シーズン到来「青春18きっぷ」 誰でも使えるのにナゼ「青春」?「18」?

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2020年08月08日 17:00  AERA dot.

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写真青春18きっぷ(C)朝日新聞社
青春18きっぷ(C)朝日新聞社
 今夏もシーズンを迎えた「青春18きっぷ」。JR旅客全線の普通列車が乗り放題、気軽な日帰り旅行から“乗りテツ度”の高い長距離列車旅まで、使い方はアイデア次第。もちろん誰にでも使えるけれど、どうして「青春」?なぜ「18」?

【写真】今夏は乗れない「青春18きっぷ」利用者が多く乗車する「ムーンライト」はこちら

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■若者をメインターゲットに企画された乗車券だった

「青春18きっぷ」(以下「18きっぷ」)は、JR旅客6社が発売、快速などを含む普通列車限定ながら、JR全線が乗り降り自由となる企画乗車券だ(一部第三セクター路線や特急などでも利用できるケースも)。毎年、春と夏、冬の3シーズンに発売され、今夏も7月1日から8月31日まで発売、利用は7月20日から9月10日までとなっている。

 JRの「みどりの窓口」やおもな旅行代理店などで発売され、1枚の値段は1万2050円。1枚あたり5回分となっており、1回ごとに使った日の24時00分(日付が変わる)まで何度でも乗り降りが自由。乗車中に日付が変わる場合は24時以降最初の停車駅まで乗車できる(東京と大阪近郊の「電車特定区間」のみ「終電」まで有効)。期間中任意の5日(連続でも飛び飛びでもOK)を使ってもいいし、5人一緒に日帰り旅行を楽しんでもいい。また、2人で2日分を使い、残り1回分をひとりで使うこともできる。言い換えると、1日(回分)あたり運賃で2410円分を乗れば、あとはどんどんおトクになるだけでなく、普通列車が乗り降りし放題というきわめて自由度の高い切符なのだ。

 ところで、「青春18」とは不思議なネーミングではないだろうか? 年齢を問わず誰にでも使えるのに「青春」。「18」は年齢を意味するようにも思えるのだけれど……。実は、私自身も「18きっぷ」には学生時代から親しんできたのだが、はじめてこの切符の存在を知った時、「妙ちきりんな名前だなァ」と思ったのを覚えている。

「18きっぷ」が登場したのは1982年2月。当初は「青春18のびのびきっぷ」の名前で売り出され、翌年の春から「青春18きっぷ」に改められている。この名前、実はその意味どおりと言ってよく、高校を卒業する18歳ぐらいの青少年をターゲットに企画された乗車券なのであった。当時、慢性的な赤字体質のなか増収を迫られていた国鉄は、若年層の長距離利用が比較的少ないことに着目。学生が長期休暇となる春・夏・冬に格安な切符を売り出すことによってその利用者増を図った結果が「18きっぷ」だったのである。

 ところが、青少年をおもなターゲットにしながらも年齢制限を設けなかった。その理由について明確に説明された資料が存在するのかどうかは不明だが、事情はともかく「18きっぷ」が人気のロングセラーとして定着していったのはご存知のとおり。“乗りテツ派”の鉄道旅はもちろん、家族旅行やシニアの女性グループの旅行、ビジネスなど幅広い場面で愛用されているのである。

 しかし、いまでこそ年齢に関係なく使えることが広く知られるようになった「18きっぷ」だが、年齢制限があるとの先入観を抱いている人は、少なからずいたようだし、いまでもWEBを検索してみればその点に触れた記事を容易に見つけることができる。当時、私の仲間うちでも旅に打ち合わせのときに「(自分たちにも)本当に使えるの?」と話題になったもので、あのネーミングが利用を躊躇させていたという皮肉な見方もできるかもしれない。

 コロナ禍の出口が見えないなか、その動向を心配していた人も少なくないのではないかと思うが、今夏も発売されているのは先述のとおり。一方で小さな変化が話題になっている。券面に「使用開始後の払い戻し不可」の文字が追加されたのである。「18きっぷ」は使用開始後の払い戻しはできないきまりで、切符と一緒に発行される「案内」にもその旨が記されている。そこに払い戻し条件を券面に加えたのは、コロナ禍の影響を慮っての措置だと考えられる。先の「緊急事態宣言」をめぐり、定期券を含む乗車券類の払い戻し措置(特例的な扱いを含む)が取られたのは記憶に新しいが、今夏の「18きっぷ」では特例的な扱いをしない旨を示すことにしたのであろう。

 ともあれ、今夏も活躍しそうな「18きっぷ」。「コロナ禍」という未曾有の事態のなか、この切符を生かしてより安全で充実した旅をいかに実現するか。「18きっぷ」ファンにとっても新たな試みが迫られているともいえそうだ。(文・植村 誠)

植村 誠(うえむら・まこと)/国内外を問わず、鉄道をはじめのりものを楽しむ旅をテーマに取材・執筆中。近年は東南アジアを重点的に散策している。主な著書に『ワンテーマ指さし会話韓国×鉄道』(情報センター出版局)、『ボートで東京湾を遊びつくす!』(情報センター出版局・共著)、『絶対この季節に乗りたい鉄道の旅』(東京書籍・共著)など。

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  • 遠くに行く際に使えるし、日帰り往復でも使えるし、行き先を事前に決めずにふらっと出かけられるし、すごく使い勝手がイイのよ。
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  • 5枚売りでなくなって、非常に使い辛くなった。
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