自宅はまるで「6畳植物園」!? 植物愛がどうにも止まらない人たち

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2020年08月10日 10:40  AERA dot.

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写真お笑い芸人・成田デシリットルさん/6畳ワンルームを埋め尽くす植物たち。部屋の3面が窓という、植物にとって理想の環境。「でかくなってほしいような、これ以上育ってほしくないような……」(写真/片山菜緒子)
お笑い芸人・成田デシリットルさん/6畳ワンルームを埋め尽くす植物たち。部屋の3面が窓という、植物にとって理想の環境。「でかくなってほしいような、これ以上育ってほしくないような……」(写真/片山菜緒子)
 家でじっとしているだけなのに、何だか心が疲れてくる。外出さえままならないコロナ禍でそんな人が増えたかもしれない。でも、生活の主役が「植物」になったら、きっと何かが変わる。AERA 2020年8月10日−17日合併号では、お笑い芸人、アパレルマネージャー、漫画家らがそれぞれの植物愛を語った。

【写真の続き】植物愛が止まらない人たち(計10枚)

*  *  *
 お笑い芸人の成田デシリットルさん(41)の自宅に足を踏み入れると、そこはまるで「6畳植物園」。

 ハシラサボテン、ネオレゲリア、リプサリス、コンシンネレインボー、シュガーバイン、サンスベリア、ゴムノキ、モンステラ、ベンジャミンバロック、ゼラニウム、トックリラン、エバーフレッシュ、テーブルヤシ、パキラ、ガジュマル、グリーンネックレス、オリヅルラン、アジアンタム、ポトス、チランジア、スパニッシュモス、バンダ、リンドレイ──。

 観葉植物としてお馴染みのものから、最近流行(はや)りのエアープランツや塊根(かいこん)植物、自分で作るドライフラワーまで、出窓のみならず部屋を埋め尽くす。

■生活リズムが変わった

 きっかけは、2年前に引っ越した先のワンルームにあった出窓だった。

 日当たりがよく、植物でも置いてみようかな、と生花店の店先で安く売られていた多肉植物を買った。ネットで育て方を調べるうちに興味が出て、100円ショップなどで買っては増えていったという。3カ月ほどで部屋に場所がなくなり、現在の状態に。

「たまに誰かくると引かれますね。大丈夫?って、心配されます」

 と言うが、植物との共同生活で、むしろ規則正しい暮らしになった。定期的に水やりをし、空気を入れ替え、飲み歩いたりせず家で過ごす時間も増えた。

 今のお気に入りは、板付けのコウモリラン。板と水苔(みずごけ)を用意し、麻紐で巻いて着生させた。

 怒濤の勢いで植物を買い集めた時期は、しんどい仕事をしていた時期と重なっていた、と振り返る成田さん。追い詰められるような仕事の日々の中、「帰ったら新しい鉢を買いに行こう」と、楽しみにしていたのだという。

 植物の「癒やし」効果は説明するまでもないだろう。新型コロナウイルスの影響で「おうち時間」が増え、育て始める人も増えている。

 植物好きに大人気のショップが、神奈川県川崎市にある「SOLSO FARM(ソルソ ファーム)」だ。大きな丘を切り開いて作られたファーム兼店舗は、「植物のテーマパーク」と呼ばれるほど多種多様に揃っている。

 週末だけオープンする店内を取締役の中嶋有さん(40)が案内してくれた。「室内の植物」「屋外の植物」「多肉・サボテン」などエリアが様々分かれているが、一番人気は、ハーブや柑橘、ブルーベリーなどの食べられる植物のエリアだという。

「コロナ以降、鉢と土と植物をそれぞれ購入して『自分で植えてみたい』という方が増えました」

■育てるコツは「観察力」

 庭木ではユーカリやブルーブッシュ、バンクシアなどオージー系と呼ばれるオーストラリア産の植物、室内では上から吊り下げるランなどのハンギングプランツなども人気だという。

 植物を育てるコツは「観察力の一言につきます」と中嶋さん。

 一方、20年以上の植物歴を誇るのは、ファッションブランド「トゥモローランド」でPRを担当する杉山耕平さん(38)。3世帯で住んでいるという自宅の庭は、まるで杉山さんの基地だ。
 太陽の当たり具合で種類別に置き場が分けられ、所狭しと並べられている。春になれば植え替えで忙しく、土日には朝8時から昼も食べずに2時、3時まで作業するのだという。

「土や葉っぱに触れていると、体の中の悪いものが抜けていく感じがします」

 アローディアの挿し木、アジサイの葉挿しなど、育てて増やすのが好きという杉山さんの植物たちは、「これの子どもがこの子で、これの子どもがこっち」と親子のペアも多い。増やした株は、ギフトとして人にあげることもある。

■植物は親友や家族以上

 子どもの頃から祖父母の家には温室があり、様々な植物に触れ、ハムスターや犬などの生き物も飼ってきた。庭に地植えしたアガベやユッカは15年以上育てあげ、数十センチだったものが数メートルの大きさになった。

「親友や家族みたいなものですか?」と陳腐な質問をすると、

「何かもっと偉大な、自然そのもの。“育てさせていただいている”という感じです」

 20代前半にハマった多肉や、最近好きなアンスリウムも、今育てているのは「原種」が大半を占める。「より自然」なものが杉山さんをとりこにする。

「品種改良種が悪いというわけではないですが、自然界にはないものですよね。丈夫で強い原種の正しい姿を見たいという気持ちがあります」

 仕事で出かける海外などでもそういう大きな植物が自生しているのを見に行くのが好きだという。

■植物の魅力を漫画に

 あふれる植物愛を漫画にした人もいる。
『タニクちゃん』(全3巻)は、34歳で独身、彼女なしの主人公・花田章が、突然、母親が経営する多肉植物専門店を任されるところから始まる「ドタバタ植物コメディー」だ。エケベリアやセダムちゃん、コノフィツムなどのタニクキャラが喋り、動き回る。

「偏見よ! 植物はじっと動かないとでも!? 植物だってゆっくりだけど成長して動いてるんだからね」

 などの植物が放つセリフに、クスリとさせられながらも、ハッと気づかされることがある。

 作者はよねまるさん(32)。5年前の姉の誕生日、社会人になり忙しく働いていた姉に手のかからない多肉植物をプレゼントしようと調べたことがきっかけだった。ネットで見たカランコエに一目惚れし、お店に行ってみると、個性的な姿の多肉がたくさんあったと言う。

 それまで興味もなかったが、葉っぱが分厚くてプニプニしている、作り物みたいな不思議な多肉たちに心引かれた。

「なんでこうなった、みたいな形のものが多くて。動き出しそうだな、と」

 そこから“漫画化”を思いついた。
 図鑑などの資料を読み込み、得た知識を漫画に反映していった。多肉を育てたことのある人ならわかる喜びや失敗が共感を呼び、漫画は多肉初心者からも好評だ。

 よねまるさん自身が今育てているのは、オベサ、ハオルチア、臥牛(がぎゅう)など。

「オベちゃん」「ハオ様」と親しみを込め、部屋で一人で仕事をしている間「疲れたね」などと話しかける。

「植物の表情は変わらないけど、実は感情豊か。嬉しいと生き生きしています。それが読み取れたときは嬉しい」

(編集部・高橋有紀)

※AERA 2020年8月10日−17日合併号

このニュースに関するつぶやき

  • 植物育成LEDの普及で、観葉植物だけじゃなくなったからね。屋内ガーデニング
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  • カランコエを育ててたけど、ひょろひょろになって、お母さんに預けたら立派になってたw 昔は色々育ててたけど今はしんどくてムリだなぁ。植物好きだけどね。
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