浜崎あゆみさん「芸能人のプライバシー」呼びかけ 有名アイドルの裁判例も

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2020年08月14日 10:02  弁護士ドットコム

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歌手・浜崎あゆみさんのスタッフによる公式ツイッターが、浜崎さんや家族のプライベートに関する情報発信について、注意を呼びかけた(投稿は8月2日)。


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「いつも応援して下さる皆様へ、お願いがございます。



本人の家族のプライベートに関する情報や (目撃情報含む) 、関係者から話を聞いた、等の全てのSNS発信について、本人の家族全員の安全の為にどうか控えて頂きたいです。」







浜崎さんは今年1月1日、昨年末に出産していたことを発表していた。



芸能人の目撃情報をSNSに投稿することには、どのような法的問題があるのだろうか。河西邦剛弁護士に聞いた。



●アイドルの有名な裁判例

ーー「有名税」ではないか、という声もありますが…?



そのような声はあるかもしれませんが、過去の裁判では「有名税」とは考えられていません。



まず、芸能人の目撃情報をSNSに投稿することが違法になる可能性は十分にあります。



芸能人にも私生活の平穏を保つための法律上のプライバシー権は認められます。さらに、目撃情報に加えて写真も投稿した場合にはプライバシー権だけでなく肖像権侵害ともなります。



法的には、友達や家族に「駅で芸能人の〇〇に会った」と話すのと、全世界に公開されているSNSに投稿するのとでは、プライバシー権侵害の程度に雲泥の差があります。



しかも、その目撃の何気ない投稿から芸能人の自宅や学校などのプライバシー情報が拡散され、そこからストーカー被害を受けたり、さらに引っ越しや転校につながったりすれば、損害額は数百万になる可能性すらあります。



「芸能人だからしょうがないんじゃないの?」という意見もあるかもしれません。しかし、実際、アイドルが路上を歩いている写真等を雑誌掲載した裁判(ブブカスペシャル事件)の判決では、芸能人にも公私の区別があり、芸能人だからといって不利益な取り扱いはなされない、芸能人だから仕方ないというのは「論理の飛躍」であるとされています。



しかも、この雑誌では背景に写った駅ビルの名前が黒塗りにされていたのですが、判決では、駅を利用したことがある人であれば、どの駅か特定できることを理由にプライバシー権を侵害するとも判断しています



芸能人を目撃した際には、衝動的にSNSに投稿するのではなく、夕食時の話題にする位にとどめておくと安全です。




【取材協力弁護士】
河西 邦剛(かさい・くにたか)弁護士
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。アイドルグループ『Revival:I(リバイバルアイ)』のプロデューサー。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/


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