立川志らくが『グッとラック!』で“偽史”確定の「江戸しぐさ」デマを堂々喧伝! 批判殺到も「素晴らしい文化を消し去るのか」と開き直り

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2020年08月26日 11:20  リテラ

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リテラ

写真『グッとラック!』番組HPより
『グッとラック!』番組HPより

 あの立川志らくが、またぞろTwitterで炎上している。志らくといえばご存知、“反ポリコレの頑固オヤジキャラ”を気取って雑な発言をテレビで連発中の落語家だが、そうした発言が視聴者から批判されるとSNSで逆ギレ、たびたびTwitterが炎上することに定評がある御仁。今回、志らくがお得意の“逆ギレ癇癪芸”を見せているのは、MCを務める『グッとラック!』(TBS)で、有名なフェイクである「江戸しぐさ」をさも事実かのように言いふらしたことが原因のようだ。



 8月21日の放送でのこと。番組では、連日の猛暑対策として「日傘」を特集したのだが、スタジオで志らくは「江戸時代に男性の日傘は一回禁止になった」などとコメント。続けて、“人とすれ違うときには雨傘を傾ける”などと語りながら「江戸しぐさと言うんですよ」などと自信満々で発言したあげく、「だが日傘だと江戸しぐさをしないから江戸っ子はぶつかって喧嘩になったので、日傘の禁止令が出た」なる“珍解説”を披露したのである。



 念のため言っておこう。ここで志らくが語っている“お互いに傘を外側に傾けて、相手の体に傘の雫がかからないようにする”というのは「傘かしげ」と言われ、「江戸しぐさ」なるものの代表例とされているが、これはとっくのとうに「近年に創作された偽史」であることがバレている。数年前に“江戸時代に学ぶマナー”なる文脈でブームになった「江戸しぐさ」だが、それ自体、ようは“捏造”されたものなのだ。



 偽史・偽書の専門家である歴史研究家の原田実氏によれば、「江戸しぐさ」は1980年代に提唱されはじめた現代の創作で、実際の江戸の風ぞくとはかけ離れていた。2014年には文科省が作成・配布した道徳教材「私たちの道徳」に掲載されるなど教育現場にまで広まっていき、大きな物議を醸していたのだが、この原田氏の検証をはじめとして、今では「江戸しぐさ」は“トンデモ嘘歴史”という事実が一般にも知れ渡っている。たとえば、志らくが番組で披露した「傘かしげ」についても、原田氏は〈誤解に基づく創作〉と断じ、〈実際の江戸の生活では実用性がない上、傍迷惑になりかねないしぐさだったということだろう〉と分析しているとおりだ(『江戸しぐさの正体』星海社新書、2014年)。



 にもかかわらず、志らくはよりにもよって全国放送の情報番組で得意げに「江戸しぐさ」を語ってしまったのである。そりゃあ、Twitterで「デマだ」とツッコミが相次いだのも当然だろう。ところが、志らくはそうした指摘に逆ギレし、こんなツイートを放ったのだ。



〈グッとラックでの江戸しぐさ。デマだとか都市伝説だと言う人がいるが、学術的に証拠がなく近代において広まった言葉と言われている。でも私は細い路地で譲り合うとかそういった文化は間違いなく下町の東京にはあったし江戸時代にもあったと思う。素晴らしい文化だからデマの一言で消しやるのはどうなの〉(8月21日)



 意味不明な開き直りとしか言いようがないだろう。これには、一般ユーザーからも〈落語家が『江戸しぐさ』を真に受けるなんて、プロ野球選手が『大リーグボールは本当にあった。あれは素晴らしい投球だ』と本気で信じてるくらい恥ずかしい話〉などとツッコミが相次ぎ、さらには前述の「江戸しぐさ」の虚構を徹底検証した原田実氏も〈問題は「江戸しぐさ」の内容およびその創始者が語る江戸文化は鉄道や電話機や冷蔵庫や洋傘の普及を前提に成立していることですね。「江戸しぐさ」の中で江戸時代に「本当にあったもの」で確認できているのは「むくどり」という軽佻浮薄な人を揶揄する言い回しのみ〉と反応した。



●デマを否定できなくなると“江戸しぐさはわからないが日本人の美しい譲り合いはあった”とすり替えた志らく



 しかし、それでも志らくは、こんな反論にもなっていないトンデモツイートを連発したのである。



〈デマというのはいい加減な噂話、事実に反する先導的な宣伝。江戸しぐさは思いやり。席を譲る時の腰を浮かせたりする仕草、細い路地で傘のしぶきが相手にかからないように傘を傾ける仕草など。歴史的にその事実があったかどうかわからないから教科書からも割愛された。でも江戸っ子らしい文化。〉

〈確かに教育現場にこれが持ち込まれる事は危険です。私が申し上げたのは日本人の美しい譲り合いの文化はきっと昔からあったであろうという事。他に意味はありません。江戸しぐさという表現が誤解を招くなら日本しぐさ、譲り合いの文化と表現します。〉(8月21日)



 この人、いったい何を言っているのだろうか。捏造された歴史を根拠に「日本人の美しい文化」なるものを称賛していたことを批判されたのに、今度は“それがデマでも日本人の美しい譲り合いの文化は昔からあったはず”って……。頭が悪すぎて呆れてしまうが、いずれにしても、この落語家はそうした安易な日本礼賛の虚偽宣伝がいかに危険であるかがまったくわかっていないらしい。あげく、こんな捨て台詞まで吐いている。



〈最後に。番組で江戸しぐさを擁護したわけではない。日傘の話をしただけ。そして譲り合いの文化は美しいねと話しただけ。それを批判するという事は譲り合うの精神を否定することになるよ。イチャモンはミュートするからもう読まないよ。ドラゴンズのツイート書く時間がなくなるから。〉

〈水戸黄門や遠山の金さんを教科書に載せていたようなもの。これは歴史上事実でないから削除しましょう、となった。そこで私があの時代劇は面白いよ、タメになるよと言ったら、歴史上間違ったものを褒めるのはとんでもない!と絡まれた。そんな出来事でした。おしまい。〉(8月21日)



 デマを指摘されて逆ギレ、「イチャモン」扱いして逃げようとした志らくだが、Twitterではその情報番組MCとは思えない姿勢にも批判が相次いだ。〈江戸しぐさ警察が多くて笑ってしまう〉と志らくは謎の上から目線だが、もはや笑うしかないのはこっちのほうである。実際、22日になると、続々と寄せられる真っ当な指摘が相当こたえたのか、こんな連投を始めたのである。



〈銭形平次も本当にあったんだぞ^ ^銭を投げすぎて生活苦に陥って、平次が銭を投げようとしたら妻が袖にすがり付いてそのお金は今夜のお米を買うお金だからお前さん、投げないでおくれ、代わりに石を投げておくれと言った。すると平次が江戸しぐさには石を投げるなんて美学はないんだ!〉

〈遠山の金さんのお裁きも本当に刺青をみせていたんだぞ^ ^この桜吹雪に見覚えがないのか!と片肌を脱いだら、罪人が、見覚えありません!と言って、金さん、真っ赤になっちゃたんだぞ。それ以来桜吹雪を見せないのが江戸しぐさになったんだぞ。〉

〈桃太郎侍も本当にいたんだぞ^ ^桃太郎は明治以降に出来た御伽話だから桃太郎侍といっても江戸時代では誰にも伝わらなかったんだ。でも悪代官は驚いてあげたんだ。その悪代官の仕草が江戸しぐさといわれたんだぞ。〉

〈破れ傘刀舟も本当にいたんだぞ^ ^テメェら人間じゃねぇ!叩き斬ってやる!と言いながらネズミなどの害虫駆除をやっていたんだ。その姿が謙虚で江戸っ子はそれを江戸しぐさと呼ぶようになったんだ。〉



●志らくに改めて教えておきたい!「江戸しぐさ」のような嘘歴史はなぜ批判されねばならないのか



 この人の頭の悪さは重々承知だったが、それにしてもここまでとは……もはやどうかしているとしか思えないではないか。こんなお寒いツイートがまだまだ続くのだが、あまりにもしょうもないので省略。ただ、暴走している志らくのために、「江戸しぐさ」のようなトンデモ嘘歴史がなぜ批判されねばならないのかについては、あらためて言っておこう。前述の原田氏は著書でこう述べている。



〈「江戸しぐさ」問題というのは、つまるところ虚偽が歴史的事実として教育現場で通用していることの是非を問うものである。〉

〈嘘を嘘と知りつつ道徳の教材に用いるのは、それ自体が反倫理的な行為である。嘘でも内容的にはいいことだから道徳に使っても差し支えない、という意見に対してはこう答えざるをえない。〉

(『江戸しぐさの終焉』星海社新書、2016年)



 嘘の歴史を、権力者やメディアなど大きな影響力を持つ者たちが利用するとき、その危険性があらわになる。原田氏は『江戸しぐさの終焉』のなかで、「江戸しぐさ」流行の背景に高橋史朗氏らが提唱するトンデモ疑似科学「親学」の存在を指摘しているが、その「親学」はまさしく、安倍首相周辺ら右翼勢力にとって戦前の父権的家族観や「家制度」のような思想を復権させるための理論となってきた。



 だが、おそらく志らくには、そうした偽史やトンデモを吹聴することの危うさへの意識はまったくない。もっと言えば、この人の発言からは一種の思想的なものすら感じられない。だからこそ、かえって致命的なのだ。



 社会に対する影響力に無自覚で、自分の無謬性を頑なに信じ、批判を受ければ逆ギレして誰も相手をしたくなくなるまで意味不明なことをがなりたてる落語家。こういう人物が情報番組のMCとなり、“朝の顔”としてお茶の間に浸透している事実を、私たちはもっと深刻に捉えたほうがいい。

(編集部)


このニュースに関するつぶやき

  • 志らくは、もうええ加減なんだから寄席で落語だけやってりゃいいのに。テレビ局よ、あんなヤツ使うな。
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  • それを書いた人も江戸時代を知ってるわけじゃなかろうに。
    • イイネ!26
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