フィギュア本田姉妹のYouTubeが1500万再生、トレンドの逆を行く“素人編集”で原点回帰?

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2020年08月27日 08:40  ORICON NEWS

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写真コロナ禍を受けて、6月にYouTubeチャンネルを開設した本田姉妹(C)ORICON NewS inc.
コロナ禍を受けて、6月にYouTubeチャンネルを開設した本田姉妹(C)ORICON NewS inc.
 フィギュアスケート選手の本田真凜(19)・望結(16)・紗来(13)によるYouTubeチャンネル「本田姉妹やで」が、わずか7 投稿で1500万再生を突破している。バラエティ番組にも多数出演しており、メディア慣れしている3人なだけに、『あの本田姉妹が4 回転ジャンプに挑戦!?』『本田姉妹が◯〇やってみた』的なド派手なサムネイルが並ぶかと思いきや、初投稿は『なわとび』、続いて『たい焼き』、さらには『タマネギ』…と、あまりにもシンプルすぎるタイトルと内容。ビジュアルや仲良しっぷりはもちろんだが、彼女らの無垢さと相まった飾らない編集が逆に受けているようだ。トップYouTuberに倣い、いまや企画や編集が画一化しつつあるYouTubeだが、本田姉妹に見る新たな可能性とは。

【動画】全投稿100万再生超!タイトルもサムネイルもシンプルすぎる本田姉妹YouTube動画集

■タイトルは『たい焼き』の4文字、シンプル編集でも約400万再生の驚異の訴求力

 本田姉妹は各自でInstagramも開設しており、3人の総フォロワー数は約150万に及ぶ。それぞれの投稿でも姉妹の仲の良さとかわいらしさが評判だったが、コロナ禍を受けて3人のYouTubeチャンネル「本田姉妹やで」を開設。「今の時期だから3人揃ってる。一緒にいられる時間が多くて今しかできないことが私たちにはたくさんあるので、皆さまに少しでもパワーをお届けできないかなということで」と、YouTuberデビューを果たした。

 本田一家は1男4女だが、「本田姉妹やで」ではかねてからメディアに出演している真凜・望結・紗来の3姉妹がそろって出演。相変わらずの仲良しっぷりで、姉の真凜・望結が末っ子の紗来に対して、毎回「かわいい」を連発する姿も微笑ましく、そんな3姉妹の姿に「全員可愛すぎてしんどい」「最強に癒される」「ずっと見てられる」などのコメントが殺到。初投稿『なわとび』は330万超、2投稿目『たい焼き』は390万超、3投稿目『タマネギ』は220万再生超…と、全7投稿が100万回を超えるという驚異的な再生数を伸ばしている。

 動画の内容はタイトル通り、3人がなわとびをしていたり、たい焼きを作って食べたり、タマネギを調理するだけである。そのあまりに狙わなさすぎるタイトルに、「YouTubeのタイトルって文字数制限4文字だっけ?」「タイトルで釣ろうって考えが1ミリも感じられなくて逆にみてしまう」「2秒くらいで考えられそうなタイトル好き」等、好意的な意見が寄せられている。

 また、多くのYouTuberが最重要視するサムネイル(動画一覧ページにある再生前の静止画面)も、3人の決め顔でもなく、よく見る“何かが起こりそう”な場面、つい見たくなるカット、スポーツ新聞の見出し的な派手なキャッチもなく、まったく飾らない自然体の彼女たちが映し出されている。

 編集は一番年上の真凜が担当しているとのことだが、3投稿目『タマネギ』では、料理名も明かされずに調理が始まり、最後まで手元も映らず、何の料理も完成しない前代未聞の展開。しかも、最後まで3人ともそのことに気づかず動画は終わる。これに対しても、ユーザーの反応は「史上最も手元が映らない料理動画。でもなんの問題もない」「全てがどうでもよくなるかわいさ」「生まれて初めて玉ねぎになりたいと思った」「他のYouTubeの動画は倍速で見てるが本田姉妹は等倍でみてる」と、やはり温かい。

■YouTubeもマスメディア化で“ごてごてサムネイル”に辟易? 本田姉妹が風穴となるか

 過熱する「本田姉妹やで」人気は、もちろん3人とも可愛いことが一番の理由だろうが、彼女たちの純粋無垢さを象徴するかのような飾らない編集で、YouTubeの本来の魅力である“素人感”がより引き立っているからではないだろうか。実際、当初のYouTubeはテレビではできないゲーム実況や、過激な内容の『やってみた』系などにあふれる“素人っぽさ”が醍醐味だった。見る側も、等身大で同じ視点を感じてYouTuberに感情移入していたわけだし、素人ならではの編集の粗さも新鮮だったのである。

 しかし、最近は多くのテレビタレントがYouTubeに参入し、YouTube向けの動画制作会社やプロの編集者に外注するケースが続出。サムネイルは引きのあるキャッチーな文言で埋め尽くされ、タイトルも煽り表現や“匂わせ”ワードが並べられ、アスリートYouTuberですらプロに頼んでいるであろう編集が見受けられる。

 こうした“プロ編集仕様”には、どうしても再生回数を伸ばしたいという私欲が見え隠れし、最近ではタレントがYouTubeに進出しても「テレビではできない自分のやりたいことを表現したい」というよりも、「お金儲け目当て」「広告稼ぎ」などと捉えられてしまい、広告なしの動画が称賛されることもしばしばだ。

 ちなみに、先月放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)では、霜降り明星・粗品がAKB48・柏木由紀のYouTubeチャンネル「ゆきりんワールド」に対し、「『柏木由紀 セクシー生着替え』というタイトルに惹かれてクリックすると、サムネイルの彼女の写真全身にモザイクがかけられ、ますます興味をそそられて動画を開くと、単なるファッションショーだった」と苦言。柏木自身も「動画に変な間があった」との指摘に、「YouTubeって動画の尺が10分以上だと、広告がより多く間に挟めるので収益の効率がいい」と解説しつつ、この動画も「10分6秒だった」と暴露している。

 対する「本田姉妹やで」の動画は、ことごとく“私欲”を感じさせない。初投稿の『なわとび』こそ再生時間14分54秒だが、『たい焼き』4分59秒、『タマネギ』4分56秒とかなりの無頓着ぶり。シンプルなタイトル、すっきりとした自然体サムネイル、カット割りの少ないありのまま編集で、ただただ仲が良い家族の“ホームビデオ”を見ているような感覚なのである。そして、初回投稿『なわとび』のラストでは、「こんばんは!真凜です ご視聴いただきありがとうございます! 私のヘンテコな編集で見づらかったと思います、ごめんなさい でも編集中に画面に映る望結紗来の愛らしさに、私は幸せいっぱいでした 楽しんで見て頂けていたら嬉しいです」と、なんとも本田・姉らしいコメントで締めくくられている。

 過剰なタイトル、強烈なインパクトのサムネイル、カット割り+効果音+テロップ連発というゴテゴテ編集があふれ、すっかり画一化されつつあるYouTube。かつては、そうした煽り文句や大げさ編集に辟易していた“テレビ嫌い”の多くがYouTubeに流入していたはずだが、YouTubeがマスメディアになりつつある今、結局は多くのプロが素人領域に参入し、YouTubeならではの個性が失われつつあるようだ。そんな中、「本田姉妹やで」の純粋無垢な動画は“マスYouTube”の風穴となり、あらためて新鮮な風をもたらしてくれるのかもしれない。
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