巨人から出てノビノビ、ロッテ澤村拓一は新天地で「チームの顔」に?

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2020年09月28日 16:00  AERA dot.

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写真巨人からロッテに加入した澤村拓一(画像は千葉ロッテマリーンズからの提供写真)
巨人からロッテに加入した澤村拓一(画像は千葉ロッテマリーンズからの提供写真)
 ロッテ澤村拓一の周辺が盛り上がっている。

「優勝への救世主」「復活を信じていた」と周囲は騒がしい。移籍後の出足は好調に見える豪腕だが、完全復活を果たせるのだろうか。

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 9月7日、澤村のロッテへの電撃移籍が発表された。今季は開幕から不安定な状況が続き、大学の先輩でもある巨人・阿部慎之助2軍監督の判断で8月には3軍降格も経験。時間をかけて1軍復帰を目指すと見られていた中での移籍劇だった。

「両球団の思惑が一致したトレード。巨人は独走状態で目標は日本シリーズ制覇。復調まで時間がかかりそうという判断で、期間を定めずにファームへ預ける予定だった。そこへリーグ優勝を狙える位置にいるロッテ側から打診があった。直接対決は日本シリーズまでない。環境を変えるなど、本人の今後のためにも素晴らしい移籍だったのではないか」(巨人担当記者)

 10年オフのドラフト1位で巨人へ入団し、11年に新人王、16年にはセーブ王にも輝いた。投手としての能力は誰もが認めるところだったが、特徴の『荒れ球』を近年は制御できない状態だった。またグラウンド外のトラブルも多く『問題児』のレッテルも貼られていた。

「巨人では半ば戦力外でしたが、ロッテでは井口資仁監督、吉井理人投手コーチ好みで評価は高かった。メジャー経験者の2人は、ブルペンにパワー系投手がいることの強みをよく知っている。澤村は日本で有数の本格派なので、戦力として大きな期待をしている」(ロッテ担当記者)

「限界か」という声も聞かれたが、移籍を機会に追い風が吹き始めた。周囲からも好意的で温かい視線を注がれ、プレーにも好影響を与えノビノビ投げているように見える。

「150キロ超えのスプリットは途中まで真っ直ぐと同じ軌道で打者は見極めにくい。細かい制球力は求めずアバウトで良いのでゾーンに入れば、簡単には打てない。求められるものが明確になり、本人も開き直れるかもしれない」(パ・リーグ球団スカウト)

 基本的に球種は、真っ直ぐとスプリットの2種類。真っ直ぐは力があるから打ち損じてファールが取れる。そしてスプリットはチェンジアップ気味に使えて、空振りだけでなくバットの芯も外せる。

「マウンド上での表情を見ていると余裕を感じるというか、喜怒哀楽を表すようになった。巨人時代は1球ボールになるだけで顔が引きつる感じでだった。指にかかり過ぎた時など、笑顔で捕手に謝ったりする。マウンド上でのゆとりが好結果につながっているのではないか」(パ・リーグ球団スカウト)

「融通が効かず頭まで筋肉でできている」と揶揄されたこともあった。「コーチなど周囲の意見を聞かない」という悪評も流れ、巨人晩年は周囲も腫物に触るような雰囲気もあった。

 しかしロッテ関係者は加入を温かく歓迎した。チーム状況も良くリーグ優勝を狙える位置にいる。何度も栄光を知っている澤村に対して、大きな期待がかけられている。

「誰とでも気さくに接し裏方さんにも積極的に話しかける。若手とはトレーニング方法などを教えあっているのを見かける。吉井コーチを中心に投手陣はコミニュケーションを大事にしているから、溶け込みやすかったのだろう。楽しそうに野球をやっているのがわかる」(ロッテ球団関係者)

 そしてファンの優しさも澤村の支えになっている。かつてロッテファンは澤村に対しては“シビア”で、交流戦では辛辣なヤジも飛んでいた。それが今や『優勝への使者』とも呼ばれている。

 不甲斐ない投球を見せ続けられた巨人ファンからは不要論も出ていた。しかし、いなくなった途端に『巨人・澤村』グッズを買い漁り、商品の多くが完売状態になった。

「初登板では自身の『57』のユニフォームが間に合わず、福嶋明弘・打撃投手の『106』を着用。その背番号Tシャツを販売して欲しいという声もあった。鳥谷敬の時と同様、個人グッズ販売の問い合わせが殺到。移籍からまもなく1カ月経つがグッズ売上はチームトップクラス。やはり澤村の知名度がいかに凄いかがわかる。うちのファンは選手に対しての愛が強い。結果が出ればチームの顔になることも考えられる。戦力、営業の両面で期待している」(ロッテ球団関係者)

 本人が気持ち良く野球ができ、ファンも大きな声援を送っている。ここまでは移籍のプラス面しか感じられない。問題は今後結果を残せるかどうかだが、まだまだ不透明だ。

 印象的なのは、移籍後初セーブを挙げた20日の日本ハム戦(札幌ドーム)。2点を勝ち越した延長10回から3番手として登板、簡単に2死を取った後に3連続四球。最後の打者を抑えて試合を終わらせたが、巨人時代から恒例となっている『澤村劇場』の真骨頂を見せた。

「ああいう姿を見せられるので、獲得に関しては慎重にならざるを得なかった。球の威力や投手としての資質などは、超一流のものを持っている。でもいつ崩れるかわからないので投げていて怖い。結局、今のままでは得点差が離れた試合での起用方法になってしまう」(パ・リーグ球団スカウト)

 厳しい意見もある一方で、ロッテファンなどからは納得済みの声もある。

「まるで往年の『コバマサ劇場』。ロッテらしくて良いという人もいます(笑)」(ロッテ球団関係者)

 コバマサとは小林雅英。日米通算40勝234セーブを挙げ、05年にチームの日本一に貢献したレジェンド。自らピンチを招いた末に試合を終わらせることが多かった。ヒヤヒヤさせる投球内容でファンは最後まで席を立てず、試合終了後は大いに盛り上がった。

『コバマサ劇場』を知っているだけに『サワムラ劇場』への許容度も高い。またどんな形であれ澤村が試合を締めれば、優勝が近づくこともわかっている。

 試合終盤の手に汗握る展開には慣れているが、ロッテ関係者からすると胃が痛む戦いが続きそう。澤村は、いろいろな意味で今季の注目だ。








このニュースに関するつぶやき

  • ロッテの顔は流石に嫌がるだろう。巨人から切られるってことなんだから。引退後球界に残りたくば、ロッテじゃあね。井口だって鷹とは縁切りだろ? https://mixi.at/aeY6cND
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  • ハムの大田同様、移籍後に「ノビノビ」と野球をしているという表現が当てはまる。そんな表情で投げているわなぁ。読売さんの環境では澤村の再生は無かったやろね。大田の開花もね。>続く。。。
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