プロ初勝利の吉田大喜、次代の主役へローテ守る【若燕フォーカス】

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2020年08月12日 07:43  ベースボールキング

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ベースボールキング

写真ヤクルト・吉田大喜
ヤクルト・吉田大喜
◆ 先発4試合目でプロ初白星

 ヤクルトのドラフト2位ルーキー・吉田大喜が、8月7日のDeNA戦(神宮)でプロ初白星を挙げた。

 6回87球を投げて6安打2失点。先発4試合目にしてようやく掴んだ勝利に「なかなか勝てなかったので、やっと勝ててすごく嬉しいです。少しでも長いイニングを投げて勝ちに近づきたいという中で、初勝利ができて良かったです」と、初のお立ち台で笑みがこぼれた。

 投手陣の整備を図るヤクルトは、昨秋のドラフト会議で1位の奥川恭伸のほか3人の大卒投手を指名。同期であるドラフト4位・大西広樹は8月5日の広島戦(神宮)でプロ初先発し、5回2失点という内容も白星に恵まれなかった。

 仲間でもあり“ライバル”でもある大西に対し、吉田は「同じ時期に入団しているので、先に勝ちたいなという気持ちはあります」と意気込みを語っていた。この日、新人で一番に初勝利を挙げたことに関しては素直に「嬉しいです」と喜びを口にした。

 初回から丁寧な投球でDeNA打線を封じた吉田。「投げるごとに良くなるようにというのを心がけている」と話し、持ち球であるカーブやフォーク、カットボールを駆使して「変化球を低めに集められたので良かった」と振り返った。


◆ 打者が2巡目になる4回に結果

 直近2試合の先発は5回でマウンドを降り、4回に相手打線につかまっていた。この日も4回に先頭の1番・梶谷にライトへ安打を打たれて出塁を許すが、気持ちを切らすことはなかった。

「2巡目になって前回も前々回もつかまっているので、そこは意識した上で、各バッターの前の打席を考えて丁寧につけたのが良かった」

 自らの暴投も絡み、二死一、二塁となったが、最後は5番の宮崎をレフトフライに打ち取り、このピンチを切り抜けた。1巡目での打者との対戦やこれまでの投球内容を振り返り、着実に次の段階へとステップアップしている姿が、この日のマウンドにはあった。


◆ 先発ローテを守れるか

 初勝利のマウンドで吉田がはめた赤いグラブは、父親が営むスポーツ店のものだ。「プロでは僕しか使っていない」という“相棒”と共に掴んだ勝利。記念のウイニングボールは「家に送りたい」と、父に感謝の思いを込めた。

 記念球を手にした吉田と握手を交わした高津臣吾監督は試合後、「苦労して、若い人や新人に結果がついてくると、チーム自体も活性化する。これをきっかけに本人はもちろん、チームも元気になってくれるといい」と、若い右腕の好投を喜んだ。

 ヤクルトで開幕からきっちり先発ローテーションを守っているのは、現在4勝を挙げている小川泰弘のみ。高梨裕稔は好投しながら打線の援護に恵まれない試合もあったが、防御率4.73と安定感には欠けている。開幕投手を務めた石川雅規は二軍調整中で、今季2勝を挙げていたスアレスは再調整で登録抹消。イノーアや山田大樹についても結果を残せず、勝ち星を挙げられていない。

 そんな中、現在は新たな先発陣で上位争いに挑んでいる。開幕ローテーションからは外れたものの、吉田と同い年の高橋奎二もその一角として期待されている。吉田が今後、しっかりローテーションを守っていけるかどうか、チームが浮上していく上で大きなカギを握りそうだ。

 次代の主役を担う23歳は、ヒーローインタビューで「次から今日よりもっといいピッチングができるように頑張りたい」と約束した。その言葉が嘘でないことを、次のマウンドで証明するつもりだ。


取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)

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