生ゆばから川魚まで!初心者でも楽しめる京都・錦市場のお取り寄せの味

2

2020年09月21日 07:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真店頭に多くの樽を出す打田漬物。写真は冬に撮影したもので、手前のくき大根は11月ごろから店に並ぶ (撮影/写真部・松永卓也)
店頭に多くの樽を出す打田漬物。写真は冬に撮影したもので、手前のくき大根は11月ごろから店に並ぶ (撮影/写真部・松永卓也)
 古都が最も美しく映える季節、秋。紅葉の名刹を訪ねるのもよし、匠が作る秋の味覚を堪能するもよし。しかしコロナ禍の今年は、「そうだ京都、行こう。」という気分になれない人も多いのではないか。この秋は、美食を取り寄せることで、自宅で京都気分に浸るしかない。

【一覧で見る】京都人が好きな「いいもん」20選をご紹介!

「京の台所」と呼ばれる錦市場は、京都のメインストリートである四条通の1本北にあり、東は錦天満宮前から西は高倉通まで、長さ390メートルの商店街だ。

 食品を扱う店を中心に約130店舗が並び、漬物、湯葉、豆腐、佃煮、乾物、魚、野菜や茶など京都の食生活に欠かせない食材が手に入る。京都市民は「ちょっといいもん」が欲しくなったら、ここに買いに来る。

 この地域には清涼な地下水が流れている。井戸水で生ものを冷やしていた時代に、新鮮な魚を京都御所に納めようと店が集まった。1615年には幕府から魚問屋の称号を与えられ、魚市場として栄えたという歴史がある。昭和2年に京都市中央卸売市場ができたことを機に、卸売りから小売りに転換。現在の形になっていった。

 今でも多くの店舗が、豊富に湧き出る地下水の恩恵を受けている。

 たとえば、1790年からこの地で京ゆばを作っている湯波吉。厳選した大豆と地下水を使い、昔ながらの手法にこだわっている。生ゆば、乾燥ゆばなど各種作っており、十代目若主人がプロデュースした「十代目つまみゆば」はとろとろとした柔らかさが特徴だ。

 川魚を扱う山元馬場商店もその一軒だ。

「地下水を利用した生け簀で、24時間365日泳がせています。春から夏にかけては鮎が名物で、一流料亭に出荷しています。天然活け鮎はその季節なら取り寄せもできます。送る直前に氷締めするので、鮮度がいいんですよ」(京都在住のライターで『京都とっておきのお取り寄せカタログ』の編集担当の小西尋子さん)

 錦市場らしい歴史と活気、店主の心意気が感じられる。

 しかしそうした錦市場にも、コロナ禍が多大な影響を与えている。京七味の店・ぢんとらの野村暢子さんが説明する。

「ここ2〜3年は観光地化が進んだんですね。外国人相手の店が増えて、従来とは違う雰囲気になってきました。ところがコロナのため、そういう店が次々とお休みになり、シャッターを閉じたところが多くなってしまっています」

 昆布や佃煮を扱う、京こんぶ千波の井上武さんもそれに続ける。

「近年は、通りを食べながら歩く外国人が多かったんです。それがまったくいなくなった。そのため地元の人は、買いやすくなったと喜んで、もともとのお客さんは減っていませんが」

 良し悪しはともかく、新型コロナの影響で、錦市場が、本来の姿を取り戻しているともいえそうだ。そう聞くと「ぜひとも買い物に行きたい」と思うのだが、やはり二の足を踏むのだろう。

 井上さんが続ける。

「東京・横浜・大阪には、錦のファンがたくさんいるんですよね。観光や出張で京都に来たら、必ず寄って買って帰るという人が。そういう人が京都に来てくれませんので……。ただし幸いうちは日持ちのする品を扱っていますので、取り寄せの注文はコロナ禍以降にかなり伸びてきています」

 今秋は、錦市場から逸品を取り寄せるのが正解なのだろう。

 ちなみに本誌が京こんぶ千波の商品ですすめたいのが「青山椒入りちりめん山椒」。ちりめんじゃこの10%にも当たる大量の丹波産実山椒が入る。また大ぶりな松茸が入った佃煮「松茸昆布」を食べると、贅沢な気持ちに浸れる。値段は張るが、京都への旅費を考えればお安いものだ。

 リーズナブルに感じて、何でもかんでも取り寄せればよいというわけでもない。八百屋・四寅の堀裕一さんが注意をしてくれた。

「今年は雨と猛暑の影響で、野菜の育ちがあまりよくないようです。おいしい旬の期間が、例年と比べてかなり短いですね。それだけに、旬を逃さないタイミングで買っていただければ」

 旬についてわからない場合は問い合わせて、最良の品を取り寄せるようにしたい。

(本誌・菊地武顕)

※週刊朝日  2020年9月25日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • お漬物と西京焼きがあれば。幸せな私。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

前日のランキングへ

ニュース設定