欅坂46 大園玲、新メンバーの中で早くも頭角現す? “メモ芸”の文章センスやお悩み相談での一コマから考察

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2020年08月19日 06:01  リアルサウンド

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欅坂46『欅共和国2019』(通常盤)

 先日放送された『欅って、書けない?』(テレビ東京)は、お嬢様キャラの座を争う「真のお嬢様はどっち?」。欅坂46に2人いるお嬢様キャラのメンバーが、これまでのエピソードやアンケートをもとに真のお嬢様はどちらかを決めるというもの。お嬢様2人に対して“下々の者たち”として登場したメンバーたちの活躍ぶりもあり、番組は大いに盛り上がりを見せた。


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 そして秀逸だったのが、最後に「今日の大園メモ」として、まるでレギュラーコーナーのように振られた大園玲によるメモの読み上げのシーンだ。収録で起きた目ぼしいトピックを彼女なりにまとめてひと言で表すこのスタイルは、ここ最近の同番組の鉄板ネタとして定着しつつあり、その度に笑いをかっさらってきた。こうした点からも、新加入のメンバーの中ではいち早く頭角を現した感のある大園。今回はそんな彼女に注目したい。


 大園は、2000年4月生まれの鹿児島県出身。身長は163cm。2018年に開催された「坂道合同オーディション」の合格者のうち、すぐには配属されなかった“坂道研修生”として活動をスタートしている。欅坂46に加入したのは今年の2月のこと。番組初登場の際には鹿児島特有のなまりの強さをいじられるなど、地方出身ならではの素朴な雰囲気が魅力だ。


 また、かねてより欅坂46の「エキセントリック」に救われたと口にしていた彼女(参照:https://realsound.jp/tech/2018/08/post-237180_2.html)。その真意については、以下のブログで確認できる。


大園 玲公式ブログ「私は4月18日生まれの1人なので、昨日18日に」(https://www.keyakizaka46.com/s/k46o/diary/detail/33422)


 20歳になった彼女が学校生活などを振り返り、「エキセントリック」の歌詞の主人公に共感していった様子が丁寧に綴られている。彼女も書いている通り、普通に話したら暗くなってしまいそうな内容だが、独特の言い回しや「脳内流行語」といった独自のセンスによって、記事の印象としてはそこまで重くならず、むしろ全体的なトーンは明るさを保っているように思う。こうした文章センスにも現在の彼女のブレイクの兆しが表われていた。


 晴れて欅坂46に加入できた大園だが、それとほぼ同時期に新型コロナウイルスが世の中を襲い、グループは思うように活動ができなくなってしまう。握手会は当然のこと、番組もリモート収録となり、緊急事態宣言が解除された後も「新しい生活様式」での活動を余儀なくされる。そんな状況で誕生したのが“メモ芸”だった。


 発端となったのは、新加入メンバーに先輩たちがアドバイスをする企画でのこと。先輩のアドバイスを聞きながら収録中も丹念にメモする新二期生たち。そんな彼女たちに「司会の2人と話したいことはあるか」と振られた際、恐る恐る大園が手を挙げ、ハライチ澤部に対し「コンディショナーしますか?」と渾身の質問を投げ返す。この突拍子もない質問に澤部はしぶしぶ答えると、咄嗟に大園はメモし始めた。その内容を聞かれると「コンディショナーをしたら坊主は柔らかくなる」とコメント。そのあまりの無意味さに、スタジオ含め画面越しのメンバーたちも笑いに包まれた。収録の最後にも「漫才の時は腕時計を外せ」と秀逸なオチを披露した大園。これには司会の2人も爆笑し「できるなお前!」と絶賛の様子だった。


 普段とは違った間合いやリズムで会話が進むため、特殊な瞬発力が求められるリモート収録。その中で、彼女の独特の文章センスがバラエティ的な正解へと結実したのが、まさにこの“メモ芸”だったのだ。


 また、普段からおっとりとしていて、落ち着いた雰囲気があるのも特徴のひとつ。そうした一面が非常に魅力的に表れたのが、「澤部賞タイマンバトル」の企画でお悩み相談をしたときのことだ。優柔不断だという澤部の悩みに対し、彼女は「なおさなくていいと思います」とひと言。そしてこう続けた。


「芸人さんという道を選ばれたり、奥さんとご結婚されていたり、人生において重要な場面ではきちんと決断されているので、日常生活の小さなことで迷ってしまう自分を責めずに、選択肢にあふれている人生を楽しんでください」


 この言葉は、相談した澤部のみならず、それ以外のメンバーや視聴者の心にも刺さる力があったのではないだろうか。心理学を勉強しているという彼女ならではの鋭い分析力と、彼女のやさしさの滲み出た肯定力とが合わさり、ファンからも「これで好きになった」との声が上がっていた。


 グループに新鮮な空気を注ぎ込むフレッシュな新加入のメンバーたち。大園をはじめとした新二期生のメンバーたちの、これから発掘されていく新しい魅力に今後も注目したい。(荻原梓)


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