――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。
私の統計上、フリマアプリは、9割“負ける”アプリなんですよ。だって、売っているのは、ほとんどが一般の人。そんな人たちが「不要品」を売っているんですもん。
「新品未使用です！」とゴリゴリに安く売っているものほど、「めちゃくちゃお買い得!!」と思ってポチりたくなりますが、販売者の立場になって考えたら、安くしてでも売りたいほど不要なものというわけ。写真で見たときには素敵だったブラウスも、いざ着てみたら、ゴワゴワして着用感が悪いとか、なにかしら問題点を抱えている場合が多いのです。
しかし、たまーに大成功があるからやめられない。
例えば、「母に新品を譲ってもらったけど、私は使わないので売ります系」。ずっと探していた、ニッチなブランドの5万円のバッグが5,000円で出品されていたときにはビビりました。そのときには、ブランド名もバッグの名前も書かれておらず、タイトルも「黒いバッグ」と書かれていたので、隠された財宝を見つけたような気持になったものです。
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フリマアプリにはそのように「その商品の価値がわからない人」が、とんでもなく安い値段で商品を売っていたりするので、ウォッチがやめられません。その日もパトロールをしていると、私はあるバッグに目を奪われました。
それは、日本のバッグブランド「ATAO」の幻の名品、パイソンのチヴィバッグ。5万9,000円＋税とATAOの中でも高級ラインで、本物のパイソンを使用した美しいバッグです。私が見つけたときには、もう販売終了しており、私は血眼になって探し、プレミア価格6.5万円でやっと中古を購入したシロモノ。それが1万円で売られていたのです!!
しかも、よく見るとショルダー部分がチヴィのものではなく、6,800円＋税で購入できる別のショルダー紐になっていました。パイソンのチヴィバッグの唯一の欠点が、「ショルダー紐がダサい」ことだったので、このバッグは、もはや無敵状態。出品者さんは妹にバッグをもらったとのこと。「ATAO」とブランド名は書いていましたが、チヴィというバッグの名前は知らなかったようです。妹さんは1〜2回使用。出品者さんは未使用。「状態はとてもいいです」とのこと。こりゃ、価値をわかっていない典型的なタイプだわ！ ふふ。おバカさんね☆ と私は微笑みました。
問題は、このバッグを購入できるラッキーガールは誰か。私はバッグに「いいね」をつけ、このバッグがどのくらいの時間で売れるのかウォッチすることに。すると、数時間でコメントがつきました。
なるほど。即購入しないで「購入してもいいですか？」って聞く系ね？ フリマアプリって、「購入前に必ずコメントをお願いします」って注意書きをしている人が多いんだよなあ。返信を待つ間に、ほかの人に購入されちゃうかもしれないのに……。それともまさか、値下げの依頼……？ いやいやまさか。7万の価値のあるバッグが1万よ……？
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野次馬根性丸出しでコメントを覗きに行くと、そこにはこんなふうに書かれていました。
「このバッグって、定価6万以上のATAOのチヴィパイソンですよね？？ ずっと探してました泣。確認ですが、こちらは紐込みの値段ですか？ 紐だけですか？ 紐の定価が7,000円くらいなので、本体もと思いますが……」
紐だけってことはないでしょー！ 「ATAOのバッグ」ってタイトルにもあるしさあ。まあでも、状態がよすぎるし、安すぎて疑っちゃったのかな……？
しかし、この後問題が起きたのです。
それから数分後、再び様子を見に行くと、なんとその質問は消されていました。「え？？」と思い、商品ページを見ると、1万円だったチヴィの価格が4万3,000円に跳ね上がっている!!!!!!!! 商品情報も「チヴィとショルダー紐のセットです」と書き換えられていました。
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うわあ……フリマアプリの闇を垣間見たり……。そりゃあ、出品者さんも高値で売りたいですもんね……。「その商品、6万の価値ありまっせ！」って言われたら、価格を変えたくもなりますよね……。
というわけで、皆さんには「おほお!!!! 掘り出し物――!!」と思った際は、そーっと購入することをおすすめします。どうしても欲しいバッグがあったら、ブランド名＋バッグの名前で検索するほか、「黒 ショルダーバッグ」などと検索し、入念に見ていったほうが、掘り出し物に出会える率が上がりますよ！
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