ママ友LINEで“パパ自慢”? ワーママがSNSで「パパの手作り弁当」写真連投、抵抗感を覚えるワケ

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2020年08月10日 19:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

 インスタグラムをはじめとするSNSでは、「#キャラ弁」「#お弁当の記録」などのハッシュタグがついた、ママたちによる手作り弁当の投稿が数多く見られる。しかしその半面、弁当作りが得意ではないママたちにとっては、こうした投稿にプレッシャーを感じることもあるようだ。今回は、弁当作りをめぐるママたちの“モヤモヤ”を紹介する。

SNSを使って「パパ弁」を自慢してくるママ友にうんざり

 万里加さん(仮名)は、都内にある私立幼稚園に、年中になる息子を通わせている。その幼稚園では、給食配給はなく毎日弁当を持参しなければならないという。

「毎日の献立を考えるだけでも手間なんですが、同じおかずばかり入れると、息子から『〇〇ちゃんの弁当には唐揚げが入っていた』などと言われ、食べたいものをリクエストされるんです。毎朝、きちんと弁当を作った上に、撮影までしてSNSにアップしているママは、本当にマメだなって感心しています」

 「参考にしたい」との思いから、SNSで弁当の投稿をよく見ているという万里加さんだが、仲の良いママ友・Kさんの投稿がつい気になってしまうそうだ。

「Kさんは、出版社に勤務していている実用系書籍の編集者。ママ友とのLINEのグループチャットに、よく『昨日も深夜まで仕事していた』というメッセージが来るので、忙しい毎日を送っているようです。旦那さんはフリーランスのカメラマンだそうですが、新型コロナウイルスの影響から仕事が減ってしまったこともあり、現在は旦那さんが家事を全て担当しているんだとか」

 万里加さんの通っている幼稚園は、専業主婦や週2回程度のパート勤務のママが多く、「フルタイムで働いているKさんとの間に距離を感じる」という。

「仕事が忙しいのなら、保育園に預ければいいのに……と思ってしまうんですが、Kさんは、外国人講師が在籍していたり、園庭で野菜を栽培するといったうちの幼稚園の“教育プログラム”に賛同して、入園を決めたようです。でもその半面、『自分は子育てにそこまで積極的ではない』と、やたらアピールしたがるというか……。例えば、毎日の弁当作りも旦那さんが担当しているらしく、ママ友のグループチャットに、わざわざ『今朝は起きられなかったけれど、パパが代わりに弁当を作ってくれるから』とメッセージを送ってくるんですよ。それからSNSに『#パパのお弁当』といったハッシュタグをつけて、毎日のように写真をアップしている。これって、結局、パパ自慢なんでしょうか」

 また毎日の弁当作りが負担に感じている万里加さんは、Kさんの「#パパのお弁当」投稿を見ると、「弁当作りの大変さがわかっていないんじゃない?」「誰でもできて当たり前と思ってるかもしれない」などと感じてしまうそうだ。

「もしかしたら、私の心が狭いのかな、穿った見方をしているのかな……と不安になり、特に親しいママ友にだけ、個別でメッセージを送りました。そうしたら、『確かにパパアピールすごいよね』『たまには自分で作ればいいのにね』という返信が来てホッとしました。グループチャットで、Kさんがまた『パパがやってくれた』と言い出しても、もう反応はしないでおこうと思いました」

 最近では、男性の育児や家事への参加は珍しいことではなくなっている。しかし、それを積極的にアピールされることに、抵抗感を覚える人は少なからずいるようだ。

 子どものための弁当作りというと、幼児期だけと思われているが、実は小学校に入学してからも必要になる場合があるという。介護施設で働いている奈緒美さん(仮名)は、小1の女児と4歳の男児を育児しているが、現在長女のために毎日弁当作りをしているそうだ。

「娘を学童クラブに預けているんですが、そこは給食室がないため、小学校が夏休みの間は弁当を持たせなければならないのです」

 保育園とは違い、学童ではゴールデンウィークや長期休暇の間は、自宅から弁当を持参するルールになっているという。

「ほかの学童では、有料で購入した弁当を食べることができるみたいです。下の子の育児もあって朝はとにかく忙しいので、うちの学童も宅配弁当の注文ができないか、相談したことがありました。しかし、人数が少ないと頼めないからと、見送りになってしまいましたね」

 幼児期の食育に力を入れている幼稚園などとは違い、学童での弁当は、そこまで栄養を考慮されたものではないようだと奈緒美さん。しかし、共働き家庭にとっては、毎朝の弁当作りの時間捻出は、厳しい状況だという。

「長期休暇中もそうですが、小学校が午前授業だけの日も、学童用に弁当を作らなければならないので、意外と必要な日が多いんです。ママ友とのブループチャットでは、『学童にはおやつの時間があるので、しっかりしたお弁当じゃなくて、簡単なおにぎりだけ持たせている』というママもいたのですが、子どもに聞いてみると『〇○ちゃん家はおにぎりに顔が描いてあった』そうで、『それって簡単どころか、ちょっとしたキャラ弁じゃない!?』とびっくりしましたよ」

 奈緒美さんいわく、弁当作りの大変さは、料理をすること以外にもあるという。

「弁当って作って終わりじゃなくて、水筒の準備もしなきゃならないし、持って帰ってきたら洗わなければいけないじゃないですか。なんだかんだで、いろんな手間が増えるんです」

 SNSなどでは、キャラ弁をはじめ、手の込んだ弁当の画像が数多くアップされている。これらは、毎日の弁当作りに悩むママたちの参考になっている面もあるが、「どれもクオリティが高いため、いらぬ劣等感を抱えてしまうこともある」ようだ。

「うちは弁当箱に、前の晩のおかずと、冷凍食品を詰めるので精いっぱい。娘は学童のスタッフから、『(冷食ばかりで)弁当の中身がいつも同じ』というようなことを言われたことがあるらしく、悲しかったようです」

 共働き家庭が増え、子どもの弁当作りを負担に感じ、冷凍食品を使う親も少なくないが、一方で、周りから冷凍食品の多用を非難されることは珍しくないのかもしれない。奈緒美さんは「子どもの弁当は手間暇かけて作るもの」「楽をしてはいけない」という風潮を感じるそうだ。

「でもインスタに上がっている弁当の投稿を見ていると、投稿用に買ったとしか思えない既製品のおかずも多く、仲の良いママ友とグループチャットで『これ手作りっぽく見せてるけど、買ったやつだよ』『すごいよね。私はこんなことまでできない(笑)』と、送り合っています」

 運動会などの“ハレの日”以外にも、親が子どもの弁当作りをしなければいけない場面は意外に多い。育児と仕事の両立で大忙しのワーママにとっては、SNSで「クオリティの高い毎日のお弁当」投稿が脚光を浴びているのを見るだけで、プレッシャーを感じてしまうようだ。「弁当作りは、もっと楽をしてもいい」……そんな風潮になってほしいと思わずにはいられない。

このニュースに関するつぶやき

  • 出来る人をサゲて何か良い事あるの?フルタイムで忙しく働く母に代わり父が弁当作って何が悪い?妬んでる自分はフルタイムじゃないか専業主婦なんでしょ、暇があるんだから頑張って作れば?
    • イイネ!2
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