Jリーグ月間MVPを独自選考。オルンガに競り負けたFWが新天地で開花!

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2020年09月04日 11:12  webスポルティーバ

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スポルティーバ厳選! Jリーグ月間MVP

7月のMVPはこちら>>

 Jリーグ(J1)は、13節までが終了。猛暑のなかの連戦で各チーム奮闘中だ。川崎フロンターレの連勝は止まったが、依然首位を快走中。そして、勝ち星を重ねてひたひたと順位を上げてきているチームもある。

 スポルティーバ編集部では先月に引きつづき、Jリーグを取材している識者5人に、月間MVPの選定をしてもらった(8月度/第10節〜13節)。




 5人の識者にMVP候補を5人、順位をつけて選んでもらい、1位5ポイント、2位4ポイント......5位1ポイントという形で、ポイントを集計し、合計ポイントでMVPを決める。

 集計の結果、8月度のMVPは、横浜F・マリノスのジュニオール・サントスに決定した。




 柏から横浜FMに移籍したジュニオール・サントスは、3試合5ゴールとインパクト十分の大活躍。横浜FMの順位アップに貢献した。

 また、先月のスポルティーバMVPで、依然として高い得点力を見せている柏のオルンガが2位。川崎のスーパーサブとして大活躍の三笘薫も、同ポイントで2位だった。ほかにも各チームの外国人ストライカーがランキングに名を連ねている。

 ではここからは各識者の選考ポイントを紹介。最近の活躍している選手をチェックしていこう。

外国人ストライカーの活躍が目立った

杉山茂樹氏(スポーツライター)

1位 ジュニオール・サントス(横浜F・マリノス)
2位 オルンガ(柏レイソル)
3位 エヴェラウド(鹿島アントラーズ)
4位 レオナルド(浦和レッズ)
5位 西大伍(ヴィッセル神戸)

 先月末11位だった横浜FMが、順位を6位まで上げた。チームを勢いづかせた選手は今季途中、柏から移籍してきたジュニオール・サントス。初先発した清水エスパルス戦2発、サンフレッチェ広島戦1発、そしてコンサドーレ札幌戦2発と、3戦して5ゴールの活躍を演じた。

 独走する川崎に昨季の覇者、横浜FMがどこまで迫れるか――という、訴求力の高い関心を提供した意義は大きい。今月、最も価値ある活躍をした選手(MVP)と評価したい。

 2番手は柏のオルンガ。8月も7月と同様、6試合で6ゴールをマークした。なかでも印象的だったゴールは鹿島戦で挙げた2点目。1点目と同じ右45度から左足で狙ったシュートだったが、パンチ力が凄まじかった。ワンステップで蹴ったにもかかわらず、恐るべき弾道で鹿島ゴールに吸い込まれた。

 3番手は鹿島のエヴェラウド。7月末の7節まで、清水と並んで最下位だった鹿島が、9位まで順位を巻き返してきた理由は、この選手の存在抜きには語れない。この何年かの鹿島にやってきたブラジル人のなかで、最もクオリティの高いアタッカーだ。

 滞空時間の長いヘディング。パンチ力のある右足キック。本格派でありながら右に流れても、左に流れても、ドリブルで局面を打開する技巧、多機能性を備えた万能型ストライカーだ。

 4番手は浦和のレオナルド。今季の得点9はオルンガに次いで2位。新しくなった浦和レッズの攻撃スタイルに、ハマっている印象だ。

 そして5番手は、8月26日の川崎戦で、山口蛍からのクロスを右足で合わせた西大伍だ。美しい洒落たゴールとして、特筆したい。

 全体として、外国人ストライカーの活躍が目立った月だ。DAZNマネーの影響か、一頃に比べ、その質は確実に上がっている。日本人ストライカー、頑張れと言いたくなるが、これは両立が難しい、痛し痒しの問題であることも事実。まずは外国人ストライカーを讃えることにしたい。

識者5人の今季J1全順位予想はこちら>>

松尾佑介から目が離せない

小宮良之氏(スポーツライター)

1位 松尾佑介(横浜FC)
2位 ディエゴ・オリヴェイラ(FC東京)
3位 三笘薫(川崎フロンターレ)
4位 ランゲラック(名古屋グランパス)
5位 坂元達裕(セレッソ大阪)

 松尾佑介は昇格組、横浜FCの3連勝の立役者となっている。

 10節には、湘南ベルマーレ戦で裏に抜け出すと、スピードでディフェンス全員を置き去りにし、GKも外し、楽々とゴールを決めた。また、右からのクロスを呼び込むと、完璧なコントロールから左足でニア上を撃ち抜いている。

 スピードと技術の融合は顕著だが、なによりタイミングの取り方が傑出。11節には、鹿島を相手に違いを見せている。左サイドでふたりを引きつけ、チャンスメイクし、混戦からゴールが決まった。

 12節、清水戦では相手DFを誘い込んでからトップスピードで抜き去り、自然体で足を振り、ゴールネットを揺らした。13節も、堅牢なC大阪に一撃を浴びせ、孤軍奮闘。そのプレーには力みがない。代表や海外移籍は秒読みだろう。

 ディエゴ・オリヴェイラは8月、先発出場した試合は負けなしで、「東京の戦術」と言える。ゴールだけではなく、ゲームをつくって、試合を動かしている。左サイドを中心にテンポを出し、それは昨シーズン前半、久保建英がしていた役割に近い。レアンドロとの相性もよく、FC東京の巻き返しを支えている。

 ちなみに8月はブラジル人FWの活躍が目立った。エヴェラウド(鹿島)、レオナルド(浦和)、マルコス・ジュニオール、ジュニオール・サントス(横浜FM)、ブルーノ・メンデス(C大阪)は、いずれも月間トップ5に入れて遜色はない。

 ランゲラックは、名古屋の1−0の勝利の方程式の象徴と言える。12節の川崎戦でも、山根視来の決定機をファインセーブするなど、完封に貢献した。終了間際の、ミドルをしっかりと大きくはじくパンチなど、基本技術の質が高い。バックラインと連携したゴールキーピングも秀抜。個人的には、昨シーズンのJリーグベストGK。13節札幌戦のPKストップも貴重で、ここ4試合でわずか1失点だった。

 三笘薫は交代の切り札として、川崎の首位独走に寄与。前を向いてボールを持つと、止められない。10節札幌戦、単純にボールを呼び込み、叩くという技術で2得点。

 11節、首位攻防のC大阪戦では、途中出場するとドリブルで引き裂いた。自ら裏にボールを出し、リターンを受けると、GKの逆を突くような一撃でゴール。その後、相手DFをひれ伏させるようなドリブルからのクロスのアシストは、格の違いを示していた。

 坂元達裕は、右サイドで存在感。クロスだけでなく、中に切り込んでシュートも打てる。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が率いる守りが安定したチームで、それぞれの選手の役割が明確ななか、攻撃センスが開花している。

 また、柏のオルンガはチームが負け越したことで外したが、7月に続いて月間MVP候補のひとりである。

清武は勝利に直結するパフォーマンス

原山裕平氏(サッカーライター)

1位 清武弘嗣(セレッソ大阪)
2位 三笘 薫(川崎フロンターレ)
3位 ジュニオール・サントス(横浜F・マリノス)
4位 オルンガ(柏レイソル)
5位 内田篤人(鹿島アントラーズ)

 この8月も、川崎が強かった。12節に名古屋に敗れ、連勝記録はストップし、つづく神戸戦でも引き分けたが、そのほかの試合では他チームを圧倒。札幌に6得点、清水にも5得点、そしてなにより優勝争いのライバルとなりそうだったC大阪を5−2で粉砕したのは、圧巻の一言だった。

 その川崎でとりわけインパクトを放ったのは、三笘薫だろう。この大卒ルーキーは鋭いドリブルを武器としたチャンスメーカーだと思っていたが、フィニッシャーとしても機能した。10節からの5試合で4得点を叩き込んだ決定力の高さは、特筆に値する。

 主に役割はスーパーサブだが、途中から出てきてこれだけの仕事をされてしまったら、対戦相手にとって厄介なことこの上ない。選手層の厚みと総合力の高さを見せつける今季の川崎の、象徴とも言える選手だろう。

 もっとも、その三笘よりも貢献度で上回ったのは清武弘嗣ではないか。コンディションを保っている今季は、開幕から好調を維持。夏場の連戦にも、全試合に出場をつづけている。

 10節からの4試合では2得点1アシストと目に見える結果も出し、いずれも勝利に直結するパフォーマンスだったことも月間MVPに推す理由だ。堅守が売りのチームにおいて、この清武の攻撃力こそがC大阪を上位に留まらせる要因だろう。

 強烈なインパクトを放ったのは、ジュニオール・サントスだ。今夏に柏から加入したストライカーは、3試合で5得点とゴールを量産。強靭なフィジカルを利用したパワフルなプレーは、巻き返しを目論む昨季王者の原動力となった。

 そのジュニオール・サントスが越えられなかった壁、柏のオルンガも対戦相手に脅威を与えつづけた。とりわけ数的不利の状況で2ゴールを叩き込んだ鹿島戦のパフォーマンスは圧巻だった。もはや個々の力だけでは止められない。その印象をますます強くしている。

 最後に選んだ内田篤人は、功労者としての意味合いが強いが、引退のニュースがあれだけ大きく取り上げられたのはサッカー界では稀有だろう。その影響力の大きさは鹿島だけでなく、Jリーグ全体にも及んでいる。世界と伍した名サイドバック(SB)は、最後までMVP級の存在感を放っていた。

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彗星の如く登場したジュニオール・サントス

中山 淳氏(サッカージャーナリスト)

1位 ジュニオール・サントス(横浜F・マリノス)
2位 オルンガ(柏レイソル)
3位 旗手怜央(川崎フロンターレ)
4位 清武弘嗣(セレッソ大阪)
5位 吉田豊(名古屋グランパス)

 柏ではオルンガの控えに甘んじていたブラジル人ストライカーが、新天地横浜FMでブレイク。移籍早々の第11節からの3連戦で計5ゴールをマークして3連勝に貢献するなど、脅威の決定力を披露した。

 高さ、スピード、パワーと3拍子が揃っており、ゴールの形もバリエーションが豊富。横浜FMの成績急浮上は、彗星の如く登場したジュニオール・サントスの存在なくして語れない。今後も大注目のストライカーだ。

 相変わらずハイペースでゴールを量産しているのが、柏のオルンガだ。直近4試合で4ゴールをマークし、改めて規格外の点取り屋であることを証明した。とりわけ印象的だったのは第13節の鹿島戦、退場者を出してひとり少ない状況のなか、同じような形で決めた2ゴールだ。右斜め45度から左サイドネットに突き刺した左足シュートは、"オルンガ・ゾーン"として定着しそうな美しさがあった。

 首位を快走中の川崎で目立っていたのが、ルーキーの旗手怜央だ。選手層の厚い川崎でレギュラーをつかみつつあり、第10節以降の5試合すべてに出場し、4試合に先発。3ゴール2アシストと大活躍した。4−3−3のウイングとインサイドハーフのどちらでも質の高いプレーを見せていることが、出場機会を増やしている要因のひとつだろう。

 その川崎を追う2位C大阪は、堅守を武器に好調をキープしているが、ここに来て得点力がアップするなど攻撃面が活性化している。その原動力となっているのがキャプテンの清武弘嗣だ。第10節の柏戦では2ゴールを演出したほか、直近2試合で連続ゴール。とくに第13節横浜FC戦のゴールは、現在の清武がトップフォームであることを証明する一発だった。

 驚異の守備力で上位をキープする名古屋では、安定のMF稲垣祥と共に左SB吉田豊の活躍ぶりが印象的。とくに首位川崎の無敗記録を止めた試合のパフォーマンスは出色で、湘南戦では右SBでプレーするなど監督からの信頼もすこぶる高い。ヴァンフォーレ甲府が輩出したふたりが名古屋の躍進に大きく貢献していることは、何かの偶然だろうか。

横浜FMのシーズン途中の補強のうまさに感心

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位 ジュニオール・サントス(横浜F・マリノス)
2位 三笘薫(川崎フロンターレ)
3位 朴一圭(横浜F・マリノス)
4位 レオナルド(浦和レッズ)
5位 オルンガ(柏レイソル)

 8月のMVPを選ぶ時、サプライズとも言うべき突如現れた点取り屋を、まずは挙げないわけにいかないだろう。

 横浜FMのジュニオール・サントスだ。今季途中に柏レイソルから移籍し、いきなり5試合出場で5ゴール。なかなか調子が上がらなかった昨季J1王者の起爆剤となっている。

 それにしても、横浜FMはシーズン途中の戦力補強がうまい。昨季も当時チーム得点王だったエジガル・ジュニオがケガで戦線離脱しながら、エリキやマテウスの獲得でまったく戦力ダウンを感じさせなかった。SC相模原から呼び戻した松田詠太郎といい、獲得から即戦力化の効率のよさが著しい。

 また、8月の3連勝で順位を上げた横浜FMからもうひとり、GK朴一圭を挙げたい。彼の広いスペースカバーが、王者に本来の姿を取り戻させたと言ってもいいだろう。

 とくに札幌戦の76分のカバーリング、さらには82分のカバーリングから攻撃の起点となった一連のプレーは、難易度の高いスーパープレーだった。それだけでも一見の価値がある。

 また、連勝こそストップしたものの、依然首位を独走する川崎フロンターレから、対象期間に4ゴールを記録した三笘薫を選んだ。

 5試合出場のうち4試合が途中出場ではあるのだが、キレッキレのドリブルがとんでもない威力を発揮している。疲れの出る試合終盤にあれをやられたら、相手チームはたまったものではない。スーパーサブとしてのインパクトが絶大だった。

 そして最後に、7月に引き続いて浦和レッズのレオナルドと、柏レイソルのオルンガを加えた。レオナルドは4試合出場で3ゴール、オルンガは同4ゴールと、後者のほうが数字の上では量産ぶりが目立つ。

 とはいえ、この間1勝の柏に対し、浦和は3勝。3ゴールすべてが勝利につながった点で、レオナルドを上位とした。

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