人間よ、我々の恐ろしさを知るがいい! 超絶極悪な「悪の秘密結社ネコ」とは?

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2020年08月16日 09:01  リアルサウンド

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 これほどまでに無邪気でかわいい妨害を仕掛けてくる生き物は、他にはいないだろうな。猫と接していると、ふとそう思う。求められるがままに大好物のおやつをあげ、新しい猫グッズが出れば使ってくれるかも分からないのに貢いでしまう。私たち猫好きはまるで、猫たちの策略にまんまとハマり、翻弄させられているようだ。


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 猫たちによる人間懐柔術。それがもし、本当に存在していたとしたら……? 『悪の秘密結社ネコ』(ぱんだにあ/イースト・プレス)は、そんな“もしもの世界”を考えたくなる4コマ漫画集だ。


■人間をモフモフ魅了する「悪の秘密結社ネコ」


 本作では悪の秘密結社ネコが、人間たちに猫の恐ろしさを教えるべく、様々な妨害や洗脳を行う。彼らの目的は、人間をモフモフ魅了すること。秘密結社のトップである猫総帥は、知的幹部猫の「クイーン」、マッドサイエンティスト猫の「ドクターニャー」、パワー系幹部猫の「デストロイヤー」など、個性豊かな仲間たちと力を合わせ、すでに取り込んだ人間会員の手も借りつつ、人間たちを猫の虜にしたり、堕落させたりしようと試行錯誤する。


 そんな猫たちから人間を守ろうとするのが、正義の味方・イヌーマン。両者のゆるい闘いは読者の心を和ませる。例えば、イヌーマンは猫が大好きなコタツを用意し、身動きが取れなくなるよう画策するのだが、気持ちよさそうに眠る猫につられ、自分もコタツの中で眠ってしまう。時には、追い詰めた猫総帥にボールを投げられ、思わず走っていってしまうことも……。両者の平和な闘いは、永遠に決着がつきませんように……と願いたくなるほど愛くるしい。


 イヌーマンの目をかいくぐりつつ、悪の秘密結社ネコが行っている人間懐柔術を知ると、ドキッとする。なぜなら、自分も知らないうちに猫たちの策略にまんまとハマっていることに気づかされるからだ。


 テレビや新聞を見ることを妨害される「情報の隔絶」や洋服を毛まみれにする「猫毛作戦」など、本作に記録されている悪の秘密結社ネコの活動記録には心当たりがありすぎる。そんな怖い事実に気づくと、自分がライターとして猫の魅力を布教していることも、悪の秘密結社ネコの思惑通りなのかもしれないと思えてきた。……もしかしたら、我が家の愛猫たちも悪の秘密結社の一員なのかもしれない。


■組織メンバーの意外な一面に涙……


 しかし、本作はただ笑えるだけではない。悪の秘密結社ネコに所属するメンバーたちの素性やギャップ、意外な過去などを知ると、鼻の奥がツンとすることもある。


 中でも、パワー系幹部猫「デストロイヤー」の過去は心に染みた。野良猫だったデストロイヤーは弱肉強食の世界を生き抜く中で、強くなってくそったっれなものを全部ぶっこわせるようなデストロイヤーになると決意。自らデストロイヤーと名乗り始めたのだ。


 そんな時出会ったのが、ひとりのおばあさん。自分のことを「しまおちゃん」と呼び、家に迎え入れてくれたおばあさんはなんだか弱そう。でも、いつも他人やデストロイヤーのことばかりを考えている……。そんな姿を目にするうちに、デストロイヤーは傍から離れられなくなってしまう。自称・最強の男が唯一の弱点だと認めるのは、なんと飼い主なのだ。


 こうした心温まる描写にホロリとしてしまうことも、もしかしたら猫元帥の計画のひとつなのかもしれない。けれど、それでもいいやと思える自分がいる。「ニャー」というひと鳴きを聞けば尽くし、すべてを猫に捧げる生活は筆者にとって幸せだと誇れるものだから。


 人間を洗脳して意のままに操るのに、その人をなぜか笑顔にしてしまう不思議な力が猫にはある。人間界を支配しようとする悪の秘密結社ネコ。その力がより広範囲に及ぶよう、これから筆者も人間会員として尽力していきたいと思う。


(文=古川諭香)


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