11度目のインディ500に挑む佐藤琢磨の走行初日は13番手「まずまずの出だしだったと思う」

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2020年08月13日 13:01  AUTOSPORT web

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2017年にインディ500初優勝を遂げた佐藤琢磨。11度目のインディ500に挑む
5月末から8月23日に決勝日が延期された104回インディアナポリス500マイルレースが開幕した。

 世界的に広がる新型コロナウイルスの影響を受け、インディ500を含めたNTTインディカー・シリーズのカレンダーは幾度も大きな変更を強いられている。

 特にアメリカは全土で感染が拡大しており、先週もミド・オハイオのレースが延期になったばかり。シーズン当初からインディ500の開催そのものを危惧する声も多かった。

 その中で今年からインディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)のオーナーとなり、NTTインディカー・シリーズの運営も託されたペンスキーは、あくまでも観客を動員しての開催を前提に準備を進めていた。一度は50%観客削減案を出し、その後25%まで観客を少なくして開催する方針だった。

 しかし、急きょ8月4日にインディ500は無観客レースとして開催する発表があった。

「今の状況だったら、仕方ないですね。レースができるだけ感謝しないといけないのかもしれない……」。インディ500に11回目の出場となるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨は、レースウイークが始まる前にそう語っていた。

 度重なるレーススケジュールの変更と全米各地でのコロナ感染状況を見れば、琢磨が言うことも頷けよう。8月に入っても新型コロナウイルスの感染は収まりそうにもない。

 だが琢磨もインディ500には特別な思い入れもある。2017年に日本人初のチャンピオンとなったことはもちろん、昨年は優勝に手が届きそうな3位で終わっていた。今年こそはと言う思いがあっても不思議ではない。

 2020年はメインスポンサーにピープルレディという職業斡旋&人材派遣の会社が着き、カーナンバー30のマシンにもオレンジ色のストライプが入っている。それに合わせ琢磨のレーシングスーツも新調された。

 今年はプラクティスが2日分削られたスケジュールで3日間のプラクティス走行の後、すぐに予選を迎える。例年以上にマシンを仕上げる時間が重要になる。

 琢磨のチームRLLRは、今年も3台体制でエントリー。チームメイトはいつもグラハム・レイホールと、今年はスペンサー・ピゴットが加入した。この3名がチームの中で各々の担当のプログラムをこなし、その後チームでデータをシェアしてマシンのセッティングを進めていく。


 プラクティス初日は午前11時に予定通り始まり、午後1時までで一旦終了。ルーキーオリエンテーションプログラムのため、2時間のインターバルを置いて、さらに15時から17時30分までのスケジュールだった。

 琢磨はプラクティス開始から順調にタイムを詰めていった。1周平均213mph台で始まった走行は、短い時間で220mph台に入り、トップ6の中に収まった。

 そしてその後42周目には222mph台までタイムアップしている。

 走行周回84周をし、222.551mphのタイムで33台中13番手のタイムであるが、RLLRの中では最速だった。全体の最速はアンドレッティオートスポートからスポット参戦するジェイムズ・ヒンチクリフで平均時速は224.526mphだった。


「プラクティスの日程が短くなり、テストのプログラムが凝縮して行われる中で、初日はまずまずの出だしだったと思います。グラハムとスペンサーとテストのプログラムを分けながら走っていますが、ソロラン(単独走行)もできたし、グループラン(集団走行)もできた」

「フィーリングとしてはまずまずだったんじゃないかなと思っています。この2週間で使えるタイヤの使用本数も変わってしまったんですが、決勝に9セットを残しておくと考えると、一日4セットくらいのタイヤで走行することになります」

「3人のドライバーと全体でミーティングをして、また明日からのプラクティスに反映させていければと思っています」

 プラクティス初日の琢磨は、表情が曇るわけでもなく、喜んでいる様子でもなかったが、まずは順調な出だしだったようだ。

 104回目となる今年のインディ500だが、無観客で行われる今年はとりわけ記憶に残るような大事な年になるだろう。

 琢磨は再びボルグワーナートロフィーに顔を刻むことができるだろうか?

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