TCRドイツ:第2戦にWTCR王者ミケリスやバックマン兄妹が緊急参戦。WSCはBoPウエイトも発表

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2020年08月14日 13:11  AUTOSPORT web

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TCRドイツ・シリーズへのスポット参戦が決まったWTCRチャンピオン、ノルベルト・ミケリス
8月15〜16日の週末にドイツ、ニュルブルクリンクで2020年シーズン第2戦を開催するTCRドイツ・シリーズ(TCR Germany)。同シリーズに参戦するヒュンダイ・カスタマーレーシング勢の2チームから強力な助っ人を起用することがアナウンスされ、Team Engstlerからは現WTCR世界ツーリングカー・カップ王者ノルベルト・ミケリスが、Target Competitionからはアンドレアス&ジェシカのバックマン兄妹がスポット参戦することが発表された。

「新しい選手権に参加することは、つねに大きな挑戦になる」と語ったWTCRチャンピオンのミケリスは、このニュルブルクリンク戦の週末も慣れ親しんだヒュンダイi30 N TCRのステアリングを握る。

「僕自身、ニュルブルクリンクのショート版とも言えるGPサーキットでレースをした経験がないから、今回のチャレンジはなおさら新鮮だと言える。しかし、レーシングドライバーとしてはつねにチャレンジを求めているし、今週末ADAC TCRドイツの一員となるチャンスにとてもワクワクしているよ」

 ハンガリー出身のミケリスは、9月12〜13日にオーストリア・ザルツブルクリンクで開幕するWTCRのタイトル防衛のシーズンに先立ち、その準備作業の一環としてレース感を養うことを目的に掲げている。

「このTCRドイツは国内選手権として最高峰のコンペティションレベルが維持されているし、その最前線にいるドライバーたちは、近年ほかのインターナショナルなTCRシリーズでも活躍を演じている。そこで戦うことは大きな意義があると思う」と続けたミケリス。

 一方、TCRヨーロッパ・シリーズにフル参戦を予定する兄アンドレアスと妹ジェシカのバックマン兄妹も、ミケリスと同じようにシリーズへの準備作業として、ニュルブルクリンクの週末を活用する予定だ。

「久しぶりにレースができることを心待ちにしているの。またTCRドイツにカムバックできるのは本当に素晴らしい機会だし、とても楽しみ。それに加えて、今季私たちのメインシリーズになるTCRヨーロッパがその次の週にフランスで開幕する予定だし、その準備には最適な週末になると思う」と語るのは、昨季のホッケンハイム戦にもスポット参戦し、レース2で2位表彰台を獲得したジェシカ。

■コロナ禍で延期されていたBoPの最新リストが発表

 同じく、妹のジェシカとともにホッケンハイムでTarget Competitionのマシンをドライブしたアンドレアスも「ふたたびTCRドイツのグリッドに戻ってこれて光栄だ」と週末に向けた意気込みを語っている。

「このシリーズは本当にハイレベルでドライバーの水準が高く、結果を出すのは簡単ではないだろう。それでもレーストラックに戻ってふたたび戦えるのは良い気分だ。それに長い休暇を経て、TCRヨーロッパ・シリーズに復帰する前の良い準備にもなるだろうね」

 またTCR規定ツーリングカーを統括するWSCグループは、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響で延期されていた2020年向けBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)の最新リストを更新。アルファロメオ、アウディ、クプラ、ヒュンダイ、起亜、MG、スバル、そしてフォルクスワーゲンのウエイトや最高出力、最低地上高に変更を加えている。

 この性能調整の変更はエンジンダイノ、風洞、CoG(センター・オブ・グラビティ/車両重心)テストの計算に基づいて決定されているが、従来のように全車両を一堂に集めてのBoPトラックテストは、感染症対策の観点からキャンセルとなった。

 その主な変更点を挙げていくと、2019年度のEVO版と言えるアルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCRとイタリアのトップランが製作するスバルSTI TCRはバラストが30kg削減され、ジュリエッタ・ヴェローチェTCRは最低地上高10mm減の70mmに。一方、オリジナル版とも言える初代アルファロメオ・ジュリエッタ RF TCRは、エンジン出力が100%から102.5%へと増強されている。

 そしてシリーズを席巻するヒュンダイ勢では、WTCRチャンピオンカーのi30 N TCRが20kg削減の上でエンジンパワーも95%から97.5%へとわずかに改善。一方、北米を主戦場とするヴェロスターN TCRも10kgの削減が実施されている。

 その他、チャイナ・シリーズや昨季のモータースポーツ・ゲームスにも参戦したMG6 Xpower TCRは20kgのダウン。アウディRS3 LMS、クプラ・レオンTCR、STARD製のキア・シードTCR、そしてフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRは、DSG車両を除いて全車10kgの削減を受け、さらに起亜以外は車高10mmダウンとなっている。

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