妻の年金受給額が大幅アップに! ケース別に見る資産寿命の延ばし方

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2020年08月10日 08:00  AERA dot.

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写真(週刊朝日2020年8月14日‐21日合併号より)
(週刊朝日2020年8月14日‐21日合併号より)
 2022年4月から順次施行される「年金改正法」。働いていても受け取り額が減らず、先延ばしにすることで最大2千万円増えるなど、もらい方を考えておくことで受給額が大きく変わるのだ。具体的に、年金改正法を最大限活用して、年金を増やしながら、得をするもらい方のケースを教えてもらった。

【ケース別】どのようにして資産を増やした?

 特に、会社で企業年金に加入している人は注意点がいくつかある。

<ケース1>夫婦二人とも会社員の場合
 Bさん(50)と妻(50)は共働きなので、貯金が多いはずだが、住宅ローンの返済がかさみ、貯金がほとんどない。

 職場に企業年金もなく、退職金も500万円程度と期待できないので、老後に焦りを感じていた。

「貯金が少なく、勤め先の会社にも企業年金がない場合、70歳まで働くべきでしょう。会社員であればイデコに65歳未満まで加入できるようになります。この制度を活用して、15年間、二人で積み立てを続けることをお勧めします」(『資産寿命 人生100年時代の「お金の長寿術」』(朝日新書)の著者で、経済コラムニストの大江英樹さん)

 二人とも70歳まで働くとすると、夫は年収400万円、妻は年収300万円として、10年間で7千万円もの収入を得られる。

 さらに、会社に企業年金がない場合、イデコの掛け金の上限は月2万3千円、年27万6千円掛けられることから、夫婦で上限まで掛けると1年間で55万2千円。15年で828万円にもなる。確定拠出年金は自分で運用の方法を決めるので、運用次第でもっと増やすことができる可能性がある。

 退職金には手をつけないでそのまま貯金へ。公的年金の受け取りは、夫は65歳から、妻は長生きリスクを考慮して受け取りを75歳まで延ばすプランを選択すると、妻の厚生年金の受取額は84%増の月26万円になる。

 退職一時金や貯金が少なくても、年金の繰り下げやイデコの加入で、老後資金はいくらでも増やすことができる。

<ケース2>会社員の夫、妻が専業主婦
 冒頭の会社員のAさんの場合は、65歳まで働き、65歳以降は確定給付企業年金(DB)やイデコを受け取りながら生活をすることを大江さんは勧める。DBは月額10万円を20年受け取れる仕組みとなっているので、85歳まで受け取ることができる。さらに、夫婦ともに公的年金を70歳まで繰り下げる。

 60歳以降、フルタイム月収30万円で働いたとすると、5年間で1800万円になる。また、70歳まで繰り下げると、91歳での受取総額は1112万円増える。定年後でも3千万円近く増やすことができる。

 また、妻は65歳から約6万5千円受け取れるところ、70歳まで繰り下げると、9万2300円。91歳まで生きると仮定すると、受取総額は65歳から受け取り開始するよりも、約300万円増やすことができる。

 ただし、年金を繰り下げるときには注意したいことがある。

「厚生年金の加入期間が20年以上ある人は、65歳または定額部分の支給開始年齢に達した時点で、65歳未満の妻や18歳到達年度末日までの子どもがいると『加給年金』が加算されます。妻が65歳以降は『振替加算』として配偶者が受け取れますが、夫が繰り下げを選択すると加給年金を、妻が国民年金を繰り下げると振替加算を受け取ることができなくなります」(社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん)

 加給年金・振替加算を受け取りつつ、年金を繰り下げる方法もある。

 老齢厚生年金と老齢基礎年金は別々に繰り下げを選択できるので、夫は厚生年金を65歳で受け取り、老齢基礎年金だけを繰り下げる。

 妻はパート先で厚生年金に加入していたら、老齢厚生年金を繰り下げ、老齢基礎年金は65歳で受け取れば振替加算はカットされない。

 繰り下げした場合の年金額と、妻が受け取る振替加算を比較して、どちらの受取額が多いか見極めてから決めよう。

 年金改正法をしっかり理解して、自分に合った“資産寿命”の延ばし方を見つけよう。

(ライター・村田くみ)

※週刊朝日  2020年8月14日−21日合併号より抜粋

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