影山、宮侑、及川、赤葦、白布、研磨……『ハイキュー!!』の司令塔たちの個性

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2020年09月20日 08:01  リアルサウンド

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 バレーボールに青春をかけた高校生たちを描く『ハイキュー!!』では、さまざまなチームが登場しており、そのプレースタイルもさまざまだ。そんな各校のプレーの要を担っているのがセッターである。


関連:『ハイキュー!!』最新44巻の表紙には日向、宮侑、木兎、佐久早が登場している


 チームメイトの調子を把握し、ゲーム全体を見て試合を組み立てていく。チームの勝負に当然大きく関わってくるし、チームメイトの実力を生かすも殺すもセッター次第と言っても過言ではない。音駒の黒尾がチームのセッターである孤爪研磨のことを「音駒の背骨で脳で心臓」と言っていることからも、重要なポジションだと分かる。


 今回は『ハイキュー!!』に登場する主なチームのセッターについて比較してみる。


■「できるかもしれない」を「できる」に変える烏野・影山&稲荷崎・宮侑&青葉城西・及川


 かつてコート上の王様と呼ばれていた影山。「俺のセットで打てへん奴はただのポンコツや」と言い切る宮侑。「及川さんがいる代に同じチームでプレーできて良かった!って思えるようにしてあげるね」と復帰した後輩(京谷、通称狂犬)に言ってのける及川。


 セッターとしての能力はもちろんのこと、サーブにおいても恐れられ、予想外のプレーで相手チームの意表を突く。いつもニコニコしていたり、仏頂面であったりして感情が読みづらいというのも、ある意味セッターとしての資質か。どこか得体の知れなさがありながらも、その能力の高さはチーム全体を引き上げる。


 「上手いセッターはスパイカーに上手くなった、強くなったと錯覚さえ起こさせる」と全日本ユース強化合宿で監督が言っていたが、この3人はまさにそんなセッターだろう。


 チームメイトはそれまでよりも打点が高くなるし、常人では打てないセットアップにも応えられるようになる。これはセッターが無茶をしているわけではなく、冷静にチームメイトの力を把握しているからだ。できないことに無茶をさせるのではなく、できるかもしれないことに挑戦させる。それはチームメイトの状態を把握しているからこそできることだ。


 そんな3人が全員主人公である日向にトスを挙げたことがある/挙げているというのは、物語にとって意味あることのように思える。


■スターに最高のトスを 梟谷・赤葦&白鳥沢・白布


 木兎のプレーを見て梟谷への進学を決めた赤葦、牛若のプレーを見て白鳥沢への進学を決めた白布。


 特に白布は、スポーツ推薦で入学する者が多い中、唯一一般入試で入り、しかもバレー部のレギュラーを獲得している。スターである牛若が力を発揮できるように「誰よりも目立たないセッターになる」と決めている白布は、中学時代は強気なプレーを好む選手だった。牛若と出会ったことで、そのプレースタイルまでも変化したのだ。


 一方、赤葦も、木兎のテンションに常に気を配り、フォローをしているが、スターとしての木兎に心酔しているのは同じだ。


 2人とも高い技術と洞察力を備えており、目立たないながらもチームメイトたちの100%を引き出すことができる。とはいえもちろん、華やかなセッターにも憧れる。白布は影山や及川を思い浮かべた。赤葦は「自分が影山や宮侑ならば」と試合中に思い詰めることもあった。しかし、行きつくところはスターに最高のトスを供給することだけ、なのだ。


 赤葦と白布に接点はないが、白布は梟谷と狢坂高校の試合を見ていた際、赤葦のプレーに対し「1セット目は何かイライラしましたけど 2セット目はいいですね」と評していた。この時白布は無意識のうちに、自分なら木兎にどのようなトスをあげるのか、ということを考えていたのではないだろうか。


■生粋のゲーマー 音駒・孤爪


 スポーツしているよりはゲームをしていたいという生粋のゲーマー孤爪研磨。実際、チームメイトに比べると体力もないし、運動能力が優れているというわけでもない。チーム全体が、孤爪のそうした部分を補うわけだが、それだけ音駒にとってセッターが重要だということだろう。「過保護上等! セッターを動かせねぇのが音駒品質だ」とは音駒リベロの夜久のセリフ。


研磨を走らせて体力を削ろうという相手の作戦にも対応し、勝利を掴んで見せる。そんな研磨自身も、自分が強いわけではないが、チームのみんなは強い、と言っている。


バレーを続ける理由もないけど、やめる理由もない。研磨がバレーを続ける理由は「トモダチ」である黒尾の存在、そして、常に目の前に「攻略対象」がいるからだ。ゲームもバレーも慣れていけばやがて勝つ“方法”が見つかる。研磨にとっては同じなのだ。


 実際に、コートの中で相手チームを分析し、把握する能力はズバ抜けている。勝つ方法はいくつも考えているし、「これがダメならこっち」と切り変えも早い。でも、同時に攻略してしまうことに対する寂しさも感じている。


 烏野vs音駒戦で、孤爪は日向を攻略して見せるが、「面白い翔陽が終っちゃうのは悲しい」と言っている。強い相手と戦っているときは、バレーでもゲームでも楽しいが、攻略できた瞬間、そのゲームは終わってしまうから。どこまでも「生粋のゲーマー」である。


■誰よりもチームメイトを信頼しているセッター


 洞察力と観察力。チームメイキング力と正確なセットアップ。そして何よりチームメイトを信頼する力。多くのものを求められるセッターは、技術がなければ務まらない。。


 稲荷崎高校の宮治は「セッターは一番上手い奴がやるクールなポジションなんやで」と言っていたが、個性派揃いのチームメイトたちに信頼され、ゲームメイクをするには、チームの誰よりも個性的である必要があるのかもしれない。


(文=ふくだりょうこ)


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