育児アドバイザーに聞く、みんなの子育て相談室 第40回 夏休み、子どもの「早起きの習慣」を維持するには?

1

2020年08月12日 11:12  マイナビニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
「毎日のように怒ってしまう」「言うことを聞いてくれなくて困る」「夫(妻)と育児方針がかみ合わない」……などなど、育児に悩みは尽きません。特に、毎日忙しく過ごしている共働き夫婦なら尚更でしょう。

ここでは、育児中のマイナビニュース会員に"育児の悩み"についてアンケートを実施。寄せられたお悩みに対して"どのようにすべきか"を、NHKの育児番組でキャスターを務めた経験を持ち、現在は育児のセミナー講師や書籍執筆なども行っている天野ひかりさんに、アドバイスしてもらいます。

夏休みが始まりましたね。今年は例年と比べ夏休みが短いとはいえ、親にとって休みに入ると気がかりな出来事のひとつに「子どもの生活リズムの乱れ」があるでしょう。

普段は朝から学校に行くため規則正しい生活を送っている子も、休みの期間は、ついついテレビやゲームなど夜更かししてしまいます。親としては、お休みだし少しくらいいいかな……と思う反面、貴重な夏休みだからこそ充実してほしいと思いますよね。

そこで今回は、「休み中、朝なかなか起きない子どもにどんな声かけをしたらいいでしょうか」というご相談に、親子コミュニケーションアドバイザーがお答えします。
○早起きを促すことばかけとは?

"寝る子は育つ"というように、寝ている時は成長ホルモンやメラトニンなどが分泌されるため、子どもにとって睡眠はとても大切です。

多くのお母さんお父さんは、早く寝かしつけることに一生懸命です。しかし規則正しい生活を整えるのには、夜早く寝かしつけるよりも朝早く起こす方が早道なのです。まずは、一緒に朝早起きすることからスタートしましょう。

たとえば、子どもを起こす際の声かけは、「Let’s」を意識です。「起きなさい!」と怒って指示口調で言うのではなく、「一緒に起きよう!」と言いましょう。朝から怒られるより、言われた子どもも元気が出て、起きようと思うはずです。

そして、「朝ごはんは、君の好きなフルーツシリアルだよ!」「わあ、今日は、雲ひとつない真っ青な空だ! 見てみて!」「蝉の鳴き声が近いね! 家の網戸にとまってるのかも。探してみようか」など、子どもが起きたくなるような前向きな"ことばかけ"ができるといいですね。

その後、「◯◯ちゃんと何時に遊ぶ約束したっけ?」「今日のお出かけは、赤いスカートにする? それとも違うのがいいかな?」「いいお天気だからどこか行こうか。プールか公園どっちがいい?」など子どもが考えて答えられるような質問をしましょう。質問された子どもは頭を使うので目が覚めます。

ことばかけをする際、自分から起きられる子にするためには、ネガティブな"ことばかけ"はしないでください。

「あなたは本当に朝が弱いわね」「ねぼすけね」「何回起こしたらいいの?」などはNGです。こうした言葉を使われた子どもは、「私は朝が弱いタイプなんだ」
「何回言われてもできない人間だ」と思い込んでしまい、ますます自分で起きられなくなってしまうからです。

成長してもずっと起こし続けるなんてことにならないように、ネガティブな言葉は使わないでおきましょう。
○ことばと共にスキンシップも大切

可能であれば、30分かけてスキンシップしながら起こしてみるのはオススメです。スキンシップは前頭葉を活性化して集中力を高めます。するとその日1日の過ごし方が見違えるほど変わります。

赤ちゃんの時はしてたけど……という方も多いと思いますが、ぜひ大きくなっても形を変えて続けてくださいね(ちなみに、わたしは娘が高校生になるまで続けています)。

スキンシップのやり方は簡単です。「足→お尻→お腹→うで→あたま→顔」の順に、やさしくゆっくりさすったり、こちょこちょしたり、マッサージしたりします。お子さんの年齢や好みに合わせて変えてください。

いきなり顔をさわると嫌がる子が多いので、一番敏感な口や顔まわりから遠い、足あたりから始めるのがポイントです。

お子さんが逃げ出したらそのまま鬼ごっこに変えたり、お子さんがこちょこちょをやり返してきたらお相撲したりするなど、年齢にあわせて遊びの形を変えてスキンシップを取ることが大事です。

スキンシップは親にとっても極上の幸せな時間となります。出かける時間に間に合うように、起床時間の30分前からスキンシップをスタートしてみてください。
○前日に楽しみを作っておく

さいごに上級編として、子どもが朝わくわくして起きられるよう、明日の楽しみを親子で1つ作っておきましょう。遠足やディズニーランドに行く日はなぜか早起きできる"この手"を使うのです。

「明日には、(飼育している)カブトムシがかえってるかもよ」と前日に話をふったり、「ディズニープリンセスの靴、明日の朝おろそうね」と朝を待ち遠しくさせたりするのです。

そんなイベント毎日は無理……という方もご安心ください。たとえば、いつもの牛乳をお客様用のグラスに注いでみて、「おはよう! 今日はホテルのような朝食ですよ。起きて見てみて」「今日は子ども部屋までお運びいたしました、おいしそうな朝食です。起きて一緒に食べよう」など、少しの工夫で大丈夫です。

毎日違う刺激が入ることは子どもにとってとても重要です。ちょっとわくわくするようなことを、毎日ちょこっと趣向を変えてコミュニケーションするだけで、親子ともに1日が生き生きスタートできるのではないでしょうか。

天野ひかり あまのひかり ・親子コミュニケーションアドバイザー ・NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事 上智大卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。NHK「すくすく子育て」キャスターとしての経験を生かし、全国の親子に寄り添いながら、講演会や講座、シンポジウム、企業セミナー講師など。 自身が立ち上げたNPO法人でも、子どもの自己肯定感を育てる親子のコミュニケーションを学ぶ教室「ことばでおやこみゅ教室」を主宰。 ■著書 ・Amazon子育てランキング1位のロングセラー 「子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ」サンクチュアリ出版 ・最新刊 「賢い子を育てる夫婦の会話」あさ出版 ほか。 この著者の記事一覧はこちら(天野ひかり)

このニュースに関するつぶやき

  • うちの子等は、少なくとも小学校卒業するまでくらいの年齢まで、夜更かしなんてしないしさせない。幼い時からの習慣なだけで、親も子も偉いでも素晴らしいでも無いんだよね。
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングライフスタイル

前日のランキングへ

ニュース設定