ホロ苦スタートの鎌田大地…目標の「年間15ゴール関与」達成へ巻き返しなるか

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2020年09月21日 13:41  サッカーキング

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写真ビーレフェルト戦に出場したフランクフルトの鎌田大地(右) [写真]=Getty Images
ビーレフェルト戦に出場したフランクフルトの鎌田大地(右) [写真]=Getty Images
 19日の20−21シーズンのドイツ・ブンデスリーガ1部開幕戦のビーレフェルト戦。フランクフルトとの契約を3年延長し、「今季はリーグで15得点関与」という大目標を掲げる鎌田大地は、堂安律との直接対決として注目された一戦に先発した。「僕の中ではこのクラブに残ることはだいぶ前から決めていた。ポジション争いもあるので、開幕からいいプレーを見せていかないとダメだと思う」と気合いを入れた背番号15は攻めの姿勢を押し出した。

 最初のチャンスは31分、左に開いたフィリップ・コスティッチのクロスに飛び込むが、2枚の厳しいマークに遭いシュートを打ち切れない。直後にはGKの安易なパスをカットし、アンドレ・シウバの決定機につなげたが、得点には至らなかった。

 スコアレスで折り返した後半、フランクフルトはワンチャンスから失点を喫し、ビハインドを背負ってしまう。鎌田にはより一層ゴールの期待が高まったが、56分のドリブルシュートはDFを直撃。ネットを揺らすことはできない。その6分後にA・シウバの同点弾で追いついたものの、相手は2部昇格組。何としても白星発進したかった。

 そんななか、鎌田にビッグチャンスが訪れる。78分、好連携からゴール前に抜け出した背番号15は絶好のシュートポジションにいた。ところが、彼はパスを選択。自身の立ち位置がオフサイドギリギリだったことを分かったうえでの判断だったようだが、地元メディアからは「成功を望まなかった」と厳しい評価を下された。

 結局、鎌田は87分でアウト。動きには全体的にキレがありコンディションもよさそうだったが、フィニッシュの課題に加え、球際の部分で競り負けるなど守備面の物足りなさも感じさせた。試合も1−1のドロー。同僚・長谷部誠も悔しさをにじませたが、彼にとってもホロ苦い新シーズンの幕開けとなった。

「(アドルフ・ヒュッター)監督からよく言われるのは守備の部分。コロナ明け(新型コロナウイルスによる昨季リーグ中断後)から僕自身、少しずつ改善できているのかなと思います。

 それ以上に自分が成長しなければいけないのは得点の部分。ゴールやアシストだったり、目に見える結果を残すこと。昨季はプレー内容は悪くなかったし、数字はついてこなかったけど、チームの中継地点としての働きなどいろんな役割をこなせていたから、監督に評価されて試合に出れた。だからこそ、もっと目に見える結果がほしいんです」

 16日の契約延長記者会見でこう語気を強めていた鎌田。ビーレフェルト戦を通して、攻守両面でもっともっとレベルアップしなければいけないと強く感じたことだろう。ただ、ゴール前での脅威という部分では対戦相手の堂安より上だった。チームの実力差やレベル差はもちろんあるが、鎌田の非凡なサッカーセンスを要所要所で垣間見ることはできた。彼ならばさらなる進化が可能なはずだ。

 本人がその先に見据えるのは「ビッグクラブ行き」。彼自身も野心を隠さない。

「代理人のもとには、世間的に見れば『ステップアップだろう』と思われるクラブからのオファーはありましたけど、フランクフルト以上のチームを探そうと思っても難しい。僕個人としては『スモールステップ』は必要ないと思っていたので、即答でノーと言いましたね。フランクフルトは昨季9位で、今年はEL(ヨーロッパリーグ)もないですけど、リーグだけに集中してもっといい結果を残せると思う。CL(欧州チャンピオンズリーグ)圏内を取れるかもしれないし、将来のことは考えずにここで出続けることを考えます」

 まずは足元をしっかり固め、昨季のリーグ戦28試合出場2ゴールという数字を超えること。そこから飛躍の道が開けてくる。クラブで着実に活躍できれば、日本代表でも不可欠な存在と認められるに違いない。

「ぶっちゃけ代表っていうのはアンダー世代の頃から関わっていなくて、A代表も今まで3試合くらい(実際には4試合)しか出ていない。代表への思いを強く持っている人に比べるとそこまでの気持ちは湧いていないのなと思います。ただ、日本代表としてワールドカップで戦いたいっていう思いは小さい頃から持っている。代表活動は短い分、クラブでの活躍がそこにつながってくる。そう考えてクラブ第一でやっていきたいです」

 こう語る鎌田のさしあたっての関心事は、10月のオランダ遠征メンバーに選ばれるかどうかだろう。森保一監督は約1年ぶりとなるこのカメルーン・コートジボワール2連戦(ユトレヒト)に向け、欧州組25〜30人を招集する方針を示しているが、アタッカー陣は人材豊富。指揮官が重視する東京五輪世代の堂安や久保建英を含めれば、候補者は数えきれないほどだ。セカンドトップを主戦場とする鎌田は南野拓実や久保らとの競争を強いられるが、南野との共存に関しては昨年10月のタジキスタン戦(ドゥシャンベ)である程度、実証されている。その連携や精度をさらに高めていくためにも今回はぜひ参戦してほしいものだ。

 始まったばかりの20−21シーズンでどのような軌跡を描くのか。それは鎌田大地の努力次第と言っていい。24歳という円熟期を迎えたスケールの大きなアタッカーは、自身の価値を証明できるのか。その一挙手一投足から目が離せない。

文=元川悦子
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