トヨタ技術首脳が語る「スパでローダウンフォース仕様」の理由と決勝への不安/WECスパ

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2020年08月15日 20:11  AUTOSPORT web

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写真スパの予選では2〜3番手となったトヨタ勢。ローダウンフォース仕様で臨んでいる。
スパの予選では2〜3番手となったトヨタ勢。ローダウンフォース仕様で臨んでいる。
 ベルギーのスパ・フランコルシャンで行なわれているWEC世界耐久選手権2019/20シーズン第6戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選で、TOYOTA GAZOO Racingの2台はレベリオン・レーシングの後塵を拝し予選で2〜3番手となった。その背景について予選後、テクニカル・ディレクターのパスカル・バセロンが語った。

 バセロンは土曜に予定されている6時間の決勝レースに向け、予選で2セット目のニュータイヤを投入せず、タイヤを決勝に向けて温存したと説明する。

 それでも、計測1周目の時点では8号車TS050ハイブリッドの中嶋一貴が、レベリオン1号車まで1000分の4秒にまで迫る検討を見せた。

「我々は、最初の計測後の非常に小さなギャップに驚いている」とバセロン。

「我々は、ふたりのドライバーに1セットのみのタイヤを使用することにした。特にここでは、最初のラップ後のタイヤのデグラデーションが非常に大きく、レースにおけるスティントを考えてもニュータイヤとユーズドタイヤでスタートするのでは、まるで違ったものになる。そのため、レースを優先して1セットのみを使用することにした」

 レベリオン1号車のひとり目のアタッカーとなったグスタボ・メネゼスによれば、彼らもふたりのアタッカーが同じタイヤで予選を走行したという。メネゼスは、最初のラップでトヨタの接近を許した理由についてこう語る。

「(プラクティスから)僕らはクルマのバランスに苦労していたので、何か大きな一歩を踏み出す必要があると思っていた」

「トヨタに追い越されるのではないかと心配していたから、予選を前にクルマにはかなりの変更を加えていたんだ」

「僕らは後輪駆動だけど、トヨタは四輪駆動。だから僕らは1ラップ目ではタイヤを温めるのに苦労していたんだ」

 メネゼスは一貴に迫られたあと、もう1ラップアタックを敢行。さらにタイムを短縮し、トヨタを突き放すことに成功した。

「次のラップでは、ペースがかなり上がった。けど、もうすこしいけたと思う。その後、ノルマン(ナト)は僕と同じタイヤで素晴らしい仕事をしてくれたよ」

 レベリオンはスパでハイダウンフォースのエアロを使用しているが、トヨタは9月のル・マン24時間レースでも投入するローダウンフォース仕様を選択している。

 トヨタはこのローダウンフォースパッケージに微調整を加え、可能なかぎり多くのダウンフォースとグリップが必要なスパのツイスティなミドルセクターに対し適合を図ったとバセロンは説明する。

「これは確かにル・マン用のパッケージだが、ダウンフォースに関していえば、このパッケージにおけるトップエンドをここスパでは使用する」

「スパでの仕様は、ル・マンにおけるフルウエット時のものに相当する。ダウンフォースが重要なセクター2で見ると、その(レベリオンとの)ギャップは非常に大きなものになっている。

「我々はル・マンに備えるためにこの仕様を走らせている。ドライバーにとっては、ローダウンフォースで耐えることは難しい。だからこそ、ル・マンの前にこのパッケージで一度レースをするのだ」

 バセロンはまた、スパでのレース中に雨が降るという予報が、ローダウンフォースパケージのマシンを危機にさらす可能性が高いことを認めるが、昨年のスパで経験した吹雪が、あらゆる悪条件を乗り越える実力がこのパッケージに備わっていることを証明したとも述べている。

「このパッケージで可能な最大量のダウンフォースに達しているため、(雨が降れば)大変なことになる」とバセロン。

「一方で、昨年のスパでは雨や雪という最悪のシナリオがもたらされたが、それでも我々のドライバーたちはそれらのコンディションを乗り切ってくれた」

「雨は我々にとってチャレンジングだが、我々は昨年、ドライバーが今回の決勝(の予報)よりもさらに悪いコンディションを乗り越えることができると確認済みだ」

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