ひとりぼっちが苦手なシーズーのわこちゃん…聴導犬にはなれなかったけど、優しい夫婦の“娘”として幸せに

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2020年09月23日 16:10  まいどなニュース

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写真家庭犬として幸せに暮らすわこちゃん
家庭犬として幸せに暮らすわこちゃん

 笹川わこちゃんは4歳になったばかりのシーズーの女の子。ブリーダーさんのところで生まれ、生後2か月で『社会福祉法人 日本聴導犬協会』に聴導犬候補生として迎えられました。

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 日本での認知度が高い盲導犬はラブラドールレトリーバーかゴールデンレトリーバー、または両犬種のミックスが主流のため、補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)でシーズーは意外と思われるかもしれませんが、聴導犬は犬種が限定されておらず、保護犬から育成されることも多いと言います。

「現在、日本聴導犬協会の聴導犬の75%が元保護犬です。聴導犬は生活に必要な音、例えば玄関チャイムやタイマーが鳴ったとき、前足でユーザーさんの体にタッチして音の場所まで導くのが仕事。犬はもともと群れの仲間に音や気配を知らせて危険回避や狩りを集団で行う動物ですから、音を知らせるのは犬の行動パターンの一部なんです。そのため、犬種や大きさは関係なく聴導動作が可能になります」(日本聴導犬協会)

 わこちゃんは「ソーシャライザー」と呼ばれるボランティアさんの家で人間社会のマナーを学び、協会に戻って聴導犬としての適正検査を受けましたが、「家庭犬のほうが向いている」と判断され、新しい家族を探すことになりました。

「わこちゃんはとても頭が良く、良い子なのですが、人に対しての分離不安が強く、ひとりになると寂しくて吠えてしまうことがありました。だから、なるべく早く、吠えても大丈夫と受け入れてくださる愛情深いご家庭で過ごしたほうが幸せになれると判断したんです。『聴導犬になっても、ならなくても幸せにする』のが私たちの使命と考えています」(日本聴導犬協会)

 協会のホームページでわこちゃんに目を留めたのは兵庫・西宮市の笹川和平さん、仁美さん夫妻です。これまでにラブラドールを2頭(クッキー君、ナンシーちゃん)、シーズーを1頭(モナミちゃん)飼ったことがありますが、それぞれブリーダーさんから、盲導犬からのキャリアチェンジ、ペットショップからと生い立ちは様々。約10年、一緒に暮らしたモナミちゃんとナンシーちゃんを半年余りの間に立て続けに亡くし、もう一度シーズーをと考えたときに出会ったのがわこちゃんでした。

「ナンシーを迎えるとき、何かちょっとくらいお役に立ちたいと思い兵庫盲導犬協会さんに(キャリアチェンジ犬を)申し込んだんです。もう年齢的に大型犬は無理なので、できればシーズーをと探していたら、聴導犬協会さんに行きあたりました」(笹川夫妻)

 すぐに指定のアンケートに記入し、メールで申し込んだ笹川さん。同協会は長野県にあるのですが、ちょうどその週末、イベント参加のためスタッフが関西に来るというので会うことになりました。家族構成や環境をひと通り確認した後、「ご希望のワンちゃんはいますか?」と協会スタッフ。笹川さんが「わこちゃんがいいです」と答えると、「いま車に乗っています!」と言うではありませんか。聴導犬を広く知ってもらうための活動として、長野から遠征してきていたのです。これが縁というものでしょう。わこちゃんはそのまま“マッチング期間”に入り、数週間後に笹川家の子になりました。

 協会の方から聞いていた通り、わこちゃんはひとりぼっちが苦手。つまり、お留守番が苦手です。聴導犬=ヒトに寄り添って生活することを前提に育てられた犬ですから、仕方のないことかもしれません。

「サークルに入れて出掛けたことがあるのですが、オシッコもウンチもして、トイレシートもぐちゃぐちゃで…わこを洗わないといけないし、片付けに1時間くらい掛かりました(苦笑)。今はひとりにしないようにして、どうしてもというときは動物病院で預かってもらっています」(仁美さん)

 週末、出掛けるのはわこちゃんも一緒に行けるドッグカフェか、テラス席でワンコ同伴OKのお店。すっかり“3人家族”です。

「犬のいない生活は2か月ほどでしたが、やっぱりワンちゃんがいるといいですね。私たちのとってわこは最後の犬。聴導犬にはなれなかったけど、家族の一員として私たちを癒してくれています」(笹川夫妻)

(まいどなニュース特約・岡部 充代)

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