2頭のシロイルカ約9600kmの大移動 中国の水族館からアイスランドの保護区の海へ<動画あり>

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2020年08月13日 15:52  Techinsight Japan

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輸送中に笑顔を見せるシロイルカ(画像は『Daily Star 2020年8月10日付「Adorable beluga whale friends return to the ocean for first time in 10 years」(Image: PA)』のスクリーンショット)
中国の水族館で約10年間飼育されていた2頭のシロイルカがイルカショーを引退した。長期間飼育環境下にあったことから自然の海に戻すのは難しいため、アイスランドにある自然保護区内の海で過ごすことになったという。2011年に保護されてから約10年ぶりとなる海にかえるための輸送の様子を『Daily Star』『Live Science』などが伝えている。

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中国の上海にある水族館「長風海洋世界」で飼育されていた2頭のメスのシロイルカ“リトル・ホワイト(Little White)”と“リトル・グレイ(Little Gray)”は2011年、推定1歳の時にロシアのクジラ調査センターにより捕獲された後、同水族館に輸送された。2頭はトレーニングを受け同水族館で約10年間イルカショーに出演し、多くの観客に愛されてきた。

12歳となった2頭は人間でいうと40歳代となり、イルカショーを引退して海にかえされることとなった。しかしこれまで水族館で過ごしてきた2頭を自然の海に戻すのは難しいと考えた海洋動物保護団体「Sea Life Trust」は、アイスランドにある海に近い環境の自然保護区内にかえすことにした。

2頭は中国からアイスランドまで約9600kmを空輸で移動した。リトル・ホワイトとリトル・グレイの体重はそれぞれ約900kgもあり、輸送を担当した「Sea Life Trust」はなるべく2頭に負担のない方法を計画し、入念にリハーサルを重ねたという。

輸送の際には2頭の大きな体を支え、揺れなどの衝撃を和らげるクッション付きの特別な吊り具が使用された。幸いにもアイスランドまでの輸送はスムーズに進み、計画通り無事に2頭の輸送は昨年6月に完了した。

保護区内ビジターセンターのケアプールで過ごした2頭は今月7日、アイスランド南部ヘイマエイ島のクレッツビク湾(Klettsvik Bay)に併設された保護区内のプールに移された。2頭は餌をよく食べ元気に過ごしているという。2頭は1か月を過ごした後、最終的に3万2000平方メートルもある自然保護区に放たれる。


「Sea Life Trust」の代表者アンディ・ブールさん(Andy Bool)は「2頭の輸送完了を報告できることを嬉しく思います。現在2頭は専門家チームの管理下で過ごしており、自然にかえす報告ができるのを楽しみにしています」と語った。

このニュースがSNS上に投稿されると、「2頭にとって素晴らしい旅になっただろうね。丁寧に輸送を行ってくれた人たちを尊敬するよ」「2頭が自然にかえれるのがとても嬉しい。関わったすべての人に感謝を伝えたいわ」といった声があがっている。



画像は『Daily Star 2020年8月10日付「Adorable beluga whale friends return to the ocean for first time in 10 years」(Image: PA)』『Live Science 2020年8月11日付「2 captive beluga whales finally freed to a seawater sanctuary in Iceland」(Image credit: PA Media/ Aaron Chown)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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