イングランド・サッカー協会(FA)は、ナショナルリーグ・システム(5部、6部相当)への加盟を求めるベリーFCの申請を却下した。7日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が報じた。
1885年に創設されたベリーは、1894年からイングランド・フットボールリーグ(EFL)に在籍し、1900年と1903年にはFAカップを制覇したこともある。しかし、1年でのリーグ・ワン復帰を果たした2019−20シーズンは、経営難により開幕5試合を行うことができず、昨年8月27日にEFLからの追放が決まった。
ベリーの追放によって、19−20シーズンのリーグ・ワンは23クラブで行われることになった。さらに、新型コロナウイルス感染拡大によるシーズン打ち切りの影響も相まって、イングランドのサッカーピラミッドには歪みが生じている。シーズン終了に伴い、3部からは3クラブが降格し、4部からは4クラブが昇格。4部からは1クラブが降格し、5部からは2クラブが昇格。これで2020−21シーズンの3部と4部は通常通り24クラブで争われることになった。一方、5部から6部へは3クラブが降格し、6部からは4クラブが5部に昇格したが、7部以降では昇降格が行われないため6部への昇格クラブはなし。2ディビジョンに分かれている6部のうち、ナショナルリーグ・サウスは1クラブ欠けた状態で新シーズンを行う予定となっている。
そんななか、ベリーはFAに対し、2020−21シーズンのナショナルリーグ・システムへの加盟を申請していたが、FAは同クラブの申請を却下。FAは「クラブの資金やオーナー、破産状況などいくつかの異なる要因に基づいて決断を下しました。FAとその委員会はベリーの歴史と地位を認識しており、決定は慎重に下されました」との声明を発表している。一方で、FAはベリーの将来的なナショナルリーグ加盟の可能性を閉ざしておらず、「同クラブから2021−22シーズンのナショナルリーグ・システムに加盟したいとの申請があった場合、委員会はそれを歓迎するでしょう。そのために、加盟が検討される前に、予想される様々な条件に関して詳細なガイダンスが提供されています」とも述べている。
本来なら破産したクラブは9部以下の地域リーグからの再出発が通例となっているなか、ベリーには特例措置とも言えるチャンスが与えられたが、新シーズンは所属リーグのない状態で1年間を過ごすことになる。一方、地元のファンが今年に入って新たに設立した『ベリーAFC』は先日、10部相当のノースウェストカウンティーズリーグ・ディビジョン1・ノースへの2020−21シーズンからの加盟が認められた。