6歳の幼女にディープキスした86歳老人――「かわいがりすぎた」「甘えてきたから」法廷での呆れた言い訳

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2020年09月22日 20:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

殺人、暴行、わいせつ、薬物、窃盗……毎日毎日、事件がセンセーショナルに報じられる中、大きな話題になるわけでもなく、犯した罪をひっそりと裁かれていく人たちがいます。彼らは一体、どうして罪を犯してしまったのか。これからの生活で、どうやって罪を償っていくのか。傍聴席に座り、静かに(時に荒々しく)語られる被告の言葉に耳を傾けると、“人生”という名のドラマが見えてきます――。

【#011号法廷】
罪状:強制わいせつ
被告人:S男(86歳)

<事件の概要>

 頻繁に通っていた都内大型ショッピングモールの遊び場で、被害女児・Aちゃん(6歳)と顔なじみになったS男。犯行当日、S男は授乳室のカーテンで仕切られたブースにAちゃんを連れ込み、自分の膝に座らせて体をなで回し、キスをして舌をなめるなどのわいせつ行為に及んだ。その翌日、Aちゃんが親に泣きながら「おじいちゃんがベロをなめた、口からバイキンが入っちゃった」と打ち明け、事件が発覚。

 手錠姿で法廷に入ってきた被告を見て、まずビックリ。白髪で足元もおぼつかない“老人”だったからです。「強制わいせつ」という罪名から、青年〜中年が登場するのかと思い込んでいました。しかも、被害者は6歳の女の子……S男はいわゆる「ペドフィリア(小児性犯罪者)」なのでしょうか? ちなみに、被告・S男は一人暮らしで婚姻歴あり、子どもなしとのこと。

 ショッピングモールの遊び場で元気に遊ぶ子どもたちと、それをニコニコしながら眺めるお年寄り――これだけ想像すれば、絵に描いたようなほのぼの風景です。S男とAちゃんは犯行の2カ月前から顔見知りで、会えば「おじいちゃん、おじいちゃん」と慕ってくれるほどの仲でもあったとか。それだけに、日常風景に忌むべきものが潜んでいたということが、とても恐ろしいです。

 犯行現場には、主に休日に出向いていたというS男。なぜならば、「子どもが多いから」。「わいせつな気持ちでは全然ない」と供述していましたが、苦しい言い訳に思えます。わざわざカーテンで遮られた授乳室(子どもも孫もいないのに、なぜこの場所を知っていたのでしょうか?)に躊躇なく連れ込んだところからしても、ほかに被害者がいる可能性も考えられます。明るい性格だったAちゃんは、事件以降あいさつができなくなり、年上の男性を怖がるようになってしまったそう。性犯罪を「魂の殺人」と言いますが、これ以上深い傷にならないことを祈るばかりです。

 さて、肝心の動機ですが、S男が法廷で語ったのは「『おじいちゃん、チューしよう』なんて甘えられるとねぇ」「つい、かわいがりすぎた」「とにかく子どもが好きなので」といった、自分勝手でふんわりとした内容でした。「わいせつな気持ちでは全然ない」と言う被告に、弁護士が「ではなぜ、この時はこんな(わいせつな)気持ちになったのか?」と質問しても、やはり「甘えてきたから、つい」「そうなっちゃったんですよね」と繰り返すばかり。

 個人的には、徹底的に討議して「老齢ペドフィリア」について解析してほしかったし、するべきではないかと思っています。“チュー=ディープキス”って、なんだそれ! 子どもを「かわいい」と思うのはわかる! ただ、なぜそこから体を触ったり、キスしようと思うのか!? ……などと、まったく理解できませんでした。

 傍聴している限り、老齢による衰えに加え、S男は語彙が乏しく、社会生活を営むうえで必要なリテラシーも足りない印象でした。実は“前科2犯”であることも判明し、しかも60年ほど前に、やはり幼女に対するわいせつ行為で逮捕されていました。その時に適切な治療を受けていれば、Aちゃんが被害に遭うこともなかったかもしれないと思うと、残念でなりません。

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