【コロナ帰省】父の葬式も出席不可!? 悲しみの帰省組と都会満喫残留組のリアル〜その1〜

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2020年08月15日 18:20  Suits-woman.jp

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2020年8月、非常事態宣言が解除された東京では、新型コロナウイルスの新規感染者数が1日300人単位で確認され、ワイドショーなどで全国に報道されています。

それに伴い、地方にある実家から「帰省するな」などの要請を受けている人も多数。地方に行った都民の中には、差別的な扱いも受けた人もいるようです。8月7日に、青森市に帰省した男性の実家に“さっさと帰って下さい”などと書かれた紙が投げ込まれたことが報道され、ネット上では是非論が巻き起こりました。

では、そんな中、地方出身の堅実女子たちはどうしていたのでしょうか。20人の女性を取材した中から、【帰省した人・帰省しなかった人】の代表的なケースを紹介していきます。

祖母が母に「あんたの教育がなっていない」と叱る

大学進学から東京に住む宮本香苗さん(仮名・27歳・IT関連会社勤務)の実家は、東北の兼業農家で大家族。地元が大好きで、いつかはUターンすると思っていたそうです。

「東京に住んで9年。未だに満員電車には慣れないし、狭い部屋も苦手です。でも親が頑張って大学まで出してくれたから、せめて頑張ろうと思って、就職も仕事も人並みにこなしています。普段頑張っているから、お盆と正月に、ガッツリ1週間、実家に帰省するのが何よりも楽しみだったんです」

土と草の香り、水田を渡る風の涼しさ、照り付ける太陽と遠くで聞こえる汽車の音。シーンと静かで光がない夜、母と祖母が作る料理、同居する兄一家の甥や姪と遊ぶことなど、実家には楽しいことが盛りだくさんだと言います。

「春のお彼岸にも帰る予定だったのですが、それは我慢しました。だからこそ、お盆は絶対に帰りたかった。ウチの会社はいちはやくリモートワークになり、私も体調はすこぶる健康。コロナが怖いのと、どちらかというと引きこもり気味なので、3月末からほとんど家から出ていません。そのことを母親に説明したら、“帰ってもいいよ”と言ってくれた。そこで万全の体制で帰省したのです」

マスクとフェイスシールドを着用し、実家に入る前は、着ていた服を脱ぎ、すぐにシャワーを浴びたそう。

「すると祖母が“香苗、なんで帰ってきたんだ!”と激怒。そして母親を呼び、“香苗が帰って来たよ。あんたの教育がなっていないから、そんなことになるんだ!”と血相を変えて怒鳴っていました」

帰省したのは、入院中の父に一目会いたかったから

父親にも会えず、葬式にも出席できなかった

祖母はおそらく、軽度の認知症になっており、感情の暴走が止められないのでは……と香苗さんは思ったそうです。

「でもそうじゃないんです。兄夫婦も私のことを避け、甥っ子姪っ子も近寄ってこない。母だけが申し訳なさそうな顔をしている。実家には来たものの、いられるような雰囲気ではないので、10年以上使っていない、別棟の離れを使うことにしました。すごいホコリと虫で、殺虫剤を買いにドラッグストアに行ったら同級生にバッタリ。“なんで香苗は帰ってきたの?”と、バイキンを扱うように見られたことがショックでした」

香苗さんは帰省にPCを持って行きませんでした。スマホを見ているとネガティブなことを書き込みそうになるので、テレビばかり見ていたそう。

「すると、ワイドショーで東京で感染者が爆発的に増えて、あたかも死者が増えているような恐怖をあおるような報道がされている。ワイドショーしか見ていない祖母や兄夫婦にとって、東京から来た私はバイキンだわ……と納得しました」

香苗さんが帰省した目的は、父親の見舞いをするため。

「父はまだ50代なのですが、ガンで闘病中。余命宣告をされており、緩和ケア病棟にうつっている。だから最後にどうしても会いたかったんです。しかし、コロナで母も病院の父には会えない。手紙を渡して、父の病室の窓の下から手を振ろうと思っていました」

帰省初日は慌ただしく終わり、2日目の昼に「お父さん、ありがとう。大好きだよ」と書いた横断幕を作ります。病院に行こうとすると、母から「お父さん、死んだって」と言われます。

「足元から崩れるようなショックでした。死因は、痛み止めのモルヒネが体に合わなかったことではないかと言われています。祖母は倒れて入院。母も病院や役所の世話や、祖母の入院準備でてんやわんやでした。でも私は動けない」

東京では、誰かが亡くなってから葬式までに3〜7日かけることがあるけれど、香苗さんの地元は遅くとも翌々日には火葬してしまうのです。

「母から“お葬式は出ず、隠れていてね。クラスターが発生したら、私たちはここに住めなくなるので”と言われました。新型コロナウイルスって、マスクと手洗いをして、ソーシャルディスタンスを維持していれば感染しないとされています。それなのに、なぜ私は父の葬式も出られないんだ」

帰省滞在の3日間、香苗さんがいる離れまで母が3度の食事を運んでくれていました。その負担を考えると申し訳なくて、「もう東京に帰るよ」と言ったら、母はすごくホッとした顔をしたそうです。

「その顔を見たら、涙が止まらなかった。もう私には帰る家がないんだと思いました」

早苗さんが作った横断幕は、父親の棺におさめられたそうです。

「それがせめてもの救い。東京に帰るガラガラの新幹線の中で声を出して泣きました。友達にLINEしたら、東京駅まで出迎えてくれて、父に献杯してくれた。いろいろショックなことが重なったこともあったけれど、もう私は地元に行かないし、地元産のモノは買わない。きっと母も祖母もコロナが終わればケロッと忘れるんでしょうけれど、された方は忘れません。これを機に、仕事に邁進しようと思っています」

入院中の家族に一切会えないまま、亡くなってしまうというケースは失望感も大きい。

帰省しない派のアラフォー女子の、東京天国バケーションは…?〜その2〜に続きます。

このニュースに関するつぶやき

  • 検査母数を隠して感染者数ばかり報道するマスゴミの責任を『田舎』に転嫁してるだけでしょ?
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  • 「もう私は地元に行かないし、地元産のモノは買わない」 そうなるわなぁ……
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