今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
クーデター失敗で消えた?「二代目神戸山口組」
思えば、六代目山口組から二次団体の四代目山健組(井上邦雄組長)ほかいくつかの組織の脱退のうわさは、2015年のお盆あたり……つまり今頃から流れていました。その前からゴタゴタはしょっちゅうだったので、私も最初は「まさかあ」という感じだったのですが、オットの兄弟分の「元重鎮」から「割れるで」とだけ短いメールが来て、マジだと悟ったのでした。
あれから5年。誰がこんな展開を想像したでしょう? 井上組長たちが旗揚げした神戸山口組は、8月に入って脱退の動きが続々と報じられています。東スポのように「お盆明けに大きな動き」と煽る新聞もありますが、どうなんでしょう? 離脱者の新団体設立かなとも思いますが、プロレスっぽくなってきましたね。
もうネットにも出ているので書いちゃいますけど、実は、7月の終わりくらいまでは「神戸山口組の井上邦雄組長引退→二代目神戸山口組発足」のうわさが流れていました。18年に中田浩司組長が襲名した五代目山健組が、先代の「井上派」と当代の「中田派」に分かれてしまうことも前代未聞でしたが、いつの間にか「このままだと神戸山口組がなくなる。井上さんに引退してもらって、またひとつになろう」という話になっていたようです。
要するにお金の問題で、井上組長に不満があってこうなったのだから、引退か総裁職かを選ぶよう幹部が迫ったそうです。でも井上組長は断って、「クーデター失敗」となりました。非常におこがましいですけど、同じ立場なら私も断りますね。引退した途端にズドン(と撃たれる)でしょう。
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クーデターに失敗した幹部はもはや引退しかありませんから、どんどん引退していて、神戸山口組は自然消滅とまでいわれています。まったく想定外でしたが、「いずれは(四代目山口組の襲名に不満を持った離脱者で結成された)一和会のようになる(=解散する)」とは、神戸山口組の結成当初からいわれていました。まあ、それは冷静な分析というよりは「ケッ。ふざけやがって」的な感じかなと思っていたのですが。
さて、これからどうなるのでしょうか?
「確定情報」とされているもののひとつに、神戸山口組を「円満に」脱退したと表明している池田孝志組長率いる池田組と、17年に神戸山口組を離脱して現在の絆會を結成した織田絆誠(よしのり)代表の合流があります。
池田組は資金力で定評があり、神戸山口組設立の際にも相当お金を出したといわれていますが、六代目山口組との抗争でカエシ(報復)をさせない井上組長に不満があったといわれています。池田組は、六代目山口組のヒットマンから16年5月に当時の若頭を射殺され、今年の5月にも若頭が銃撃されていますから、怒り心頭ですよね。
一方で、織田代表はもともと井上体制に不満があって割って出たのですから、「敵の敵は友」となったのでしょう。そのほかの五代目山健組の離脱者の中にも、合流がうわさされている関係者もいるようです。
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もちろんこうした動きを六代目山口組が容認するわけもなく、これからは新団体も抗争のターゲットと十分なりえます。すでに「山口組分裂抗争の長期化」がいわれていますが、これはどうでしょうね? マスコミも煽りすぎの気がします。