群馬・草津「町長から肉体関係強要」裁判、今も食い違う“両者の言い分”デッドヒート

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2020年08月06日 05:00  週刊女性PRIME

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群馬県草津町の新井洋子町議(右)と黒岩信忠町長

 有名な温泉町が騒然としたのは昨年11月のこと。群馬県草津町の新井祥子町議が、電子書籍などで「2015年に町長室で肉体関係を強要された」と黒岩信忠町長を突然告発したからだ。町長は「全部つくり話」と激怒し、逆に新井氏を名誉毀損で刑事・民事の両方で訴えたのだが、騒動はいま、沸騰点を迎えていて─。

 取材場所に現れた新井氏は少し疲れているように見えた。

議会で発言すると、町長が“ウソばかり”と突っ込んできて、まともな政策論議ができないんです。ようやく議員活動が再開できたと思ったら今度は議員辞職勧告されるし、居心地がいいとは言えませんが、告発は自分で決めたことなので覚悟しています

 と胸の内を明かす。

 告発直後、個人間の問題を議場に持ち込んだことが「議会の品位を傷つける破廉恥な言動」だとして懲罰動議が可決され除名処分に。新井氏は「町長は公人で町長室は公共施設」と県に処分の執行停止を申し立て、2月にひとまず復職を果たした。処分の妥当性を判断する自治紛争処理委員の審決はコロナ禍で遅れており、身分がはっきりするまで時間がかかる見通し。

必ず法的にシロ・クロつける

 それでも新井氏は、

「ウソをついているのは町長。5年前は事件をもみ消されると思って泣き寝入りしましたが、裁判ですべてを明らかにしていきます」

 と決意は揺るがない。

 一方、黒岩町長は名誉毀損容疑で新井氏と電子書籍の著者を刑事告訴するとともに、新井氏ら3人を相手取り「回復困難な人格権侵害を被った」として慰謝料計約4400万円などを求める民事裁判を起こした。

 黒岩町長に進展を尋ねると、

「コロナ禍で刑事事件の捜査も民事裁判の審理も遅れています。でも、必ず法的にシロ・クロをつけます。新井氏と男女の関係を持つことはありえない。誤解されるような行為もしていません。

 つまり、私か彼女のどちらかがウソをついているということ。言っていることに自信があるならば私を強制わいせつで刑事告訴すればいい。しかし、彼女はそうしようとしないんです

 と、込み上げる怒りを抑えきれない様子だった。

第三者がいる前で性行為できるわけがない

 訴状などによると、民事裁判は途中で慰謝料が計約5000万円に増額されている。

 新井氏が復職後の議会で「私のほかにも町長からセクハラを受けた被害女性が2人いる」と述べたからだという。

「そんな女性はいません。新井氏はいろいろとウソの話をしますが、何ひとつ証拠を出してこない。言いっぱなしなんです。民事裁判では新井氏側にわいせつな行為があった事実を立証する責任があります。しかし、私もいろいろと調べて“冤罪の新証拠”をつかみました」

 町長室で性交渉があったとされるのは

'15年1月8日午前。黒岩町長は「年始の挨拶で次から次へと訪問客がやってくる中、そんなことができるはずがない」などと不自然さを訴えてきた。

「その日、新井氏と町長室で面会したことだけは当初から認めていますが、新たにわかったのは2人きりではなかったということ。同席者がいたんです。新井氏は町役場にその人間を訪ねてきて、連れ立って来訪した。5年前のことなのですぐにはわかりませんでしたが、当時のメモなどもあり、冤罪を晴らす有力な証拠です」と黒岩町長。

 第三者がいる前で性行為などできるはずがないという。

 新井氏も負けてはいない。

「いま証人や証拠を集めているところ。ほかのセクハラ被害者にも“勇気を出して告発しませんか”などと協力を求めている。小さな町なので難しい部分はありますが、町長の強引なやり方は声を上げないと変わらないので」

 町長は、新井氏の告発について「背景には危険な高温浴だった『時間湯』改革への反対がある」とみるが、新井氏は「関係ない」と否定する。

 観光地としてコロナ禍で受けた打撃は大きい。町長も新井氏も「本当はこんな裁判をしている場合ではない」と、この点だけは同じ認識を示しながら、ことの真相を争う姿勢は変わらず、草津の湯よりも熱くたぎっている。
 

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