がんになったら“払わなくていいお金”は意外と多かった! 水道など公共料金の減免も

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2020年09月18日 08:00  週刊女性PRIME

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「実は、がんの治療による経済的負担をサポートできる公的な助成制度は、意外とたくさんあるんです」

 と教えてくれたのは、ご自身も乳がんサバイバーであるファイナンシャルプランナーの黒田尚子さん。

(1)高額療養費制度と限度額適用認定証

まず、医療費が高額になった場合は『高額療養費制度』が経済的負担の助けになります。これは、保険が適用される医療費の1か月間の支払いが収入に応じて決められた自己負担額を超えた場合、超えた分が戻ってくる公的助成制度。健康保険や国民健康保険などの公的医療保険に加入している人であれば、誰でも利用できます」(黒田さん、以下同)

 ただし、対象となる医療費は、公的医療保険が適用される治療費のみ。保険外負担分(差額ベッド代など)や入院時の食事負担額など、さらに先進医療などの保険適用外の費用については対象外だ。

 また、あとから払い戻されるとはいえ、高額の支払いは大きな負担になる。

「窓口での立て替え払いが不要になる『限度額適用認定証』の制度もあります。事前に申請し、病院の窓口に提示しておくことで、退院時に高額療養費の限度額以上の医療費を支払わずにすみます。がん治療にある程度のお金がかかるとわかったら、早めに『限度額適用認定証』の申請をすませておくと安心です」

(2)医療費控除

 がん治療で高額な治療費を負担した収入のある課税世帯の場合、『医療費控除』の申告も忘れずに。

「医療費控除は、1年間の医療費が10万円以上になった場合、翌年に確定申告をすると所得税の還付が受けられる制度。申請した分、翌年の住民税額も少なくなりますから、多少手間でも行っておいて絶対損はありません」

(3)傷病手当金(健康保険)

 治療費だけでなく、収入面の助成制度もある。

会社員や公務員の場合、ケガや病気の治療で働けない期間の収入を補填(ほてん)するために『傷病(しょうびょう)手当金』を受け取ることができます。受給額は、1日につき標準報酬日額の3分の2。受給には一定の要件がありますが、がんの治療に専念したい会社員にとっては心強い制度です」

(4)障害が残った場合

 また、がんの治療で身体に障害が残り、日常生活や仕事に支障が出た場合は、公的年金制度の一種である『障害年金』の受給も検討を。ただしこれは、初診日から1年6か月後の障害認定日に一定の障害状態になければ申請できない。がん治療を受けたら誰もが申請できる所得補填ではないので、要注意。

 同様に、がん治療で身体に障害が残った場合には、税金の減免や交通機関の割引、公共料金の減免などが受けられる場合もある

「各市区町村が行う『障害者手帳』という公的福祉サービスで、認定されれば福祉サービスや税制優遇が受けられます」

(5)支払いが免除される制度

 障害者手帳は取得できなくても、「国民健康保険」や「国民年金」には収入がない場合の減免制度が設けられている

「減免手続きをせずに支払いを滞納すれば、いざというときの年金や助成を受けられなくなるおそれも。意外と知らない人が多い制度ですが、支払いに困ったときには手続きを忘れずに」

 公的な支払い以外にも、がんと診断されたら支払いが免除されるものもある。

「例えば民間の医療保険に加入している場合、保険料免除特約があれば支払いが免除される可能性が。同様に最近は住宅ローンにも、がんなどの病気になると支払いが免除される『特定疾病団体信用生命保険』つきのものが増えていますので1度、確認を」

助成の申請は“セルフサービス”と心得て

 民間の保険やローンはもちろん、ここで紹介した公的な助成制度は自分から申請しない限り受け取れない。

「どんなときにどんな制度を利用できるのか、助成制度はどんどん更新されるので、本当に正しい情報なのか常に注意が必要。最近はインターネットで情報を検索する人も多いでしょうが、難しい場合、病院の相談窓口や『地域包括支援センター』に問い合わせれば、悩みや困りごとに応じた窓口を紹介してくれるはず

 ひとりで悩まず、積極的に利用して。

(取材・文/中村明子) 

【PROFILE】
黒田尚子さん ◎CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、消費生活専門相談員資格取得。日本総合研究所に勤務後、1998年にFPとして独立。書籍やサイトなどの執筆、講演、個人相談など幅広く活躍中。

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