プロの作家が伝授! 夏休み「読書感想文」で子どもの言葉を引き出す5つのステップ

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2020年08月07日 11:30  AERA dot.

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写真あとで書く位置を動かせるように、ふせんには1枚に一つの要素だけを書く。(撮影/写真部・小黒冴夏)
あとで書く位置を動かせるように、ふせんには1枚に一つの要素だけを書く。(撮影/写真部・小黒冴夏)
 今年の夏休みは期間も短いし宿題の内容もいつもとは違う、という地域も多いのではないでしょうか。読書の課題も冊数が減ったり、読書記録も任意だったりといろいろのようですが、もし読書感想文の課題が出ているなら、重い気分でマス目を見つめて時間だけがどんどん過ぎる、ということがないよう準備をしておきたいもの。「AERA with Kids夏号」(朝日新聞出版)では、ノンフィクション作家として第一線で活躍しながら、子ども作文教室も開催している神山典士さんに、「自分の言葉で書く読書感想文」について解説してもらっています。

【日本一の読書感想文を書いた親子はこちら】

*  *  *
「大人でも、さあ本を読んで、そして書いてみてって原稿用紙を渡されてすぐに書けますか? 書けないですよね。子どもはもっとパニックです。じゃあどうするか? 文章にする前に、まずは思っていることをいろいろ話してもらうんです。書くのはそのあと、お話するように書けばいい」と教えてくれたのは、ノンフィクションライターの神山典士さんです。

 子どもも大人も、書くコツは同じ。まずは、感じたこと、伝えたいことを話してみる。次にそれを忘れないように、メモに項目別に書きとめます。実はこれ、神山さんも作品を書くときに実践している方法なのだそう。

「いきなり書き始めるのではなく、言いたいことを一つひとつ口にして、書く材料を用意する。材料さえあれば、あとはそれをどういう順番で書くか、どう組み立てるかは、メモを動かせばいい。頭の中であれこれ考えるよりずっとラクだし、パズルみたいで楽しいですよ」

 思っていることをいきなり“文章”にするのではなく、まずは親子で“言葉”にしてみてください。確かにおしゃべりなら、紙に書くよりもずっとハードルが低くなります。ポツリポツリとでいいので、口から出てきた子どもの“気持ち”を、メモに残してみましょう。自分の思いがちゃんと目に見える言葉となって並ぶことで、頭の中が整理されます。 

 親は、子どもの気持ちと言葉をすくいとって、おしゃべりしながら膨らませてあげるだけ。「どうしてそう思ったの?」「あなたなら、どうしたと思う?」などと質問すれば、さらに新たな言葉が生まれるでしょう。大切なのは、その本を読んで何を感じたのか、どこが印象深くて、何に驚いたのかという子ども自身の言葉です。上手な文章を書かせようと思わず、その子の気持ちやその子らしさがよくわかる言葉が入っていることが一番。

 次からは読書から自分の言葉を組み立てるためのステップを紹介します。

Step1「本を読む」
ぜひ親子で同じ本を読んでみましょう。お互いに複数回読んで気になったところや印象に残ったところにふせんを貼ったり線を引いたりしておきます。

Step2「親子の会話で言葉を引き出す」
それぞれの感想や気になったところを、本を見ながらやりとりをしてみよう。「おもしろい」「すごい」だけではなく、「どんなところが気になった?」「好きな場面はどこ?」など、具体的な言葉を引き出して、子どもの言葉を膨らませてあげてください。

Step 3「ふせんに言葉を書いておく」
1枚のふせんに1項目ずつ、印象的だったエピソードやそれを自分がどう思ったかなどを書いていきます。子どもが書きやすく見やすい大きなサイズのふせん(7.5センチメートルくらいの正方形)がおすすめ。 

Step 4「下書きをする」
書く内容を整理するためにStep 3で書いたふせんを3つの箱(1)「印象に残ったこと」(2)「あらすじ」(3)「自分の考え・主人公との会話・空想・夢など」に分けてから、自由に下書きをします。このとき、消しゴムを使わずに書くのがコツ。真っ黒になっても文字がマス目から飛び出してもOK。途中声に出して読み替えさせると書きたいことが整理されます。

Step5「清書する」
下書きには、自分の考えた道筋がそのまま残っています。自分の気持ちが入っているか、伝え忘れたことはないか、タイトルはこれでいいかなどを見直して清書してみましょう。

 読書感想文を書かないときも、親子で読み合ってそれぞれ感じたことを伝え合う習慣をつけておくと、読書体験がいっそう深まるうえ、本の内容が記憶にしっかり残ります。この夏、ぜひ家庭でも取り組んでみてはいかがでしょうか。

(取材・執筆/篠原麻子)

ノンフィクション作家・神山(こうやま)典士(のりお)さん

芸術、スポーツ、ビジネス、食文化と多岐にわたるテーマで活躍。2014年、「週刊文春」で作曲家・佐村河内氏のゴーストライター疑惑をスクープ、大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞し話題に。近著に『150冊執筆売れっ子ライターの もう恥をかかない文章術』(ポプラ社)。東京都世田谷区、文京区、埼玉県坂戸市で子ども作文教室を開催中。お問い合わせはmhd03414@nifty.com、080−3252−7449、株式会社バザールまで(その他の地域も相談にのります。遠距離からの作品添削も行います)。大人向けエッセー講座も開講中。

このニュースに関するつぶやき

  • 感想文…無駄な宿題の一つ。教師も文章構成などではなく道徳的な観点で評価をしがち。クリティカルリーディング的にはむしろ弊害とすら思う。
    • イイネ!3
    • コメント 4件
  • 昔からだが、具体的な書き方や方法も教えないで一方的に感想を書けというのはないな。
    • イイネ!66
    • コメント 4件

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