「格闘技」と「カレーパン」に共通点?“奇抜な名前のパン屋”社長が、MMA大会のスポンサーになったワケ

0

2020年09月25日 16:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真岸本拓也社長(左)とONEの大会にも出場するMMAファイターの秋山成勲(右)
岸本拓也社長(左)とONEの大会にも出場するMMAファイターの秋山成勲(右)
 4月以来、実に5ケ月ぶりの開催となった9・10「ROAD to ONE 3rd:TOKYO FIGHT NIGHT」(東京・渋谷O−east)。ONE Championshipとして観客を入れての国内大会は昨年10月の両国以来、実に11カ月ぶりとなった。

【写真】格闘技大好きな「SKE48」のメンバーといえば?

 大会ではD.J MeiことONEファイターのV.V Meiが選手コールを担当、第1試合から堂々としたアナウンスを繰り広げた。そして迎えたメインイベント、青木真也vs江藤公洋戦を前にMeiの口から「カレーパンだ。presents」の一文が発せられると、観客から「カレーパンダ?」「スポンサーか?」といった声が聞かれた。

 ケージ内のコーナーマットにも確認された「カレーパンだ。」は、国内外にユニークなパン屋をプロデュースする「ジャパンベーカリーマーケティング」が手掛ける新店舗。青木vs江藤戦は「カレーパンだ。」の冠試合として行われた。

 そんなジャパンベーカリーマーケティングを長髪&サングラス、そしてド派手な衣装で率いるのが岸本拓也社長。「考えた人すごいわ」などの奇抜な名前のパン屋でも知られ、各種メディアへの登場も多くなっているが、格闘技とは意外な取り合わせ。なぜ今回スポンサーを買って出たのか、そして格闘技との関りを会場で聞いた。

*  *  *

――今回、意外な形でのスポンサードとなりましたが、やはりそもそも格闘技がお好きなのでしょうか。

岸本 やっぱり燃えますし、もう小学校時代からずっと好きで見てました。プロレス、K−1、PRIDEと見てきて、音楽も好きなんですけど、大晦日は紅白より格闘技です(笑)。


――お好きな選手を教えてください。

岸本 昔はやっぱりアントニオ猪木で、K−1になってからは(ジェロム・レ・)バンナとかアーネスト・ホーストも大好きで印象的でした。PRIDEでは高山(善廣)選手とかドン・フライ、好きな選手がいっぱいいます。今日のONEでも青木選手はすごい好きですし、三浦春馬くんとNHKの番組で共演したことがあって、彼のTwitterを見ていて、江幡塁選手も結構前から好きでした。ああいう律儀に愚直にやっている選手ってすごい好きです。


――いろんな選手の名前がスラスラ出てきますね。

岸本 ボクシングも大橋(秀行)とかレパード玉熊が出ていた時代から好きで、その後は勇利アルバチャコフと畑山(隆則)、畑山とリック吉村の試合とかスゴい試合でしたよね。あれには結構震えました。あともちろん坂本(博之)も好きでした。(ドヴォルザークの)『新世界』で入場してきて。


――思っていた以上にお好きなようですね。実際にご自身でやることはなかったのですか?

岸本 1回先輩と地元のボクシングジムへ行ったことがあるんですけど、2日か1日坊主で終わりました(笑)。でも、見るのは好きで今でもずっと見ています。ONEも毎回見てますし、最初両国でやった時(19年3月)も観に行きました。


――コロナ禍で何かと大変な現在ですが、その中でスポンサーをしようと思ったのはどうでしてでしょうか。

岸本 いまサッカーチーム(北海道コンサドーレ札幌)のスポンサーをやらせてもらっていますけど、これは一つは「地域密着」という観点です。今回の格闘技というのは世代であったりそういうセグメントに密着したいというところで、男性はカレーパンや総菜系のパンが好きだし、格闘技と合うと思ってます。ONE Championshipは礼儀や格式を重んじる姿勢がいいなと思ったし、アジアで非常に人気なのも知っていたので、うちもコロナで開店が延びてますけど、中国で6店舗、バンコクが進行中、ミャンマーでもやっていて、ONEのそういうスケールの大きさや挑戦するというところに経営者として共感を覚えたところもあります。


――アジアを中心に展開するONEに親和性を感じるところがあったと。

岸本 やっぱりありました。僕は“無駄なことが最高の必要なこと”って考えていて、僕がやってることって付加価値をつけることなんです。付加価値って、別につける必要がないと言えばない訳ですけど、そこで喜びを提供できる。だから美味しいパンは当然のこととして、店名であったり内装だったりデザイだったり僕のファッションであったり、付加価値をつけるというのは常に考えています。カレーパンは十分身近に感じますけど、専門店って意外とないんです。だからもっともっと増えていいはずだし、専門店が増えればいろんな需要が生まれる。カレーパンの価値をもっと高めたいという思いがあって、今回やらせてもらいました。


――幼少から好きだった格闘技との新たな繋がりがスポンサーとして今回できた訳ですが、今後はいかがでしょう?

岸本 カレーパンというのはスパイスが利いていて非常に熱く、エネルギッシュな食べ物です。格闘技も熱く、エネルギッシュなファイトを見せるということで繋がる部分があるので、長いお付き合いをしていきたいです。我々の「カレーパンだ。」はまだ1店舗目でこれからも予定していますが、ONEが日本で育って成熟していくのに一緒になって歩んでいけたらと思います。格闘技を見ている方もカレーパンを食べて熱くなってもらいたいです。


――現在再び盛り上がりを見せている格闘技ですが、またかつてあったブームのような人気を得るには何が必要だとお考えですか?

岸本 やっぱりスポーツに特化するっていうのは大事ですけどエンターテインメント路線というのも必要で、それは新日本プロレスさんが盛り返してきているのがそうだと思います。これは考え方の違いですけど、僕らのようにパンにエンタメを入れるっていう考え方に対しストイックに作るという考え方もあると思いますけど、一緒にやらせて頂く以上、我々の色というのをちょっと出していけたらと思います。


――社長にとってのこだわりであり、ビジネスにおけるポリシーでもある「付加価値」を格闘技や選手につけようとする場合、どうしたらよいでしょうか。

岸本 それこそスポンサーの使命じゃないですかね。今の時代はただ出すだけじゃなくコラボレート、掛け合わせないとダメだと思うんです。なので今回はやらなかったですけど、選手と組み合わせながら一緒になってやっていけると面白いなと思います。もちろん選手の色がありますし、合う選手・合わない選手がいると思いますが、我々ができることを供給すれば非常に面白いんじゃないでしょうか。北海道コンサドーレ札幌もユニフォームに「白い恋人」って書いてあるだけですごく目立ちますし、我々もそういうものの見方や新しい価値を創生していきたいと思います。

(文/長谷川亮)




    ニュース設定