オリックスに迫るリーグ初の危機 「首位打者」と「最優秀防御率」揃い踏みで最下位なら…

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2020年09月11日 11:13  ベースボールキング

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オリックス・吉田正尚 (C) Kyodo News
◆ 個人成績は投打とも一番上なのに…

 10日にメットライフドームで行われた西武−オリックスの一戦。オリックスは序盤に2点を先行されるも、そこから打線が奮起して16安打・12得点の猛攻。終わってみれば12−4で快勝を収めた。

 勝利に華を添えるアダム・ジョーンズの日米通算2000安打も飛び出すなど、光明の多い勝利となったものの、今季の成績は23勝43敗5分の最下位。3位・楽天とは10ゲーム差とAクラスは遠く、5位・西武までも8.5差。6年連続のBクラス、2年連続の最下位が濃厚となっている。


 しかし、個人レベルで見ると、エースの山本由伸は防御率3.01でパ・リーグトップ。両リーグトップの防御率1.95をマークした昨季と比べるとやや物足りない数字にはなっているが、2年連続で同タイトルを獲得することになれば、リーグでは2009〜2010年のダルビッシュ有(当時・日本ハム)以来で10年ぶりの快挙だ。

 また、野手では吉田正尚がパ・リーグのリーディングヒッターとして君臨。ここまで(9月10日終了時点).369のハイアベレージは2位の鈴木大地(楽天)に2分5厘の差をつける好成績である。吉田は昨季も首位打者争いを演じながら、森友哉(西武)に7厘差で敗れて2位に終わっているだけに、今季は是が非でもタイトルを手中に収めたいことだろう。


◆ 最下位に終わったチームはない

 個人成績を見れば、投打ともに一番上に来るのがオリックスの選手。ところが、順位表を見ると2人の所属チームは一番下に…。

 もしこのまま2人がタイトルを獲得すれば、パ・リーグでは史上18度目のことになるが、過去に最優秀防御率・首位打者を同じ年に輩出したチームは最終的にどの順位になったのか、以下にまとめてみた。


▼ 同一チームから最優秀防御率・首位打者が誕生した年
1956年:西鉄(優勝)
1958年:西鉄(優勝)
1959年:南海(優勝)
1960年:大毎(優勝)
1963年:近鉄(4位)
1965年:南海(優勝)
1973年:阪急(2位)
1978年:近鉄(2位)
1984年:阪急(優勝)
1993年:西武(優勝)
2000年:オリックス(4位)
2001年:ロッテ(5位)
2006年:ソフトバンク(3位)
2008年:楽天(5位)
2014年:オリックス(2位)
2016年:ロッテ(3位)
2017年:西武(2位)

<優勝確率>
 41.2%(7/17)

<Aクラス確率>
 76.5%(13/17)


 ご覧のように、同一球団から首位打者と最優秀防御率投手が誕生した場合、41.2%の確率で優勝し、76.5%という高い確率でAクラスに入っている。

 ただし、2000年を境に優勝チームは生まれておらず、2000年以降の7チーム中3チームはBクラスに低迷。ここ20年ほどは、順位との連動性は低くなっていることがわかる。


 それでも、最下位に終わったチームは皆無。もし山本が最優秀防御率、吉田が首位打者に輝き、チームが最下位に沈めば、リーグ史上初の出来事となる。

 不名誉な記録を回避するためには、山本と吉田の引き続きの奮闘はもちろんのこと、他の選手の奮起が必要不可欠。9月戦線に入ったとはいえ、まだ約50試合は残されている。最後まであきらめず、ひとつずつ白星を積み重ねていくしかない。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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  • もっと、他の選手が頑張ればチームの浮上へつながるということ。
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