伊藤健太郎、躍進支える高校時代の潔い覚悟「第二の何かを作りたくなかった」

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2020年09月02日 07:00  ドワンゴジェイピーnews

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人気実力を兼ね備えた若手人気No.1。手垢のついたこの惹句以外にしっくりくる言葉が見つからない。俳優の伊藤健太郎の快進撃はそれだけ凄まじい。今年公開の映画は現時点で6作。朝ドラデビューも果たした。9月4日公開の映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』では、中学生の大石つばめ(清原果耶)が憧れる隣の大学生・浅倉亨を、持ち前の爽やかさ全開で好演している。伊藤自身は大学進学を選ばず、俳優業に専念することを決めた。「勉強が面倒くさかったから!」と笑い飛ばす伊藤だが、本当のところは「逃げ道を断つ」という覚悟があった。


「大学全入時代」と呼ばれた平成後期。10代から活動する芸能人の中にも、仕事と学業の両立を選択して二足の草鞋を履くケースも多い。地元の友達との絆を大事にする伊藤にも同年代と同じ道を歩む選択肢だってあったろう。「高校卒業後の進路を決めるときに、もちろん周囲からは『大学に行くべきだ』と言われました。僕としては『考えてみるよ』とは言っていたものの、最初から一ミリも大学に行こうという気持ちはありませんでした」と打ち明ける。

「これは僕の性格の話になってしまいますが、俳優業以外の第二の何かを作りたくなかった。大学に行っていたら、役者としてダメだったとしても一応の学歴があるからなんとかなるだろうと思ってしまいそう。そうなると気持ちが緩んでしまうのではないかと。これまでアルバイトをしてこなかったのも同じ理由からです。役者としての仕事がなくなってもバイトがあるから大丈夫だと思ってしまいそうだから」。

駆け出しの高校時代に役者で生きる覚悟を決めて退路を断った。「その時に見えたのが『満足したら何事も終わる』ということ。僕は何事もある程度そつなくこなしてきていました。でも俳優の仕事だけでは唯一できなかった。だからこそ、心に引っかかった」と当時の心境を振り返る。



10代で抱いた「一生やっていく仕事だと腹を括った」気持ちは今も変わらない。「僕は好奇心旺盛であれもこれもやりたいタイプ。この仕事は色々なことができるし、色々な人に出会うことができる。いまだに毎日が刺激的。本当に贅沢なお仕事です」。役者業のほかラジオパーソナリティも務めた。可能性を実感している。

近年は別作品が同時進行という状況も増えた。「頭の整理をつけるのは意外と得意。現場に行ったら作品ごとにチームが違うので、その人たちの顔を見るとスッと切り替えられる」とさすが器用。与えられる役柄の個性がそれぞれ違うのも整理の一助になっている。「役者をやる以上は同じようなキャラクターを演じ続けるよりも、色々な幅を持って様々な役柄を演じたいという思いがあるので、様々な役柄として自分を求めてくださる場所があるのは嬉しい。そのための努力も必要ですが」と充実した表情だ。

『宇宙でいちばんあかるい屋根』は、小説すばる新人賞受賞作家・野中ともそによる同名小説の映画化。14歳のつばめが星ばあ(桃井かおり)と出会ったひと夏の奇跡を描く。伊藤はバンジョーに初挑戦。「ギターのようにストロークではなくて、アルペジオスタイルで弾くので、頭と指先が追い付かない。指導の先生が楽譜を丁寧に書いてくださいましたが、頭で理解して覚えるのは無理だと体で覚えました」と苦戦も器用さでカバー。役を演じながら弾かなければならず「指も体も頭も動かして、もはや脳トレ。撮影中は脳みそも相当研ぎ澄まされていたはず」とユーモア交じりに思い出す。

コロナ禍での劇場公開。撮影時とはまた違った感慨が付加された。「コロナ禍ではない時も脚本を読んで家族の大切さや人との繋がりの大事さを感じましたが、今の状況になってよりそれを感じた。この作品に参加できた喜びを感じると同時に、素敵な共演者の皆さんの中に並んで自分の名前が入っているというのも嬉しい」と改めて手応えを噛みしめている。



文:石井隼人

写真:稲澤朝博



映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』

9月4日(金)全国公開

出演:清原果耶 桃井かおり 伊藤健太郎 水野美紀 山中崇 醍醐虎汰朗 坂井真紀 吉岡秀隆



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