イチローは“禁断の行為” 意外と多い日本人メジャーリーガーの「ご乱心」

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2020年09月20日 16:00  AERA dot.

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写真メジャー時代に人生初の退場を経験したイチロー (c)朝日新聞社
メジャー時代に人生初の退場を経験したイチロー (c)朝日新聞社
 野茂英雄がパイオニアとなって道を開拓して以降、多くの日本人プレイヤーがメジャーリーグでプレーするために海を渡った。

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 日本の高いレベルの野球をアピールするとともに、真面目にもくもくと役割をこなすチームへの献身さなども現地で高い評価を受けている。だが、元来「品行方正」なイメージのある日本人選手も時に感情をむき出し、退場になる場面などもあった。

 日本では一度も退場の経験がないイチローも、審判への怒りを抑えきれず人生初の退場を経験している。

 当時マリナーズのイチローが思わず審判に侮辱行為をしてしまったのは2009年9月26日のブルージェイズ戦。5回の第3打席目、0−2と追い込まれたイチローは相手左腕パーシーが投じた外角へのストレートをボールと判断し見送る。選球眼抜群のイチローは当然のごとく1−2から次の投球を待とうとするが、球審がストライクと判定し、三振のコール。

 試合中は滅多に感情をあらわにしないイチローも、堂々と見送った球がストライクと判定されたのだから怒りが収まらない。三振をコールする球審を横目に、バットでボールが通過したコースの線を地面に引き示したのだ。「お前の眼は節穴だ」と言わんばかりのこの行為が侮辱行為ととられ、人生初の退場処分となった。

 テレビ中継では、その後に打席を上から撮影したスロー映像が流れるのだが、投球コースはまさにイチローが「ここだ」とバットで引き示したところを通過していた。もちろん、審判の判定が絶対であり、侮辱行為は褒められたものではないが、退場の場面でも“凄さ”を示すあたりは「さすがイチロー」といったところか。

 そのイチローの一番弟子でもある川崎宗則もブルージェイズ時代に退場を経験している。

 メジャーでは日本時代のイメージとは違う“ぶっ飛んだキャラクター”で人気を博し、どちらかというコミカルな部分が報道されていたが、やはり生まれは鹿児島の九州男児。内に秘めた熱い思いが溢れて、退場を宣告されてしまったことがある。

 2013年9月21日、敵地でのレッドソックス戦の8回、川崎が放ったゴロが投手のグラブに当たり、方向が変わった打球がセカンドへと転がる。レッドソックスの二塁手ペドロイアはこれを上手くカバーしたものの、一塁上の判定はわずかに川崎が早く駆け抜けたかのようにも見えたが、結果はアウトに。

 この判定に対して瞬間的に頭に血が上った川崎は、キャラに似合わず審判の目の前でヘルメットを地面に叩きつけた。これを目の当たりにした一塁塁審もカッとなった表情で瞬時に退場を宣告。退場となった後に、選手が審判に突っかかるシーンはよくあるが、川崎は怒りをグッとこらえ、自身が投げたヘルメットを拾いベンチへ。悪態をつくことなく、なんとか感情をコントロールしている様子だった。

 先述の2人は審判の判定に対し怒りが爆発した例だが、相手選手への感情をむき出しにしたのがレイズ時代の岩村明憲だ。

 2007年にデビルレイズ(現レイズ)に加入した岩村は、2年目の翌2008年6月4日に行われたレッドソックス戦の8回に、二盗を試みた相手チームのクリスプから危険なスライディングを受ける。結果的には無傷だったが、あわや大けがというダーティプレーにチームメイトは激怒。その日は何事もなく終了したが、味方がやられたら黙っていられないのがメジャーリーガーたちの性分。

 翌5日の試合の2回、レイズ先発のシールズはクリスプを打席に迎え、ここぞとばかりに内角をえぐる球を投じると、「わざと狙った」と感じとったクリスプがスイッチオン。マウンドへ向かったクリスプとシールズが互いにパンチを1発ずつ打ち合う展開から、両チームが入り乱れる大乱闘となった。

 前日に危険なタックルを浴びていた岩村は乱闘の輪の中に入り込むと、同僚の捕手ナバーロがグラウンドに抑え込んだクリスプの脇腹付近にパンチを見舞う。直後にレッドソックスのプレイヤーに引っ張り出されるが、大男たちが暴れまわるメジャーの乱闘で“傍観者”となるケースが多い日本人選手が、乱闘に積極的に加わる珍しい場面でもあった。

 結果的に3選手が退場となったが、岩村も乱闘に参加したとして最終的に3試合の出場停止処分を受けることに。試合後には、「グラウンドでは野球をするもの。でも味方がどうこうされるのも黙ってられない。止めなければならなかった」と岩村は乱闘への参戦について語っている。

 その他にも、ヤンキース時代の伊良部秀輝が死球を与えた後に逆ギレし、先に打者に詰め寄るという珍しいシーンも。また、ヤンキース時代の黒田博樹が、危険な投球をめぐってレイズの選手と睨み合いとなった場面では、チームの先頭に立ってオラオラと敵陣に向かっていくシーンもあった。

 黒田はドジャーズ在籍時にも、ビクトリーノ(当時フィリーズ)に対する頭部近くの投球をめぐって乱闘のキッカケとなることもあった。日本人選手としては“武闘派”の部類に入るのかもしれない。

 このように品行方正な日本人選手も、意外にメジャーリーグでは血の気が多いところを見せている場面は少なくない。常に冷静であることも大事であるが、やはり見ている方からすると、選手たちの熱い感情が溢れる場面を見ると、よりそのプレイヤーに感情移入したりもする。現在メジャーでプレーする日本人選手たちも、退場や乱闘の中心とならないまでも、時に感情をむき出しにする場面なども見せて欲しいものだ。








このニュースに関するつぶやき

  • 記事のイチローがバットで線を引いたのはニュースで、見た記憶あるわ。審判の権威が高いからね、メジャーは。
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  • イチローの時の審判は恥の上塗りしちゃったね。w
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