BMWが総合優勝。10年ぶりに挑んだTOYO TIRES勢も堅実な走りを披露/2020年ニュルブルクリンク24時間

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2020年09月28日 13:41  AUTOSPORT web

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Novel Racing with TOYO TIRES & RING RACING。SP10クラスに参戦した37号車GRスープラGT4。
2020年9月26日〜27日、ドイツ西部ラインラント・プファルツ州で2020年ニュルブルクリンク24時間決勝レースが開催され、計97台が出走した。ローヴェ・レーシングのアレクサンダー・シムズ/ニッキー・キャッツバーグ/ニック・イェロイ/フィリップ・エンゲ組99号車BMW M6 GT3が総合優勝を飾った。

 TOYO TIRESがNovel Racingとジョイントした、Novel Racing with TOYO TIRES & RING RACINGは、SP10クラスに参戦した37号車GRスープラGT4がクラス3位/総合39位でフィニッシュするも、すべてのドライバーが15周を経過していないことから完走扱いとはならなかった。54号車レクサス RCFは残り4時間30分で戦線離脱、リタイアとなった。

 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、例年は5〜6月に開催される伝統の耐久レースも9月に延期となっていた。

 観客が招かれたのはメインコースのスタンドのみで、毎年レースを楽しませる北コース(ノルドシュライフェ)のテント村は更地となり、どこか寂しげな雰囲気となった。当然、コース脇でバーベキューを楽しむ灯りもなく、夜間の北コースは漆黒の闇に覆われた。

 また強豪のマンタイ・レーシングや“ニュルの顔”として知られるオペル・マンタが不在となる“特別な24時間”となった。

 2020年のレースで最大の敵となったのは雨。予選は時折、太陽が姿を見せるもほぼウェットコンディションで行われ、メルセデスAMGチームHRTの4号車メルセデスAMG GT3がポールポジションを獲得した。

 レース開始前から雨が降るなか97台が出走準備を整え、現地時間15時30分に決勝レースがスタート。各マシンはウォータースクーリーンを作りながらポールポジションの4号車を先頭にホームストレートを駆け抜けていく。

 日没後、北コースの雨量が増し、スピンするマシンが増え始め、残り17時間に迫ろうかという22時30分ごろにレースは赤旗が提示された。1時間半の中断後、午前7時に状況判断が通達されるアナウンスがされ、一時休戦になった。

 トータルで9時間30分以上の中断を経て、現地時間9月27日午前8時過ぎ、雨が弱まったことで3台のアウディR8 LMS GT3を先頭にレースが再開された。

 残り5時間を切ったあたりからレコードラインが目立ち始め、終盤は太陽が覗き込むドライコンディションに。残り3時間の時点では総合トップから13台が順位を入れ替えながら同一周回の接近した戦いが続く。

 そして残り30分に迫ろうかというタイミングで、3番手のマシンが接触により左リヤタイヤを破損させて緊急ピットイン。これで優勝争いは99号車BMW M6 GT3とアウディスポーツチーム3号車アウディR8 LMS GT3の一騎討ちになった。

 最終的に両者の差は15.452秒、85周を走り切った99号車が総合優勝を獲得した。BMWに10年ぶりの勝利をもたらし、メーカー最多勝を更新する20勝目となった。


■TOYO勢が10年ぶりに挑むニュル本番。過酷な状況下でのレースで確実な手応え

 トヨタ、スバルなどの和製メーカーが参戦見合わせを決めるなか、日本のTOYO TIRESがNovel RacingとジョイントしたNovel Racing with TOYO TIRES & RING RACINGが2台のマシンを送りこんだ。

 SP10クラスには、37号車GRスープラGT4をアンドレアス・グルテン/ミハエル・ティシュナー/東徹次郎/ウベ・クレーン組で、SP8クラスには54号車レクサス RCFは朝日ターボ/小山佳延/ドミニク・ファーンバッハー/クラウス・ヴォルカー組でそれぞれ出走した。TOYO TIRES勢を含みSP10クラスは4台、SP8クラスは2台がエントリーした。


 予選は37号車GRスープラGT4がクラス3番手の総合53番手に、54号車レクサス RCFがクラス首位の総合59番手タイムをマークし、決勝レースを迎える。

 雨が主体となるもハーフウェットのコディションが混じる難しい展開の中、堅実な走りを見せる2台。赤旗中断となった時点では37号車GRスープラGT4が総合44番手、54号車レクサス RCFは55番手につける。

 54号車レクサス RCFは着実に順位を上げ、総合46番手まで上り詰めるも、残り4時間30分というタイミングで、アクシデントにより戦線離脱となった。

 37号車GRスープラGT4もピットで作業を強いられる機会はあったもののレースを走り切り、クラス3位/総合39位でフィニッシュする。しかし、『全ドライバーが15周以上周回する』という規定を満たずことができず、完走扱いにはならなかった。

■TOYO TIRES開発チームのコメント
「厳しい結果になったと言わざる得ません。ただ、この10年ぶりの挑戦の初年度の目的は“現在の我々が置かれている位置、状況の確認”ということでした。今回はさまざまな過酷な状況をすべて含めて、ニュルは充分過ぎるほどの教訓を与えてくれたと前向きに考えています」

「課題は山積みですが、社内外の関係して頂いている皆さんと共に2021年の挑戦に向けてギアを上げて進んで行きます」

■Novel Racing 渡邊卓代表のコメント

「今年は大半がウェットコンディションという、例年になくハードなレースだった。RCFが予選でクラッシュ、GRスープラGT4が決勝でクラッシュと、2度のクラッシュは残念だったが、チームが団結してこの困難を乗り越えることができて、より絆を深めることができた」

「TOYO TRIESとしては10年ぶり挑戦であり、1年目のニュル24時間レース開発プログラムということで、まだまだ足りない要素はあると思う。今回、新しいスペックを試すことができたことで、課題や問題点が見えてきた。このデータを元にして、ニュルで戦えるタイヤ作りのために互いに研鑽を重ねていきたい。今後のさらなる挑戦がとても楽しみだ」

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