DTM、2021年に向けアウディとBMWがサポートする“GTカーをベース”としたシリーズへ

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2020年09月20日 17:41  AUTOSPORT web

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写真DTMニュルブルクリンクのスタートシーン。クラス1車両による争いも2020年が見納めか。
DTMニュルブルクリンクのスタートシーン。クラス1車両による争いも2020年が見納めか。
 DTMドイツ・ツーリングカー選手権は、第6ラウンドのニュルブルクリンク・スプリントが開催されている週末の9月19日に声明を発表し、2021年からのシリーズについて、GTカーをベースとした車両によるレースに再編。現在シリーズを運営するITR e.Vに代わって、現ITRチェアマンのゲルハルト・ベルガー率いるBMSがシリーズの責任をもつことになったと発表した。

 すでにDTMでは、2020年シーズン限りでアウディがシリーズからの撤退を表明。唯一残されたBMWのみでシリーズを運営するのか、それともまったく別のレギュレーションが導入されるのかなど、これまで多くの噂が出ていたが、9月19日、その方向性が公式に示されることになった。

 この日発表された声明は、「伝統的なレースシリーズは継続されることになる」とDTMが今後も継続するという書き出しからスタートした。

 まず2021年に向けて、シリーズはスーパーGTと長年に渡る協議の末作り上げたクラス1規則ではなく、“新しい技術規則”を導入することになった。これは「プロフェッショナルなGTベースのレースシリーズ」とされている。

 また、現在シリーズを支えるアウディとBMWは、プロモーターであるITR e.Vを2020年限りで退き、新たに現在ITRのチェアマンを務めるゲルハルト・ベルガーが率いる組織、BMSをアウディとBMWの2社がサポートすることになった。これにより、形式的には現行組織からの撤退を表明したアウディがBMSをサポートすることになる。

 BMSは、新たなシリーズとプラットフォームの継続的な発展に対し、唯一経済的な責任を引き継ぐことになる。

「過去数ヶ月間、我々は複雑な交渉のなかで、DTMの将来に向けたさまざまな戦略的なオプションを議論してきた。そのなかで、私はこの数日にわたりアウディとBMWと、非常に建設的な話をすることができた」とベルガー。

「どちらのメーカーも、現段階で主にGTカーが争うことになるシリーズの将来について、私が全責任を負うことを可能にしてくれた。両社がシリーズ継続に向けたシナリオを支えてくれることは、すべてのスタッフとファンにとって素晴らしいことだ」

「将来的には、ファクトリーチームではなく、プロフェッショナルなプライベーターが優勝を争うシリーズになる。私にとって重要なのは、両社がGTモデルでレースを戦うコンセプトにコミットすることで、私はこのコンセプトに責任をもつ。両メーカーに心から感謝したい」

「彼らの決定により、彼らは本質的にITRとそのパートナーに対し仕事を確保することに貢献しただけでなく、ファンがトップレベルのモータースポーツを楽しみ続けられることにもなった。私は強力なパートナーとともに、ファンを興奮させる未来へ向けた、持続可能な戦略に取り組めることを楽しみにしている」

 ベルガーが主導する組織により、2021年からDTMが『GTカーをベースとした』レースシリーズに移行することが明らかにされたことになるが、とはいえ課題も多そうだ。現時点で、『GTカーをベースとした』車両が何を指すのかは分からないが、噂にも上がっているようなGT3をベースにしたものになるのだろうか。

 とはいえ、現段階でヨーロッパには隆盛を誇るGT3シリーズとして、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのエンデュランス/スプリントが存在するほか、GTオープンや各国のGTシリーズなど、競合が多い。さらにドイツ国内には長い伝統を誇るGT3カーレースのADAC GTマスターズがある。GT3をそのまま使うのであれば差別化ができず、さらにGT3“ベース”とする車両で、仮にアウディとBMWの『GT3プラス』が争うだけのシリーズとなれば、現在より魅力を出すことは難しい。

 さらに、現在はル・マン24時間等で使用できるGTEが存在し、GT3、さらにDTMのサポートとして今季からスタートした『DTMトロフィー』でも使用されるGT4、そしてSROがジェントルマンドライバー向けに導入を目指すGT2と、GTカテゴリーは細分化している。新たな技術規則導入は、マニュファクチャラーが望む方向とは異なる印象もあり、『GTカーをベースとした』技術規則がどうなるのかも課題だろう。

 また、今後ITRが“解体”するのであれば、現在DTMとスーパーGT GT500クラスで採用されている技術規定『クラス1』がどうなるのかも非常に気になるところ。クラス1はITRとGTAの両プロモーターが作り上げた技術規定で、両者が知的所有権を保持している。今後の動向はこちらも注目だ。
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