“人”がいるだけで伝わる物語の奥行 カーモデラーが表現した「アメリカン・ドリーム」

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2020年08月07日 07:00  ORICON NEWS

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写真作品/Born to Run 制作・画像提供/Sho_taro氏
作品/Born to Run 制作・画像提供/Sho_taro氏
 モデラーのSho_taro(@1980RZ250)さんは、多くの車、バイクのスケールモデルを制作し、その様子をツイッターで公開している自称“ツイッターモデラー”。これまで、80〜90年代の車を中心に作品を発表してきたが、今年2月大きな転機があったという。車単体ではなく、“人”を入れた物語性のある作品にハマったきっかけとは?

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■プラモデル原体験は「スーパーカーブーム」

――作品を拝見すると、80年代〜90年代の車・バイクを中心に、いわゆる旧車を多く制作されていますね。

「小学生のときスーパーカーブームで『サーキットの狼』シリーズのプラモデルを友達と集めてました。そのときは塗装なんかしてなかったのですが、父親が当時叔父の乗っていたホンダシビックのプラモデルを塗装して作っているのを見て『すごいリアル!』と思ったのがスケールモデルの魅力を知ったきっかけです。高校のころにバイクブームがあり、それぞれ多感な頃の刷り込みが強く、当時のインパクトを超えるものがないので必然的に旧車と言われるものを好んで作っています」(Sho_taro氏/以下同)


――旧車の魅力はどんなところですか?

「一般的には旧車と言われていますが、私にとっては単純に憧れの車ということになります。カーデザイナーの感性が直接的に出たアナログの個性豊かなデザインと、スピードや技術に対してどんどん挑戦していった当時の開発者の熱いスピリットに共感できるところに魅力を感じます」

――代表作である「フェラーリF40」も圧倒的なインパクトで人気の車です。これは、これまでの作品を異なり、車だけでなく、人(フィギュア)を入れた形で発表されています。

「今年2月に開催された『第一回松本城下町モデルコレクション』に『One+Oneコンペ』というものがあり、そこに出品するために制作しました。このコンペは、キット1つとフィギュア1体での構成が条件だったので、いろいろ妄想を膨らませて制作しました。おかげさまで、同コンペの1位をいただきました。フィギュアとカーモデルの組み合わせはこのコンペがなかったらやっていなかったと思います。そういう意味ではとてもいいきっかけを与えてくれて感謝してます」

■時代考証もゆるくできるのがカーモデルのいいところ

――制作の際、どんな“妄想”を繰り広げたのですか?

「フェラーリF40オーナーのガレージをイメージしました。オーナーになったらガレージという自分だけの城でメンテしたいし、『オレのマシンどうよ』って自慢したくなる気持ちを表したものです(笑)。ブルース・スプリングスティーンのCDやマルボロ(タバコ)を配置して、アメリカの車好き兄ちゃん感を演出してます。作品タイトルはスプリングスティーンの曲から『Born to Run』です。いわゆる労働者だけど、一生懸命頑張って手に入れたアメリカン・ドリーム感を出してみました。今、この作品の連作としてF40の後継マシンF50とフィギュアの組み合わせで、この兄ちゃんの向かいに住む設定のものを作ってます。こちらも現在妄想膨らませ中です」

――制作の際、こだわりのポイントは?

「こだわりはいろいろあるのですが、一番と言えばやはり塗装でしょうか。カーモデルはピカピカな塗装面にするために基本塗装の上にクリアー塗料をエアブラシで吹いて、さらにその塗装面をコンパウンドなどで鏡面になるまで磨くのですが、クリアー層が厚くなるとスケール感が損なわれる気がするのでなるべく薄い塗膜になるように注意してます。まだまだ失敗も多く試行錯誤の連続ですが…」

――コンペ出品にあたって、もう1作制作されたと伺いました。

「シトロエン2CVを使ったものですね。フランスのモンマルタルあたり、マロニエの街路樹の下っていう情景をイメージして作っていたのですが、何か説明的な感じがしたので途中でやめてしまいました。未完成なので作品名もありません。ただ、この女性も現代版アンナ・カリーナっぽいイメージを勝手に重ねて作ってました。街路樹の下にはゴダールのリバイバル映画のポスターなんかも配置する構想だったのですが…。あっ、ゴダールの映画は観たことないですけどね(笑)」

――未完成ながらこちらの作品も、完成度が高いです。

「2CVはさすがタミヤのキットなのでそれほど苦労はなかったです。エンジンの再現もパイピングの追加と他諸々。ボディのカラーリングは迷いましたが、グレーという選択はなかなか雰囲気があって正解でした。フィギュアはウクライナのマスターボックスというメーカーのものを小改造しました。顔の作りが怖いのでなるべくかわいく見えるように塗装しました。ファッションやヘアスタイルもパリジェンヌっぽい感じにしたつもりです。未完成ではありますが、またそのうち再開するかもです」

――カーモデル+フィギュアの作品を制作してみてどんなところに魅力を感じましたか?

「戦車などのジオラマと違って時代考証もゆるくできるのがカーモデルのいいところだと思います。シトロエン2CVの作品の女性だって、2CVの現役の頃の時代の人ではなく、旧車マニアの現代の女性っていう設定。でもその逆も普通に成立する。この設定の自由さがカーモデルとフィギュアの組み合わせの楽しさです。私の理想のイメージはマツダのCMで新旧ロードスターに乗った老人と若者が峠道で出会って気持ちよく走ってそのまま別れるといったものがありましたが、その世界観です。『新しいものも古いものもいいものはいい!』全て横並びなのがカーモデルの面白みですね」

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  • カーモデルの魅力はリアリティと共にその奥に隠されたバックグラウンドを容易に反映させられる事ですね。30年以上のキャリアがあっても奥が深いと感じる次第です。
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