「荻野不在」のピンチをチャンスに! “ロッテの1番”に新たな光

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2020年08月27日 12:14  ベースボールキング

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ベースボールキング

ロッテの福田秀平(C) Kyodo News
◆ FA戦士・ベテラン・新星がそれぞれ存在感を発揮

 マリーンズ不動のトップバッター・荻野貴司が、7月23日に「右大腿二頭筋の軽い筋損傷」のため一軍登録を抹消。それ以降、チームは“1番打者”が課題となっていたが、ここへきてトップバッターが機能し始めている。

 現在“ロッテの1番打者”は5試合連続安打中、さらに3試合連続で複数安打中だ。ただし、この期間はすべて同じ選手が1番を務めたわけではない。

 21日と22日のソフトバンク戦は育成出身の和田康士朗が、23日のソフトバンク戦と26日の楽天戦は今季から加入した福田秀平が、そして25日の楽天戦はベテランの角中勝也が1番を任されている。

 「1番・荻野」の穴を誰か1人がカバーするのではなく、現在は福田秀と角中、和田の3人で補う形。それが今は好結果を生んでいるといえそうだ。


【直近5試合・“ロッテの1番打者”の成績】
▼ ソフトバンク戦
21日:和 田(4打数2安打)
22日:和 田(4打数1安打)
23日:福田秀(5打数2安打)

▼ 楽天戦
25日:角 中(5打数2安打)
26日:福田秀(3打数2安打)


◆ 和田が1番で存在感

 荻野が一軍登録を抹消された直後の10試合を振り返ってみると、福田秀が9試合、角中が1試合で1番を務めたが、この時は打率.158(38−6)という成績。1番で打率.340(103−35)をマークしていた荻野の不在が大きく感じるほどだった。

 それが8月に入ると、角中と福田秀の1番が徐々に機能しはじめ、チームも再び上昇ムード。その勢いをさらに加速させたのが、和田康士朗だ。

 8月16日の日本ハム戦。開幕から“代走の切り札”として起用されていた男は『1番・センター』でプロ初のスタメン出場を果たすと、第1打席にセンター前へのプロ初安打を放ち、続く中村奨吾の初球に二盗に成功。その後、井上晴哉のセンター前ヒットで先制のホームを踏んだ。

 この日の和田は3安打・3盗塁・3得点と、切り込み隊長としての役割を果たし、チームの勝利に大きく貢献した。

 この活躍をきっかけに、6試合連続で『1番・センター』で出場。19日のソフトバンク戦では1安打・2四球・2盗塁。21日のソフトバンク戦でも2安打をマーク。

 ここまで1番で6試合に出場して打率.318・5盗塁・5得点で、出塁率は.423という好成績を残している。


◆ 福田は1番で2戦連続マルチ

 荻野の離脱後、最も多い15試合で1番を打っているの福田秀平は、1番に座った直後は安打こそ放ちながら、なかなか複数安打を記録することができなかったが、『1番・センター』で出場した13日の日本ハム戦で移籍後初のマルチ安打をマーク。

 試合後、井口監督は「この何日かボールが見えていた。塁に出れば機動力が使える選手。走れる選手がいないと、なかなかチームとして回っていかない」と、活躍を讃えた。

 翌14日の日本ハム戦でもマルチ安打を放ち、15日の日本ハム戦は無安打に終ったが、1番に復帰した23日のソフトバンク戦と26日の楽天戦はいずれも複数安打。

 26日の試合では、初回の第1打席で涌井秀章の初球を捉えるライトへの二塁打でチャンスメイクすると、続く2回の第2打席では今季負け知らずだった涌井秀章からライトへ本塁打を放った。

 荻野の離脱直後に1番を任された際の打率は.230(61−14)だったが、直近5試合は打率.400(20−8)だ。


◆ 角中は粘りの打撃

 そしてもう一人、1番に入って奮闘を見せているのが、角中勝也。2度の首位打者経験を持つ男は、上述の2人とは違って俊足タイプではないが、彼らとはまた違った味を出している。

 その良さが発揮されたのが、8月25日の楽天戦。『1番・指名打者』で出場したこの日は初回の第1打席こそ中飛に打ち取られるも、先発・弓削隼人に7球を投げさせると、第3打席も見逃し三振に倒れながら、酒居知史に10球を投げさせる粘りを見せた。

 さらに7−4とリードした7回、二死二塁で迎えた第5打席では、2ボール・1ストライクから近藤弘樹が投じた4球目、やや真ん中に入ったストレートをレフトへ弾き返す適時二塁打。この日は6打席に立って2安打・1四球。しっかりと結果を残しつつ、楽天投手陣に対して「34球」も投げさせることに成功した。

 振り返れば、荻野が故障で離脱した2018年は、故障前まで39勝37敗2分と勝ち越していながら、離脱後に20勝44敗1分と大きく負け越したことが、今季は荻野が離脱した後も17勝11敗2分と勝ち越している。

 マリーンズの攻撃において欠かすことのできない荻野が不在でも、それぞれの選手が持ち味を発揮。チームの勝利のため必死に“1番打者”を全うしていることが、好調の要因のひとつだと言える。

【荻野離脱以降・ロッテの1番打者成績】
▼ 福田秀平
15試 率.230(61−14)本3 点3 盗0 出塁率.299

▼ 角中勝也
9試 率.235(34−8)本0 点1 盗1 出塁率.333

▼ 和田康士朗
6試 率.318(22−7)本0 点0 盗5 出塁率.423


文=岩下雄太

このニュースに関するつぶやき

  • 角中?不良債権。福田?期待を大きく裏切ったな。福田はSoftbankと同じ代打要員でいい
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