「想像以上に苦労…」ロッテ藤原恭大が“戦力”となるのは、まだまだ先?

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2020年09月21日 16:00  AERA dot.

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写真ロッテ・藤原恭大 (c)朝日新聞社
ロッテ・藤原恭大 (c)朝日新聞社
 ロッテ藤原恭大を見なくなった。

 チームが優勝争いする中、藤原の名は見当たらない。ルーキーイヤーの昨年は至るところで存在感を発揮していたのが不思議なほどだ。

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 即戦力になる力も秘めていたスター候補は、現在何をしているのだろうか……。

「開幕1軍を経験させてもらい、その後ファームに移ったけど思うような成績が残せなかった。課題の残る1年間だった」

 昨年契約更新時に率直な感想を口にした。

 ロッテでは65年の山崎裕之以来、54年ぶりの高卒新人開幕スタメン出場、プロ初安打も放った。期待の新人はいきなり結果を出し、周囲は盛り上がった。しかし以降はまったく結果を出せず、1年目は6試合出場、19打数2安打2打点、打率.105に終わった。

「球のスピード、キレ、変化球、コントロールも違う。プロ野球選手になったからといって野球が上手くなるわけじゃない」

 同じようなコメントが何度も飛び出した。アマとプロの違いを本人が最も実感している。

 大阪桐蔭では1年夏から中堅のレギュラー。2年春から3年夏まで4季連続で甲子園に出場、うち3度全国制覇を果した。甲子園4大会通算85打数27安打、打率.318、5本塁打、21打点と大舞台で結果を残し、高校日本代表にも2年連続で選出された。3拍子揃った素材にはロッテ、楽天、阪神と3球団が競合し、現在所属するロッテが交渉権を獲得した。

「プロでもすぐに適応できると思ったが、想像以上に苦労している」とロッテOBは現状を語る。

「身体能力はプロでもトップクラス。ただ身体がまだできていない。高校時代までは金属バットを使用したので、結果を出すこともできた。プロでは木製バットをしっかり操れる技術、体力が必要となる。そのために身体を作らないといけないが、持ち前のスピードが死んでは意味がない。動けるプロ仕様の身体を作っている最中で、時間はかかる」

 高卒野手が苦しむのは金属から木製への対応。藤原も成長途中というところか……。

 プロ入り前から注目度は高かった。それは実績とともに2歳年上の兄・海成の存在もある。海成は16年夏限りで休部(事実上の廃部)となった名門・PL学園、最後の野球部員だった。

「仲の良い兄弟だった。兄の影響で野球を始め、尊敬していると言っていた」

 中学時代、一緒にプレーした枚方ボーイズのチームメートは当時を振り返る。

「枚方は全国的に強かった。現広島の小園海斗もいた。『将来プロになりたい。そのためには大阪桐蔭、履正社、PLで甲子園」とか具体的な名前も話していた。恭大は『PLで兄と一緒に行けたら最高』と言っていた」

 海成が入学した夏、PLは大阪大会で準優勝。藤原は兄の話を聞きながらPL進学を考え始めていた。ところが翌年からの部員募集停止が発表され、進路を変更したと言われている。

「もちろんそれだけが原因ではないと思う。大阪桐蔭は強いしプロもたくさん出している。でもPLの野球部がなくなることはショックだったはず。その後、PLという名前もあまり出なくなった」(中学時代のチームメート)

 プロ入り後、公の場所では「子供の時から大阪桐蔭で甲子園に出るのが目標だった」とコメントしている。本音はどうだったのだろうか。思春期の中学生にとって悩ましい問題だったはずだ。

 ロッテ入団後も注目された。話題性豊富な“イケメン”スター候補を周囲は放っておかなかった。球団公式インスタグラムにはレギュラー出演。私服姿などを連日公開した。

「誰が見てもカッコイイので反響抜群。野球以外の時間をかなり取られていたのでは」とロッテ担当記者は振り返る。

「プロなので露出するのは良いこと。でも野球以外の面での取り上げられ方が凄かった。私服姿をSNSにアップしたりしていて、本人も戸惑い気味だった。ファンも最初は喜んでいたが、結果が出ないと『やり過ぎでは』と感じるようになった。そういう声は藤原のもとにも届いており、焦りにも繋がっていたはず。精神的に強い選手ですが、まだ10代の若者。肩を故障した時期などは、かわいそうなくらい元気がなかった」

 8月には左肩関節唇を痛め手術も考えたが、トレーニングなどで患部強化を図りながら、総合的なレベルアップを図っている。

「歴史は繰り返すのか」という声も聞こえている。

 過去にロッテは『高卒ドラ1の左打ち強打者』を何度も獲得してきたが、満足な結果は残せていない。筆頭は千葉・銚子商から95年ドラフト1位で入団した澤井良輔。高校時代は『西の福留孝介(PL学園/現・阪神)、東の澤井』と騒がれたが、プロ通算5年で90試合出場36安打に終わった。他にも15年ドラフト1位の平沢大河(仙台育英)は、チャンスを与えられながら1軍に定着できずにいる。

 そんな中、17年ドラフト1位の安田尚憲(履正社)が、1軍の4番で結果を残しつつあるのは光明だろう。

「『高卒1位の左打ち強打者』の黒歴史と言われている。しかも平沢、安田、藤原と近年多くの高卒の左打者を獲得した。3人ともまだ20代前半だが、1軍での内容、結果ともに、ここまでは目立った実績はない。ネット上などでは『藤原も同じなのでは……』とも言われている。ここにきて3年目で形になりつつある安田の頑張りは、藤原にとっても大きな励みになっているはず。焦らずにじっくり頑張れば良い。もちろん平沢にも出てきて欲しい」(ロッテ担当記者)

 故障も癒えつつある藤原は、2軍戦では1番打者として試合に出場している。

「試合での目標は毎試合、安打と四球で出塁をすること。一年間の中で調子が悪くてヒットが打てない時もあるのでそういう時に四球を選べるようにしたい。そういう細かい打撃を身に付けることで打率は上がる。とにかく、もったいない打席を減らしたいと思います」(7月8日付スポーツナビ)

 自ら課題を語っていたが、厳しい状況が続いている。出塁率に言及していたが2軍リーグワーストの三振数(9月19日時点で65個)を記録。7月には34打席連続無安打、15打席で10三振ということもあった。

 だが、4番の英才教育をされている安田とともに、『1番・藤原』はロッテの看板を背負うことを期待されている。グラウンド外ではなく、チームを引っ張る戦力として結果を残し続けることが求められている。しかし現時点において、未来への道はまだ見えていない。ここから先は本人の頑張り次第である。横道に逸れることなく、かつての黒歴史を忘れさせてくれる活躍を誰もが待っている。

このニュースに関するつぶやき

  • 藤原選手は、イースタンリーグで良くなって来ているので、楽しみです�Ԥ��Ԥ��ʿ�������頑張って欲しいです��������
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  • 高卒2年目で戦力になったら誰も苦労しない。
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