マンチェスター・Uに所属するイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードが、SNS上で自身に宛てられた1通の手紙を公開している。
イギリスでは新型コロナウイルス感染拡大後、ロックダウン(都市封鎖)中に満足に食事を得ることができない子供たちのために、食事を無料で配給するバウチャーシステムが3月から設けられていた。同制度は本来授業が行われていたはずの期間のみを対象としており、夏休み期間の開始とともに終了する予定だった。
しかし、自身も少年時代に貧困を経験したラッシュフォードは、夏休み期間も食事の配給を継続することを政府に求め、また自らも2000万ポンド(約27億円)を集めて寄付を行った。これを受けてイギリス政府はバウチャーシステムの延長を決定。義務教育を受ける約130万人の子供たちが夏休み期間にあたる6週間の間、1人あたり15ポンド分の食事を受け取ることができるようになっていた。
ラッシュフォードはこの功績が認められ、7月にマンチェスター大学から名誉博士号を授与された。同選手は現在も貧困問題解決に向けた運動を続けており、今月の初めにはイギリス国内約420万人の子どもたちを飢餓から救うためのタスクフォースを設立している。
そんななか、精力的に活動する英国内のヒーローに宛てて手紙を送ったのは、トッテナムを応援する7歳のジャックくんだ。ジャックくんは自らもラッシュフォードのように人助けがしたいと思うようになったことを明かし、多くの人々に影響を与えた同選手への感謝を綴った。
「マーカスへ。助けが必要な家族たちを助けるためにあなたが取ったすべての行動を、僕は大変好ましく思っています。親切な心を持ち、人生で最も大変な時期に直面する子どもたちを助けるあなたの行動に、僕も触発されているのです。あなたのおかげで、僕もほかの人を助けたいと思うようになり、より良い人間になることを目指そうと思いました。あなたのおかげで、僕たちはフードバンクに食料を寄付し、おもちゃや衣類なども、ほかの家族を助けるチャリティに寄付をしています」
「また、あなたのサッカーのスキルも僕に刺激を与えており、僕はより良い選手になるための練習を行っています。どうかスパーズ(トッテナムの愛称)に加わってくれませんか? あなたがしてくれた全てのことに感謝しています」
手紙を受け取ったラッシュフォードは、Twitter上で次のように返信している。
「ジャックへ、愛おしい手紙をどうもありがとう。本当に僕を笑顔にさせてくれたよ。これからも優しい子でいてほしい。優しさが、この世界を動かすのだからね。MR」