男性不妊には33種の遺伝子が関与する

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2020年08月11日 10:01  妊活・卵活ニュース

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男性不妊の治療・診断の改善に向けて
キングファイサル専門病院&研究センター(サウジアラビア)の研究チームは、「Genetics in Medicine」にて、33種の遺伝子が男性不妊に関連すると発表した。

遺伝的には初のアプローチとなるエクソーム解析(タンパク質コード領域(エクソーム)に由来するDNA分子を解析する)を用いて、男性不妊患者の遺伝的根拠を証明した。今回の研究より、男性不妊の背景にある分子生物学をより深く理解でき、男性不妊の治療・診断の改善を期待される。

男性不妊に関与する遺伝子の特定
研究チームは、無作為に被験者を選び、男性不妊患者285人(非閉塞性無精子症237人、高度(重症)乏精子症48人)を対象にエクソーム解析を行った。被験者のうち69人(24.2%)は、単一遺伝子を起因とした男性不妊の疑いがあった。

これまで、マウスモデルにおいて、400以上の遺伝子が男性不妊に関与することが確認され、単一遺伝子が男性不妊を引き起こす可能性は極めて過小評価されていた。

一方、現在、男性不妊の原因を診断するうえで、染色体異常のスクリーニング検査が標準的である。しかしながら、染色体異常のスクリーニング検査は診断率が低く、今回の調査にて男性不妊の診断が出たのは30人(10.5%)のみであった。

研究チームは、調査結果より、33の遺伝子が男性不妊に関与すると結論付ける。また、ヒトの場合、約40の遺伝子が非閉塞性無精子症と関連するといわれるが、今回、非閉塞性無精子症の表現型に関与する遺伝子は約2倍あることが確認された。

これらの遺伝子は、マウスモデルにおいて、男性生殖細胞の成長・発達に影響を与えていた。そのうち3種の遺伝子とヒト男性の不妊には、強い関連性が立証されている。

(画像はtics in Medicineより)

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