猫への嫌がらせ…通り道に割れたガラスを散布、ほうきの先に包丁 劣悪環境にいた兄を救った弟

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2020年09月27日 11:30  まいどなニュース

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写真お母さんが同じ?アントニオ君(右)と小鉄君の兄弟
お母さんが同じ?アントニオ君(右)と小鉄君の兄弟

 世の中には猫が大好きで、不幸な猫が増えないようTNR(T=Trap/捕獲し、N=Neuter/不妊去勢手術を施し、R=Return/元の場所に戻す)活動をしたり、地域猫を大切にお世話する人たちがいる一方で、猫が嫌いなのか、他への不満を猫にぶつけているのか、嫌がらせや虐待をする人も存在します。大阪市西成区で暮らしていた1匹のノラ猫(現在の名前はアントニオ)も、特定の人物からひどい目に遭わされていました。

【動画】アントニオくんを捕獲・保護

「私が勤めている会社の周辺はノラ猫への虐待が多いエリアで、亡くなった猫もいました。そのときは警察に届けましたが、アントニオも近所の猫嫌いの“おじい”から嫌がらせ受けていたんです。通り道に割ったガラスをばらまかれたり、ほうきの先に包丁を付けたものを投げつけられたり…猟奇的でしたね。気が気じゃなくて、土日も世話をしに通っていました」

 信じがたい光景を話してくれたのは、職場の周辺でTNR活動をしているという池田亜衣子さん。アントニオ君を助けてあげたかったけど、当時、池田さんの家には保護したばかりの猫がいて、もし里親さんが見つからなかったとき、責任を持って飼ってあげられないかもしれないと、一歩踏み込めずにいました。「かわいそうだから」という一時の感情で保護するのは、猫のためにならない場合もあります。

 そんなアントニオ君の命を救ってくれたのは、恐らく母猫が同じ弟の小鉄君でした。今年6月、池田さんが出勤すると、会社の敷地内で生後2か月弱の子猫が鳴いていたそうです。

「離乳できているか分からないくらいの小ささだったので、母猫が迎えにくることを願っていたのですが、お昼に見に行っても、仕事終わりに行っても、まだいて。だんだん弱って声も小さくなっていたので、以前からお世話になっていた『ねこから目線。』さんに捕獲をお願いしたいんです」(池田さん)

『ねこから目線。』とは関西圏を中心に活動するノラ猫・保護猫専門のお手伝い屋さん。ノラ猫の捕獲、病院への搬送、里親探しなど、猫にメリットがあると考えられることなら何でもお手伝いしてくれます。

 捕獲された子猫(現在の小鉄君)は体重640グラム。病院でウイルス検査や駆虫をしてもらい、しばらくして里親募集が始まりました。たくさんの応募の中から選ばれたのは、大阪・堺市に住む吉川直子さん。子供の頃からずっと猫を飼っていましたが、一人暮らしの期間と結婚後5〜6年、猫のいない生活をして、「どうしても飼いたくなって」引っ越し、里親募集サイトで一目惚れしたのが小鉄君でした。

 面会の日。『ねこから目線。』のスタッフと池田さんに付き添われてやってきた小鉄君は、とてもおとなしかったそうです。「借りてきた猫でした」と笑う直子さん。そして、その場で2匹目を勧められました。小鉄君の月齢が小さく猫社会の勉強ができていないことと、吉川さんの家があまりに広くて1匹だけではさみしそうというのが理由でした。

「5匹くらい紹介してもらってアンちゃん(アントニオ君)を選びました。すごく人懐っこいと聞いたので。もちろん、小鉄のお兄ちゃんかもしれないというのも大きかったですね」(直子さん)

 驚いたのは池田さんです。スタッフがアントニオ君を候補に入れてくれたのも、吉川さんがまだ捕獲さえできていないアントニオ君を選んでくれたのも、まさにサプライズ!「本当にうれしかった」という池田さんは、吉川家を後にしたその足で『ねこから目線。』のスタッフとアントニオ君がいる場所に向かい、無事、捕獲に成功しました。池田さんが「おいで〜」と呼ぶとすぐに出てきて、ひょいと抱っこされたと言いますから、本当に人懐っこい子です。ひどい仕打ちを受けていたのに、ヒトを嫌いにならないでいてくれました。

 ずっとノラ猫だったアントニオ君の隔離期間が明け、小鉄君と対面させてみると…。

「アントニオは地域の他の猫とは少し離れた場所にいたので、小鉄とうまく接することができるか不安でしたが、血のつながりなのか、すぐに馴れてくれましたね。小鉄もお兄ちゃんが大好きになりました」(池田さん)

 2匹そろって吉川家に向かう車の中では、不安で鳴いているお兄ちゃんにピッタリ体をくっつけて、弟は爆睡していたとか。吉川家ではトライアル期間から常に一緒に行動しているそうです。

「ふたりでずっとじゃれ合っています。血出るんちゃうかというくらい噛んでいることもありますね(苦笑)。猫がいる生活は最高! 毎朝、小鉄に足の親指を噛まれて目を覚ますのも幸せです」(直子さん)

 あのままノラ猫生活を続けていたら、命の危険さえあったアントニオ君。弟の小鉄君が幸せを運んでくれました。

(まいどなニュース特約・岡部 充代)

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このニュースに関するつぶやき

  • 嫌なら家ん中縛り付けとけ。
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  • 地域猫の糞尿で迷惑している人は、地域猫を嫌いになっても不思議じゃないよね。
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