム『GO生』の収録曲です。こちらも同アルバムの収録曲「GO生」を7月に特集しましたが、それとは打って変わってポップでほんの少し哀愁のある楽曲です。楽曲の内容が、好きな人に旅行というアプローチで告白をする曲で、今まで彼らの曲で恋愛のことを歌う曲はなかったので変に深読みしてしまいます。

 Stray Kidsは毎回アルバム収録の1曲をStreet Ver.として、道端を歩いたり公園で遊ぶ模様を収録したMVを出すのですが、恐らく今回この曲がそれの対象になっているため、MVが突然公開されるのを今か今かと待ち続けています。追記:原稿を出したあとに突然、 メンバーのスンミン編集で動画がアップされました。 フルで見たい!

 元X1メンバー、Yuehua Entertainment所属5人組グループ、UNIQのメンバー・スンヨンの初ソロEP『EQUAL』の収録曲です。

 14年にUNIQでデビューしたものの、その後全くグループとしての活動がなく、16年からLuizy名義で個人的に曲をリリースしていましたが、18年からWOODZという名義に変更し、現在も引き続きその名義を使って活動しています。今までリリースした楽曲や、Mnetのラップサバイバル番組『SMTM5』への出演経歴から本人のスキルの高さは知っていましたが、X1のトラブルなどもあり、なかなか表舞台に立つ機会がなかったため、今回のEPは待望のリリースでした。この曲以外にも『SMTM8』の優勝者punchnelloを客演に迎えた楽曲もあり、今までのアンダーグラウンドでの地道な活動を生かした、(事務所からの公式)ソロデビューとなりました。

 今回はメジャーな楽曲を中心に選びましたが、インディーなものについてはTwitterで#e_e_li_c_a良い曲タグ2020というハッシュタグを使ってつぶやいているので気になった方はチェックしてみて下さい。

7月リリース楽曲、紹介できなかった1曲

■유키카 YUKIKA - Yesterday

<span data-mce-type="bookmark" style="display: inline-block; width: 0px; overflow: hidden; line-height: 0;" class="mce_SELRES_start"></span>

 実写版ドラマ『アイドルマスター.KR』のReal Girls Project出身、現在はESTi(パク・ジンベ)が代表のESTIMATEという事務所に所属しているユキカのシングルです。この後、「서울여자 (SOUL LADY)」という楽曲をタイトル曲に同タイトルのアルバムをリリースし、この「Yesterday」は先行シングルという扱いになります。「SOUL LADY」も良い曲なのですが、個人的に「Yesterday」のほうが好きなのでこちらを挙げました。

 ESTiは学生時代、外大の日本語学科に所属していた経歴もあり、昔からゲーム音楽を作成したり、日本の音系・メディアミックス同人即売会M3に参加し楽曲を発表するなど日本との縁が深く、「アイドルマスター2」や「アイドルマスターシンデレラガールズ」などのゲーム楽曲を複数制作しています。ユキカがESTIMATEに所属してからは、全ての楽曲のプロデュースとクリエイティブディレクターをESTiが手掛けており、不思議な巡り合わせだなぁと感じます。アルバム『서울여자』も「From HND to GMP」という東京からソウルに行くのに定番の航路をタイトルにした楽曲が1曲目に置かれており、アルバムとして完成された作りなので是非通して聞いてみて下さい。

<近況>
 性懲りもなくMnetのサバイバル番組『I-Land』を毎週見ています。ニキ頑張れ……。

 昨年末から開催できていないクラブイベント『Liar Liar』を8月10日(月・祝)にオンラインで開催することにしました。当日は15時からTwitch経由でどこからでも見て頂けるので是非お時間を作って参加して下さい! 詳しくは@Todak_Todakkをチェックして下さい。

e_e_li_c_a
1987年生まれ。18歳からDJを始めヒップホップ、ソウル、 ファンク、ジャズ、中東音楽、 タイポップスなどさまざまなジャンルを経て現在K-POPをかけるクラブイベント「Todak Todak」を主催。楽曲的な面白さとアイドルとしての魅力の双方からK-POPを紹介して人気を集める。

Twitter @e_e_li_c_a TodakTodak 
mixcloud eelica

    ニュース設定