社会的に孤立し閉じこもると死亡リスクが約2倍に…コロナ禍にシニアが健康を保つコツ

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2020年09月20日 11:35  AERA dot.

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写真シニア大樂が8月に開いた「全日本シニア社会人落語会」。65歳以上の社会人落語家が全国から集った=シニア大樂提供
シニア大樂が8月に開いた「全日本シニア社会人落語会」。65歳以上の社会人落語家が全国から集った=シニア大樂提供
 認知症や高齢者の心の問題に詳しい順天堂大学名誉教授で、アルツクリニック東京(東京都千代田区)院長の新井平伊さんによると、コロナ禍でも家に閉じこもらず人との交流を続けることが、うつ病や認知症の予防につながる。SNSやオンラインの習い事で刺激を受けるのもいいが、大切なのは本人がその取り組みを楽しむことだという。

【グラフで見る】外出の頻度や孤立と死亡率の関係

「よくあるのが、高齢の親を心配した家族が『健康にいいから』と脳トレや運動などを勧めるパターンです。実は、善意であっても、人に強制されてやらされるのは苦痛でしかないのです」

 そうはいっても、コロナで遠方の祖父母や高齢の親に長期間会えなければ、心配になる。

「電話やメールでもいいので、連絡を取って『大切に思っているから心配している』と家族だからこその愛情を伝えてください。まずは、ご本人が元気を取り戻すこと。運動や趣味を再開したり、外出をしたりしようかなと思ってもらえるようなアプローチが必要です」

 東京都健康長寿医療センター研究所で、社会参加と地域保健研究チームのリーダーを務める藤原佳典さんも、コロナ禍でシニア世代が健康を保つポイントは、習い事でもボランティアでも仕事でも、社会参加活動をやめないことだと訴える。

「高齢者の場合、いちど活動団体が解散したり、本人が仕事や活動を停止したりした場合、復帰するケースは少なくなります。よほどの気力や体力を持って『戻る』という意思が本人になければ、大半が面倒になり自宅にこもりがちになってしまう。コロナで重症化しやすいリスクを持つ高齢者が、外での活動を怖いと思うのは正常な感覚です。しばらく自宅で過ごすシニアの方は、復帰という目標や仲間との約束に向けて、自主トレーニングや充電期間だと考えてほしいのです」

 コロナ禍で活動をやめて何もしない生活が続くと、どうなるか。

 参考になるデータがある。藤原さんの研究チームが2008年から6年にわたり、公共交通機関の使用や買い物、食事の用意など、日常生活に問題のない健康な高齢者1023人を対象に行った追跡調査の結果だ。

 同居家族以外との対面や、電話、メールなどの非対面のコミュニケーションが週1回未満の社会的孤立傾向と、外出が1日1回未満の閉じこもり傾向が重なった場合、6年後の死亡率が、両方の傾向に当てはまらない人に比べて2.2倍高くなった。

 藤原さんによると、シニアの社会参加活動は、おおよそ「就労」「ボランティア活動」「趣味・稽古」「友人・近所づきあい」「通所サービス」に分けられる。継続的な社会活動を通じて、健康を維持するためには、責任と報酬が発生する「就労」活動が有効だという。

「ボランティアやサークル活動ですと、コロナ禍だから休みましょうとなりますが、仕事となれば習慣的に社会参加が日常生活に組み込まれます。シルバー人材センターに登録すれば自宅近くや屋外での3密を避けたシニアの就労の場も見つかります」

 例えば、NPO法人シニア大樂(だいがく)は、航空会社や旅行会社、ホテルなど、さまざまな職業を経験したシニアを全国の自治体などに講師として派遣している。現役時代に培ったキャリアを生かしてもらうという狙いだ。理事長の藤井敬三さんは言う。

「コロナで3月から講演会の依頼はすべてキャンセルになりましたが、9月に入ってから徐々に依頼が戻ってきました」

 コロナ禍でも人生100年時代を元気に過ごすために、自分だけのひとり時間を見つけてみよう。(本誌・永井貴子)

※週刊朝日  2020年9月25日号より抜粋

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  • 私も高齢者でアルツハイマーにならないようにと思っているが自粛状態で娘とも6か月もあっていない。もちろん人とお茶も飲んでいない。ズームで話すがやっぱり側で会話をしたい
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