このほどオーストラリア北部の川にて、大型のクロコダイルが漁師のボートと競うように猛スピードで水面を泳ぐ珍しい姿が撮影された。その姿はまるで「イルカのようだった」という。『LADbible』『news.com.au』などが伝えている。
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豪クイーンズランド州北部のケープ・トリビュレーションは数多くの野生のクロコダイルが生息していることで知られており、クロコダイルの姿を観察するボートツアーなども組まれている。
今月7日のこと、ケープ・トリビュレーションから35km北に位置するブルームフィールド川にて漁師のロバート・ダンさん(Robert Dunn)が全長約4.5mの大型クロコダイルに遭遇し、珍しい動画を収めることに成功した。ロバートさんはこの日、蟹を獲る仕掛けを確認するためにこの川を訪れていた。
このたびのクロコダイルとの遭遇について、ロバートさんは「これまで何度もクロコダイルに接近したことはあったけど、今回のは全く別物だよ」と驚きを隠せない。
というのも動画から確認できるように、このクロコダイルは水中に潜ったり、また水面に急浮上したりを繰り返しながらボートと競うようにかなり高速で泳いでいたのだ。クロコダイルは日中は日陰で過ごすか、寝ているのが一般的だ。
クロコダイルの専門家でデインツリー川にてクロコダイルガイドを務めるデイヴィッド・ホワイトさん(David White)は、このクロコダイルの行動について「とても珍しいことで、とても危険である」と地元紙に語っている。
「このような大型のクロコダイルが大きな波を立てながら泳いだり、他のオスを追って水面高く身体を出して泳ぐのを見たことはありますが、これほどまでに早いスピードではありませんでした。」
「もしかしたら他のオスが周りにいたか、オスの性ホルモンであるテストステロンで満たされていて怒っていたのかもしれません。私なら確実に(ロバートさんのように)落ち着いてはいられませんね。」
デイヴィットさんによると、クロコダイルは時速29kmのスピードで泳げることが確認されているそうだ。
クロコダイルに遭遇したロバートさんは、当時の様子をこのように明かしている。
「私のことを品定めしていて、ボートを攻撃してくるのではないかと思いました。幸運にもそうはなりませんでしたが。」
「最初は水面から浅いところにいましたが、その後ボートの下にしばらく潜りこんでいたのです。」
「クロコダイルはうなり声をあげて、私を見ていました。3.5mの小さな船に乗った自分の真横をクロコダイルが泳いでいたんです。興味深かったですね。」
ロバートさんはそのクロコダイルの姿をビデオに収めたが、ボートのサイズからクロコダイルの全長は4.5mほどと推測されている。
ちなみにクイーンズランド州北部に多数生息する野生のワニによって、犬などが襲われるケースも少なくない。昨年にも飼い主の目の前で犬がイリエワニに襲われる悲惨な事故が起きていた。
画像は『LADbible 2020年9月11日付「Enormous Saltwater Crocodile Races Boat In Far North Queensland」(Credit: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)