32歳、マンションをフルローンで購入し、毎月の返済額は20万円。漠然とした不安が拭えません

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2020年08月07日 20:12  All About

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写真約6000万円のマンションをほぼフルローンで購入し、住居費が高くなってしまい、今後のマネープランで悩む32歳の会社員女性に、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします
約6000万円のマンションをほぼフルローンで購入し、住居費が高くなってしまい、今後のマネープランで悩む32歳の会社員女性に、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします

住宅コストが異様に高い家計。今後、どれだけのお金を貯める必要がありますか?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回の相談者は、約6000万円のマンションをほぼフルローンで購入して、住居費が高くなってしまい、今後のマネープランで悩む32歳の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

みーこさん
女性/会社員/32歳
東京都/持ち家(マンション・集合住宅)

家族構成

夫(34歳)、第1子(4歳)、第2子(1歳)

相談内容

見てのとおり、住宅費が異様に高い家計です。2年前にマンションをほぼフルローンで購入しました。高額で、身の丈に合わない買い物だと承知していましたが、夫の「苦なく支払えるくらい収入アップできるように頑張るから、買いたい」という言葉に押され購入。購入当初は支払いが不安でしたが、なんとか1年、貯金を減らすことなく(100万円貯金できました)支払うことができました。

倹約家の私と浪費家の夫。痴話喧嘩もしょっちゅうありますが、夫の「お金を使えるだけ使う」という考えは、「とにかく貯めたい」私にとって真逆ながら考えさせられるものがあり、できるだけ気持ちよく、夫に小遣いを渡してあげたいと思っています。

しかしやはり毎月の収支を見ると、トントンもしくはマイナス……。この状況だと、漠然とした不安が私の中で拭えず、結果、夫に渡す小遣いも少なめになり、お互い不満がたまる……という状況を打破したいです。

そのためには、将来を見据え、どれだけのお金を貯める必要があって、どれだけのお金を使えるのか、はっきり見通したいと思っています。一応、現在、教育資金として月3万円+児童手当は貯金と保険、つみたてNISAで用意しています。iDeCoに私は加入していますが、夫は加入するつもりはないようです。

また、あと10年で1000万円貯めて、繰り上げ返済を行いたいと思っています。繰り上げ返済をする場合、固定金利分から返すか、変動金利分から返すか、どちらが良いのでしょうか。預貯金は、仮に住宅ローンが払えなくなり、家を売却する時のことを考え、700万円ほどは残しておきたいです。アドバイスをお願いします。

家計収支データ

みーこさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「みーこ」さんの家計収支データ


家計収支データの補足

(1)収入について
毎月の給与に幅があるのは、残業手当によるものです。ボーナスは昨年の実績で75万円です。

(2)ボーナスの使い道について
昨年の実績は固定資産税12万円、旅行費25万円、保険の年払い24万円(妻、積立型保険、死亡250万円、10年払込)、ふるさと納税7万円、家族の小遣い60万円、残額は貯蓄100万円ほど

(3)家計収支について
実際には、データにあげた支出以外に、行事での支出や家具、家電の購入などがあります。その月々でトントンになったり、マイナスになったりしている分をプラスになっている月で補う形を取っています。それでもプラス分が多い月は、1万〜3万円、夫の小遣いを上乗せしたり、貯蓄に回しています。

(4)住居費について
借入総額:5950万円
借入期間:35年返済
金利:変動金利(3550万円分)0.625%、全期間固定金利(2400万円分)<がん保障付き>1.79%
毎月返済額:17万1000円
ボーナス時返済額:0円

住居費は、毎月のローン返済のほか、管理費と修繕積立金で3万円です。

(5)車両費について
車は1台です。駐車場代1万6000円、車検(かかるであろう最低額12万円を月々で按分)5000円、自動車税(こちらも年額を月々で按分)3000円、ガソリン代6000円、計3万円です。私は、買い替えを極力したくないのですが、夫次第で3〜5年後に買い替えるかもしれません。

(6)通信費について
スマホ代は個人のお小遣いで負担しているので、家計には含まれていません(ちなみに週一の外食代も個人のお小遣いより捻出しています)。月々のネット代は、マンションで一括契約のため、管理費に含まれています。その他NHK受信料など。

(7)教育費
月2万4500円は保育代です。子どもの進路は、中学までは公立、大学は国立に行って欲しいと考えています。ただ本人の学力次第なので、高校・大学が私立の場合でも対応できるように、学費を貯めておきたいです。

(8)保険について
●夫
・米ドル建年金支払型特殊養老保険(死亡保障3万米ドル、60歳まで払込)=年間保険料1256ドル(年払いなので、実際引き落とされた日本円を月々で按分)→毎月の保険料1万4500円
・変額保険(20年、死亡、高度障害270万円)=毎月の保険料1万円
・生命保険(死亡、高度障害200万円、ガンなど特定疫病200万円、60歳まで払込)=毎月の保険料4500円
・医療保険(入院日額5000円他など、60歳まで払込)=毎月の保険料2500円

●妻
・生命保険(死亡、高度障害200万円、ガンなど特定疫病200万円、60歳まで払込)=毎月の保険料4500円
・積立型保険(死亡250万円、10年)=年払い保険料24万円
※掛け捨ては医療保険のみ、他はすべて積立型です。

(9)貯蓄について
普通預金250万円、定期預金400万円、外貨預金170万円、計820万円、ボーナスより積み立て。他、臨時収入があった場合、貯蓄に回しています。

(10)投資について
つみたてNISAによるものです。インデックス米国株式とインデックス先進国株式に半々で投資しています。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:現状の家計で教育費がクリアできるかが優先
アドバイス2:保険の見直しで貯蓄増を目指す
アドバイス3:繰り上げ返済は貯蓄次第で、65歳までに完済を

アドバイス1:現状の家計で教育費がクリアできるかが優先

ご相談に書かれているように、確かに住居費の負担はやや重いですね。住居費が年収の約3割を占めています。とはいえ、小さなお子さん2人の教育費を確保していかなければなりません。現在の収入、家計で、どう考えていけばいいか見ていきましょう。

毎月の貯蓄が児童手当も含めて4万5000円ですから、年間で54万円。これにボーナスから100万円ほど貯蓄できているようなので、年間合計で約150万円の貯蓄ペースです。このペースを維持できる前提で、ご主人が60歳になるまでの26年間継続できれば、3900万円、貯蓄できることになります。これに現在の820万円を加えて4720万円です。

その間、子ども2人の教育費が1人1000万円かかるとして、2人で2000万円はみておきたいところです。また、車の買い換えが、今後4回程度は必要になるでしょうから、1回250万円の予算として1000万円の出費を見込んでおきます。

結果、60歳時点での金融資産は1700万円となりますが、優先すべき教育費はクリアし、車の買い換えも可能でしょう。

60歳以降は、定年退職時に退職金があれば、老後資金に上乗せできますし、65歳まで再雇用、雇用延長などで働けば、65歳からの公的年金までの期間、老後資金を取り崩すことなく過ごすこともできると思われます。

老後資金としてギリギリと思うか、これなら、なんとかなる、と思うかは、世帯それぞれですが、現状の家計状態でも、ひとまずは安心できると言っていいでしょう。

アドバイス2:保険の見直しで貯蓄増を目指す

ただ、現状の家計の無駄を省けば、さらに老後資金を増やすことができます。

一番の無駄は保険です。無駄であり、本来必要な保障を確保できていないことも問題です。現在加入している保険で残すのは、ご主人の医療保険と、みーこさんの積立型保険のみです。それ以外は、払い済みにし、これ以降の保険料の支払いはストップしてください。ここまでの保険料に相当する保障は残ります。

そのうえで、新規に死亡保障として、ご主人は2000万円、みーこさんは1500万円、それぞれ保険期間は20年の保険に加入してください。割安な定期保険もしくは、収入保障保険で十分です。さらに、みーこさんは、医療保険で入院日額5000円の割安な保険に加入してください。

現在、毎月の保険料は3万6000円ですが、払い済みにする保険料で追加の保険料をまかなっても、おそらく2万円程度は浮かせることができると思います。

この2万円も貯蓄に回せば、年間で24万円、26年間で600万円を貯めることができます。先の老後資金1700万円に600万円を加え、2300万円まで増やすことができるのです。保険の見直しは節約のためではなく、必要な保障を、割安な保険で確保することが、2人のお子さんのために大事なことです。

アドバイス3:繰り上げ返済は貯蓄次第で、65歳までに完済を

住宅ローンについては、10年後に1000万円の繰り上げ返済は、少し厳しいかもしれません。確かに、このままだとご主人が68歳まで住宅ローンが残りますので、できれば繰り上げ返済をして、少なくとも65歳で完済するように返済期間を短縮してほしいところです。

たとえば、年間150万円の貯蓄で10年、1500万円貯められていれば、そのうち800万円程度を繰り上げ返済に回したらいかがでしょうか? 700万円と現在の貯蓄820万円を加えて1520万円は残ります。この時点で、上のお子さんが大学進学するまでに3年ありますから、450万円貯蓄できます。上のお子さんが大学進学時点で、教育費2000万円は達成できます。

繰り上げ返済のタイミングは、貯蓄のペースと教育費が準備できるか次第です。その時の状況で無理のない範囲で行うようにしてください。繰り上げ返済は、変動金利からというのがセオリーですが、変動と固定を半々としてもいいでしょう。これもその時点での金利の動き次第ということになります。

最後に、65歳以降のイメージだけ、お伝えしておきます。繰り上げ返済で65歳完済できれば、その後は、住居費、保険料、小遣い、教育費、いずれも現在の支出から大幅にコストダウンできているはずです。おそらく20万円以内で収まると思われます。

一方、公的年金は、ご夫婦とも厚生年金のままであれば、公的年金のみで十分、生活費をまかなうことができるでしょう。65歳時点での老後資金は余裕資金として残せることになります。

まだ、ご夫婦ともに若いですし、お子さんも小さいので、今後、ずっと同じペースで収入が得られ、貯蓄ができるとは限りません。不測の事態が起きても対応できるよう、節目節目で家計の見直し、貯蓄ペースの確認は行うようにしてください。

聖域の小遣いも、家計が厳しくなったら、削減も必要になるかもしれません。家計、貯蓄プランを、ご夫婦でよく話し合われてくださいね。

相談者「みーこ」さんより寄せられた感想

教育費1人1000万、という具体的な数字を出していただき、また老後の資金についても具体的にご説明いただいたことで、貯蓄の目標が明確になりました。保険に関しても、夫と相談して見直してみます。ありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

このニュースに関するつぶやき

  • うちも完済したところですけど、いろいろ臨時出費があり大変でした。(身内の大病、介護費用、冠婚葬祭、地震の入院治療)ローン完済まで貯蓄も考えながらの計画的で堅実な生活設計が欠かせないですね。
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