レッドブル・ホンダ分析:明暗別れたトスカーナGP。アルボンは失ったポジションを取り戻し、実力で表彰台を獲得

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2020年09月14日 11:31  AUTOSPORT web

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写真2020年F1第9戦トスカーナGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第9戦トスカーナGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
 ムジェロ・サーキットで初めて行われたF1となったトスカーナGP。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、決勝レースが行われた日曜日を「A bittersweet day(ア・ビタースイート・デー)」と表現した。

 bittersweetとは、文字通り「sweet=うれしいこと」と「bitter=悲しいこと」が入り混じった、『悲喜こもごも』という意味だ。

 ホーナーにとってうれしかったことは、もちろんアレクサンダー・アルボンがF1で初表彰台を獲得したことだ。

 この日のレースは、2度も赤旗が出され中断するという荒れた展開になったが、アルボンが表彰台を獲得できたのは荒れた展開が味方したからだけではない。むしろ、赤旗中断後のスタンディングスタートではいずれもポジションを落としている。

 1回目の再スタートとなった10周目はダニエル・リカルド(ルノー)とセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に抜かれ、5番手から7番手へ。2回目の再スタートとなった47周目もスタート直後の1コーナーでペレスに先行を許している。それでも、アルボンはその度に失ったポジションを取り戻し、最後はコース上で3番手の座を取り返し、実力で表彰台を手にした。

 その走りをホーナーも次のように称えている。

「再スタートはアレックスのレースを難しくしたものの、彼は逆境から何度も立ち上がり、何人ものタフなライバルたちを追い抜き、巻き返した。週末を通して最高の仕事をした」

 そのホーナーにとって「bitter=悲しかった」ことは、マックス・フェルスタッペンがスタート直後にリタイアしたことだ。

「素晴らしいスタートダッシュの後、ルイス(・ハミルトン/メルセデス)に並びかけた直後にパワーロスに見舞われた」というフェルスタッペンは、1コーナーまでに中団グループに飲み込まれ、そのなかでクラッシュに巻き込まれてリタイアに終わった。

「僕たちは競争力がありそうだったから、本当に残念としか言いようがない」とフェルスタッペンが言えば、ホーナーも「今日はかなりいけると思っていただけに、その実力を見せられず、残念でならない」とリタイアの原因となったパワーユニット(PU)トラブルを悔やんだ。

 トラブルを出してしまったホンダも気持ちは同じだ。

「アルボン選手の表彰台についてはうれしく感じていますが、速さを見せていた週末にパワーユニットのトラブルを抱えることになり、我々にとっては厳しいレースになりました。すでにファクトリーでの分析を開始していますが、徹底的に原因究明と対策を行い、次戦からのシーズン後半戦に臨みます」(田辺豊治F1テクニカルディレクター)

 bittersweetには、もうひとつの意味がある。それは『ほろ苦い』という意味だ。

 苦労を重ねてきたアルボンが初表彰台を手にしたこともうれしいが、それよりも優勝するチャンスがあったフェルスタッペンがスタート直後にリタイアに終わったことのほうが、レッドブルにとっても、ホンダにとっても痛かった。ホーナーにとってbittersweetとは、ほろ苦いという意味だったのかもしれない。
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